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子育て

理想の父と娘の関係を築くためのヒント【理想のパパになる 第4回】

理想の父と娘の関係を築くためのヒント【理想のパパになる 第4回】

子どもが誕生した瞬間、親は大きな感動と喜びを抱くことでしょう。

とりわけ娘が誕生したパパは、目じりがう~んと下がり、満面の笑みで小さな我が娘を眺めている、という風景を産院でよく見かけます。

赤ちゃんの頃、「お風呂はパパの担当」となり、いつも一緒にお風呂に入っていたのが、いつの間にか一緒に入らなくなり、いつも膝の上で絵本を読んでいたのが、気が付けば一人で読むようになっていた……。

娘の成長は喜ぶべき事だと分かりながら、「やっぱり寂しい」そのように感じている父親は多いのではないでしょうか。

もうすぐ父の日。日頃のパパに感謝するとともに、父と娘の理想の関係について改めて考えてみたいと思います。

パパ好き❤と言ってくれる時期はほんの一瞬!

最近は「イクメン」という言葉が定着しつつあります。幼い子どもを持つパパは、「自分も良きイクメンに!」と思うものの、実際は仕事の都合で帰宅が遅くなったりと、「思うように子どもと関われない」場合が多いです。

また娘が成長したパパはというと、「娘が幼い頃、もっと関わっておけばよかった」という若干後悔の思いや自分の手元から離れていく寂しさを感じているようです。

娘が小学生になったパパの声を紹介します。

■どこに行くにも抱っこをせがまれ、歩くときは当然のように手をつないでいた娘。いつからか手をつないでくれなくなり、パパと二人で出かけるのも恥ずかしがるようになってしまった。

もっともっと、娘と二人で手をつないでお出かけしておけばよかったなと思います。

(小3の女の子のパパ)

■3歳の頃は大きくなったらパパと結婚する!と言っていた娘。それが先日、「好きな男の子がいる、相手も私のコトが好き」という話をママとしているのを聞いてしまった。

ああ、もう俺のものじゃないのかと泣けてきた

(小2の女の子のパパ)

娘が「パパ好き❤」と言ってくれる時期はほんの一瞬です。こういう声を聴くと、「パパ好き」といってくれる貴重なひと時を大切に過ごしたいと感じますね。

娘の成長をいつも意識して感動できる親子関係になろう

女の子の成長は、パパが思っているよりきっと早いです。体の発育が男女違うように、脳や心の発育も男女異なります。

一般的に言って、男の子より女の子の方が、思春期までは心身ともに成長が早いと言われています。

「えっ、こんなに成長してるんだ!」と娘の成長に感動したエピソードを次に紹介します。

■ママが風邪で寝込んでいたとき、お弁当買ってこようかと提案したら、「私がおにぎり作る!」と。

エプロンをして小さな手でおにぎりを一生懸命にぎってくれた姿に感動。夫婦で泣いてしまいました。

(3歳の女の子のパパ)

■ソファーでうたた寝をしてしまった時、物音に気付き目が覚めた。何かと思えば、娘が寝室から小さな毛布を引っ張り歩いてきた。そして自分にかけようとしてくれた。

その気持ちに涙が止まらず、娘のかけてくれた毛布の中でうれし泣きをした

(3歳の女の子のパパ)

もう涙なしではいられない感動ですね。女の子は、親が想像しているよりしっかりママの姿を見て、パパの事を思っています。

また娘の成長に気づき、感動をいっぱい見つけることができるパパほど、父娘の絆は深まり、思春期になっても適切な距離を保ちながら、お互いを認め合う関係が続くでしょう。

娘の成長はこんなにも早い!今を大切に

他にも、娘の成長に気づき、感動しているパパのコメントを紹介しますね。

■ストローをさせずに「やってくださーい」と持ってきていた子が、いつの間にか自動販売機で自分で飲み物を買えるようになり、缶ジュースを飲んでいたとき。もう赤ちゃんじゃないんだなと成長にびっくりした。

(4歳の女の子パパ)

■春から小学校入学を機に、夫婦共働きなので安心携帯を持たせることに。娘の携帯番号を登録して、着信画面が娘の名前になるのかと想像したら、「大人になったなあ」と涙腺が崩壊しました。

(小1の女の子のパパ)

■小さい頃から娘と一緒に遊んでいた近所のお姉ちゃんがこの春高校生に。眼鏡をコンタクトにして急に大人びた姿を見てびっくり。挨拶されても誰だか分からなかったほど。

女の子はどんどん変わっていくなあとジンときてしまいました。

(中2の女の子のパパ)

父親がしっかり育児に関わった家庭ほど、将来幸せに

以前米国で父子に関する調査を行ったところ、父親が教育に熱心な家庭の子どもは、優秀であるというデータや、父親が育児に関わる時間が長かった子どもは非行に走る割合が低いという結果が出されました。

また女児に関しては、父親と接する時間が長いほど、将来、男性を見る目が養われるでしょう。自分に愛情を持ってくれている男性かどうか見極める目にもつながりますね。

パパが子どもにしっかり関わり素敵なイクメンパパになることで、ママもさらにパパを見直し感謝するでしょう。そう考えると、家庭の幸せはパパ次第。

いつかはパパの元を離れ、巣立ってしまう娘。パパは娘の成長を見守りながら、いつまでもエールを贈り続ける最高の応援団長でありたいですね。

▼【連載】理想のパパになる
第1回「短い時間でも子どもの心にパパの存在感を刻み込むマジックワード」
第2回「プロ直伝!2歳までの新米パパが陥りがちなNG子育てとは」
第3回「遠くの自然より近所の公園!パパにしかできない外遊びを極めよう」

著者プロフィール
田宮 由美

公立幼稚園、小学校での勤務、幼児教室を7地域で展開、小児病棟への慰問、子どもの声を聴く電話相談など、多方面から多くの子どもに関わる。そのような中、子育てに熱心な
故に、その愛情が焦りとなり挫折、絶望感を抱いている親子が多いことに心を痛める。
「子どもの自立」「自己肯定感」「自己制御力」を柱とし、真に子どもの能力を開花させる子育て法を広める活動を2010年から始める。
現在、息子は大学病院で医師として、娘は母子支援の職場で相談員として勤務。実生活に落とし込んだ、親の心に寄り添う記事に定評がある。「難しいことを分かり易く、ストンと腑に落ちて行動に移せること」を理念とし、現在は執筆、講演、幼児教室を中心に幅広く活動中。
資格:小学校教諭・幼稚園教諭・保育士・日本交流分析協会 子育ち支援士
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(株)KADOKAWA

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