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子育て

今どきママは褒めるのが苦手!? 子どもを伸ばす5つの褒め方

今どきママは褒めるのが苦手!? 子どもを伸ばす5つの褒め方

今30代のママたちが子どもの頃は、習い事たっぷり。その後、受験戦争と超氷河期の就職時代を経験。団塊世代の親に厳しく育てられ、あまり褒められることなく現在に至る……という方が多いのではないでしょうか。

そして、褒められ慣れていないママたちの中には、「子どもの褒め方がよく分からない」という声も当然あると思います。「子どもを褒めて伸ばす」という言葉がありますが、ただむやみに褒め過ぎても、子どもが自分の能力を過大評価したり、反対に自己卑下に繋がる場合もあるでしょう。

どのような褒め方が子どもを伸ばしていくのか、失敗しがちな褒め方を含めて考えてみましょう。

1.結果を褒めず、過程を褒める!

結果だけを褒めるのは止めましょう。例えばテストで満点を取ってきた時、「満点取ってきて、エライね」と褒めると「満点取ってきた自分がエライ」のであって、テストで「満点を取れない自分はダメだ」と感じ、極端な場合、どんな手段を使ってもいい点数を取ろうとすることも起こり得ます。

そのような時は「テスト勉強、頑張ってたよね、努力が実ってよかったね」と、努力した過程を認め、褒めましょう。そのことによって、次回も努力しようとするでしょう。

2.兄弟姉妹、友達とではなく、過去の本人と比べて褒める!

本人以外の人と比べて褒めるのもNGです。例えば、「お友達の○○ちゃんは、まだ逆上がりができないのに、あなたはできてえらいわ!」と褒めると、優越感を持って、自分を過大評価してしまったりします。反対に人と比べて、自分が劣っているものがあった場合、自己卑下したり、やる気を失くしたりすることにもつながるでしょう。

比べる時は、「1年生の時は逆上がりができなかったのに、2年生になってできるようになったのね、すごいわ!」と、過去の本人と比べて褒めましょう。

3.片手間に褒めるのではなく、心を込めて褒める!

褒める時に、暗い表情や口調で褒めるのは、よくありません。例えば運動会のかけっこで、完走はしたけれど、1等になれなかった場合、「最後までよく走れたね」と完走を言葉では褒めていても、暗い表情や、怒ったような口調、また何か他のことをしながら褒めても、言葉は子どもの心に届きません。

むしろ、「最後まで走ったけれど、1等じゃなかったから、ママはガッカリしているんだ」と解釈したり、「ボクなんか、どうでもいいんだ」と感じることもあるでしょう。

褒める時は、子どもの目を見て、笑顔で心から褒めましょう。時には抱きしめたり、スキンシップを取りながら褒めるのもいいでしょう。

4.抽象的な言葉を並べるのではなく、具体的に褒める!

ただ「エライね!」「スゴイ!」だけの言葉を並べても、子どもは何がスゴイのか、よく理解できません。

弟におもちゃを貸してあげて、優しいお兄ちゃんね」とか「○○ちゃん、絵本を最後まで一人で読めるようになって、ママ驚いたわ!すごいね。」と具体的な事例を示して褒めましょう。

5.「子どもを認めて愛する」ことを土台に、喜びを共有する気持ちで褒める!

褒められる経験の少なかった親にとっては、子どもを褒めることは難しく感じるかもしれません。ですが、しっかり子どもを見ていれば、褒めるべきところはたくさんあると思います。

かけっこで1等にならなくても、「一番大きな声でお友達の応援をしていた」、上手に絵が描けていなくても、「絵の具のふたをいつもきちんと締めている」など、各々違ってあるでしょう。考えれば、子どもの存在そのものが、素晴らしいことなのです。

「子どもを褒める」ということは、決して評価することや、それによってコントロールしようとすることではありません。「子どもを認めて愛する」気持ちを土台として、喜びを共有することだと言えるでしょう。親子で子どもの努力を心から喜びあいたいものですね。

著者プロフィール
田宮 由美

公立幼稚園、小学校での勤務、幼児教室を7地域で展開、小児病棟への慰問、子どもの声を聴く電話相談など、多方面から多くの子どもに関わる。そのような中、子育てに熱心な
故に、その愛情が焦りとなり挫折、絶望感を抱いている親子が多いことに心を痛める。
「子どもの自立」「自己肯定感」「自己制御力」を柱とし、真に子どもの能力を開花させる子育て法を広める活動を2010年から始める。
現在、息子は大学病院で医師として、娘は母子支援の職場で相談員として勤務。実生活に落とし込んだ、親の心に寄り添う記事に定評がある。「難しいことを分かり易く、ストンと腑に落ちて行動に移せること」を理念とし、現在は執筆、講演、幼児教室を中心に幅広く活動中。
資格:小学校教諭・幼稚園教諭・保育士・日本交流分析協会 子育ち支援士
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(株)KADOKAWA

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