完璧ママこそ要注意!家事と育児の満足度を高めるコツとは?

完璧ママこそ要注意!家事と育児の満足度を高めるコツとは?

これで100%という明確なラインがないのが、家事と育児。日々それらと向き合っているママは、自分なりにどのように満足度を高めていけばいいのでしょうか?

完璧主義ママが抱えやすいストレスや日々の満足度をキープする秘訣などについて、子育て心理学の見地からお伝えしていきます。

日経DUAL記事

雑誌に出てくるような素敵ママの1日にクラクラする私…

あなたの周りに、ファッション誌に出てくるような素敵なママはいませんか?

例えば……。

起床は朝5時。ささっと身支度を整えて(しかもそれがキマっている!)、まずは犬の散歩。そして、お弁当と朝食を作り、上の子の勉強を見る。そして手際よく片づけて、自分も出勤。そのスタイルがまた颯爽としていて、ネイルまで手入れが行き届いている……。

そんな素敵なママを見ると、「私もなりたい!」と思う方もいるでしょう。または、「何でそこまでがんばれるの?」と自分と比較し、がっかりしてしまう方もいると思います。

輝いて見えるママだって大きなストレスを抱えることも

ただ、そういうママがみんな、悩みを抱えていないかというと、そんなことはありません。中には、ストレスの固まり状態という方もいらっしゃいます。

実際カウンセリングでは、自分に高いものを求める「完璧ママ」からのご相談を受けることがよくあります。周りから見たら、超がつく素敵なママでも、内心ではひどいイライラや焦燥感に悩んでいることもあるのです。

典型的なのが、素敵な自分をOKとし、そうでない自分をNGとしているケースです。その場合、常に「がんばらなくちゃ」と思うあまり非常に大きなプレッシャーに苦しんだり、慢性的な不完全燃焼感に悩んでいたりします。

いいイメージのある「完璧ママ」という響き。しかし、高い理想像に自分を縛りつけてしまったり、過剰なプレッシャーを与えてしまったりすると、ストレスが溜まるのが現実です。

「これで完璧」が存在しない家事と育児の世界では、自分でそのラインを設定しない限り、延々と走り続けていなくてはいけなくなるからです。

大事なのは、相手にどう映るかではなく、自分が自分をどう認めていくか。完璧主義の落とし穴にハマっていない「素敵ママ」をめざさないと、いずれ走れなくなってしまいます。

完璧主義レベルをセルフチェック!

ここで、自分の完璧主義度を計るセルフチェックをしてみましょう。次の文を読んで、いくつ該当する項目があるかチェックしてみてください。

□ 何かタスクがあるとき、「〇〇すべきだ」「〇〇しなくてはダメだ」と自分に喝を入れた方がうまくいくと思う
□ やるべきことがあるのに、気がつくと、部屋の掃除や棚の整理など、整理整頓をしていることがある
□ 締め切りが設定されているものは、いつもギリギリのタイミングで間に合う
□ やることがわかっているのに、それを先延ばしにしてしまうことがある
□ 「絶対に失敗はできない」「必ずやり遂げるべき」のような、限定的な言葉をよく使う
□ 作ったTo Do リストや、立てたスケジュールを、予定通りこなせないことが多い
□ 自分、子ども、夫に対し、「ああすべき、こうすべき」と「すべきフレーズ」を発することが多い

これらは全て、完璧主義ママによく見られる行動や思考です。つまり、当てはまる項目が多いほど、上に書いたようなストレスを抱えたパターンに陥る傾向があります。

心理学的に見れば、完璧主義思考はマイナス思考の1つ! よさそうに見えて、実は自分を追い込んでいく曲者なのです。

めざすは脱・完璧主義の素敵ママ! 日々の満足度を高める10のヒント

完璧主義に縛られず、しかも日々の満足度を高めるにはどうしたらいいでしょうか? 子育て心理学的におすすめする、ママの日々向上のためのヒントは次の10個。「やらない方がいいこと」と「やった方がいいこと」をそれぞれ5つずつリスト化しましたので、ご参照ください。

I don’t ~ やらない方がいいこと

・できない自分は「嫌い」、できる自分は「好き」のように、自分を二分化して捉えること
・自分ができていないことを数え上げること
・周りのママの素敵な姿を、そのまま自分に当てはめて目標にすること
・見えないゴールを設定すること
・長すぎる「To Do リスト」を作ること

I do ~ やった方がいいこと

・現実的な目標を立てること
・ゴールを視覚化すること
・できていないことより、できていることに目を向け、自分をほめること
・自分がめざす姿をイメージ化すること
・「私がやりたいから〇〇する」と行動の主体性を自分に置くこと

人間は日々成長していくものですから、高いものを求めたくなるのは自然なモチベーションと言えます。しかし、それが見えないほど高いと、行けども行けどもたどり着けず、慢性的な不完全燃焼を起こすことに。

大事なのは、「ちょっと上」をめざすことです。1日1段上がれば、1年で365段も上がれます。そんな小さな努力の積み重ねこそが、満足感をキープしつつ、結果的に自分をもっとも高めてくれるのです。

著者プロフィール

育児相談室「ポジカフェ」主宰&ポジ育ラボ代表
イギリス・レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会(NIP)認定心理士。ポジ育ラボでのママ向け講座、育児相談室でのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動などを通じ、子育て心理学でママをサポート。2020年11月に、ママが自分の心のケアを学べる場「ポジ育クラブ」をスタート。著書に「子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣」など。HP:megumi-sato.com

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