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忘れ物と学力は関係する!? 子どものタイプ別で正しい対応法をご紹介!

忘れ物と学力は関係する!? 子どものタイプ別で正しい対応法をご紹介!

幼稚園でも小学校でも心配な忘れ物。特に小学生になると、ランドセルの他に、体操服や絵の具、習字セット、給食のエプロンなど、必要な用具や副教材も多くなります。

成績表の生活欄には「忘れ物」についての項目が設けられていることが多く、子どもの「忘れ物」については、親の気がかりのひとつになるでしょう。ここでは、子どものタイプ別でその対応法をお伝えします!

日経DUAL記事

忘れ物を減らす関わり方は、タイプ別に対応

「忘れ物」は大人でもあることです。そしてそれは叱責されたからといって、解決されていくものでもないでしょう。

「どうして、忘れ物ばかりするの!? 気をつけなさい!」「何回言わせたら気がすむの!いい加減にしなさい」と親が厳しく叱責したところで、忘れ物をする時はしますし、反対に子どもは追い詰められ、親子の間に溝が生じることもあります。

では、親はどのように対応すれば、子どもの忘れ物を減らすことができるのでしょうか。ここで気をつけたいことは、忘れ物に気づいた時、ひどく気にする子もいれば、少々忘れ物をしても、ケロッとして、忘れたことに対して、あまり気にしない子もいるとうことです。

この異なったタイプの子どもに接する時、同じような関わり方では、うまくいきません。子どものタイプ別に忘れ物を減らす対応法を説明します。

タイプ1 「忘れ物」をしてもあまり気にしない子の心理

「忘れ物」をしても、あまり気にしない子どもは、そもそも「忘れ物をしてはいけない」という意識が低い場合が多いです。

例えば、
・体操服や給食のエプロンを忘れても、私服のままできる
・教科書を忘れたら、隣の席の友達に見せてもらえばいい
・ノートを忘れれば、他のノートに書けばいい
・絵の具や書道セットを忘れれば、お友達に借りればいい

このような考えを持っていることがあります。

もし忘れ物をした時、この考え自体は臨機応変な考え方で、悪いことではないでしょう。ですが小学生の場合、その根底には学校で勉強することの大切さや、決められたルールを守ることの重要性を理解していない場合があり、その点に問題があります。

小学校での勉強やルールを守ることは、将来社会に出た時、とても大切なことであることをまずは教えましょう。

「忘れ物」をしてもあまり気にしない子への対応法

子どもが忘れ物をした時、学校に届ける親がいますが、このタイプの子には、最初は届けない方がよいでしょう。

そして忘れ物を繰り返していると、いつも借りるお友達に迷惑がかかることや、先生や周りの人から信用がなくなることなどを話しましょう。

そして、決められたルールや規則を守らなければ、社会に出た時、自分が困ることも説明してください。

また、忘れ物が多いと「将来あなたが困るから、お母さんは悲しいわ」と、親の気持ちも伝えるとよいでしょう。そして、忘れ物をせずに過ごせた日は「あたりまえ」の日ではく、「今日は忘れ物しなかったね」と褒めてあげてください

それらの関わりをじゅうぶんしたうえで、もし忘れ物をした場合は、届けてあげましょう。

忘れ物をしても気にしないタイプの子どもは、親の関心や関わりが薄くなると、忘れ物が慢性化してしまう可能性もあります。地道な努力の積み重ねで、本人に気づかせていき、忘れ物はしてはいけない、という意識を高めてあげましょう。

タイプ2 「忘れ物」をしたことを大変気にする子の心理

「忘れ物」をしたことを大変気にする子どももいるでしょう。気にしているのですから、当然、忘れ物をすることも少ないのですが、1つ忘れ物をすると、どうしてよいか分からずオロオロし、中には泣き出してしまう子もいるようです。

このようなタイプの子どもは、几帳面で真面目な性格であることが多く、忘れ物をしたことを注意すると自分を責め、落ち込んでしまう場合があります。ですので、前者タイプの子どもとは異なった対応が必要でしょう。

「忘れ物」をしたことを大変気にする子への対応法

「忘れ物をしないように」と心がけているにも関わらず、うっかり忘れてしまうのですから、届けてあげるとよいでしょう。

そして、帰宅後
「忘れ物は、ママだってする時あるわ」
「臨機応変に対応すれば大丈夫よ」と声をかけてあげましょう

また、忘れ物を気にしない子の対応とは反対に、少しならお友達に借りたり、他のもので代用できることを話してあげるとよいでしょう。

どちらのタイプの子どもにも、忘れ物を減らす環境の工夫は必要

このように、忘れ物を気にしない子、気にする子への親の直接的な関わり方は異なりますが、忘れ物を減らす工夫は、共通して同じです。

例えば
・明日の持ち物は、玄関の所に置いておく。
・ランドセルの裏に、時間割表を貼ってチェックしやすくする。
・曜日によって、必要な持ち物を表にして、リビングなどに貼っておく。
・常に整理整頓を心がける。

など、忘れ物をできるだけなくすように環境を整えましょう。

忘れ物を減らす努力が学力向上に繋がる

忘れ物を減らすよう、事前に準備をしたり、持ち物をチェックするよう心掛けていると、学習の事前準備をしたり、テストの時、チェックしたりと、学習面でもよい習慣がついていき、学力向上にも繋がるでしょう。

また、「忘れ物をなくそう」という意識がウッカリすることやケアレスミスを減らし、忘れ物をしないようになることで、学習や物事への取り組みが積極的なり、先を読む力も養われ、子どもにとってプラス面がたくさんあります。

子どもの忘れ物を減らす関わり方、わが子の性格を見ながら、対応してあげてください。

著者プロフィール
田宮 由美

公立幼稚園、小学校での勤務、幼児教室を7地域で展開、小児病棟への慰問、子どもの声を聴く電話相談など、多方面から多くの子どもに関わる。そのような中、子育てに熱心な
故に、その愛情が焦りとなり挫折、絶望感を抱いている親子が多いことに心を痛める。
「子どもの自立」「自己肯定感」「自己制御力」を柱とし、真に子どもの能力を開花させる子育て法を広める活動を2010年から始める。
現在、息子は大学病院で医師として、娘は母子支援の職場で相談員として勤務。実生活に落とし込んだ、親の心に寄り添う記事に定評がある。「難しいことを分かり易く、ストンと腑に落ちて行動に移せること」を理念とし、現在は執筆、講演、幼児教室を中心に幅広く活動中。
資格:小学校教諭・幼稚園教諭・保育士・日本交流分析協会 子育ち支援士
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(株)KADOKAWA

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