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今どきの給食は私語厳禁!? 「もぐもぐタイム」に「黙食」とは?

今どきの給食は私語厳禁!? 「もぐもぐタイム」に「黙食」とは?

短い給食時間できちんと食べ終わるために「もぐもぐタイム」や私語厳禁の「黙食」を導入している小学校が少なくないといいます。港区のある小学校では「給食時におしゃべりをしたら怒られた」そう。

また時間ロスの観点から、授業中のように全員が机を前に向けたまま食べると言う学校も。そんな今どきの学校給食事情について保護者の声や専門家の意見をまとめました!

日経DUAL記事

食べる時間はたった20分⁉ おしゃべり禁止の時間を設ける学校が増えています

ママ世代が小学生の時に比べ、今の小学校では「給食を食べる時間が短い!」という声を耳にします。また机を合わせて仲良く食べるという光景も減りつつあるようです。ママとしては楽しく食べてほしい給食ですが、私語禁止時間を作る小学校が増えている模様。

「教室で班ごとに20~30分の間に食べるようです。最初は私語禁止のもぐもぐタイムで食べ、後半は私語OKになるそうです。担任によって方針が違うようで、同じ学年でも他のクラスは一切私語禁止。そこは軍隊みたいなクラスだとママたちが言っています」(世田谷区・公立小2年生のママ)

「食べる時間は20分。基本は教室で黒板を向いたまま食べます上級生は机を動かして班にして食べるそうです。大声で話すのはNGですが、私語厳禁ではありません。ただ、あまり話していると『もぐもぐタイムだよー』と先生に注意されるそう」(江東区・公立小1年生のママ)

「45分間で給食&歯磨きをして、そのあと15分の昼休みがあります。教室で4~5人の班に分かれて食べるのですが、最初に私語厳禁のもぐもぐタイムがあり、早い子はその間に食べ終わるらしい。その後は自由にしゃべりながら食べるようです」(文京区・公立小1年生のママ)

「4時間目のあとに15分の休憩時間があり、給食当番は配膳などの準備をし、その後25分で給食を食べ終わらせお片付け。全校生徒でクラスに分かれ、ランチルームで食べます。基本はお話してはダメで、先生が状況を見てOKになることもあるようです。ルールはクラスごとに違うようです」(港区・公立小1年生のママ)

子どもたちが楽しめるような特色ある給食プログラムを提供する学校も!

ただ黙々と食べるだけではまるで刑務所のよう。学校ごとに給食を楽しく美味しく食べることができるような工夫もしているようです。

その日学校を訪れる予定のある国や地域の方々の料理が出ることがあります。タイ料理の『ガパオライス』や青森の郷土料理『せんべい汁』が出たときは、嬉しそうに話してくれました」(港区・公立小1年生のママ)

「月に一度、お誕生日給食があり、ゼリーが出されます。ハッピーバースデーの曲が放送で流れてきてみんなで歌うそうですまた、全部食べられたら『ぺろり賞』がもらえます。名簿が壁に貼ってあり、完食した子はシールが貼れます。1か月間完食を続けた子は『ハイパーぺろり賞』、何回かの子は『ミニぺろり賞』などランクがあるようです」(文京区・公立小1年生のママ)

給食中に放送委員会の上級生がパプリカなどの音楽をかけたり、クイズを出したりしてくれるそうで、それが楽しいようです。また、月に数回、ランチルームで上級生と一緒に食べる日が。ただ時間がないのであまりしゃべれないらしいです。月に一度『世界の食』の日もあります。ちなみに今月は「オリパラ給食」として、ピロシキ風サンドやボルシチなどロシア連邦料理が出ました」(江東区・公立校1年生のママ)

毎日お弁当⁉ 気になる私立校事情もリサーチ

「週に1度お弁当の日があり、そのほかは給食です。食べる時間は15~20分で、班ごとに教室で食べています。娘の話では、PTAの方がよく給食の試食をしに学校に来るそうです。給食中は私語を禁止するようなルールはないようです」(世田谷区・私立校2年生のママ)

「毎日お弁当です。45分の昼休みがあり、食べ終わった人から遊びに行ってOKとなっています。わが子は20分くらいで食べている様子。子のクラスは教室で食べるという決まりがありますが、同じ棟の教室であれば1〜6年生のどこの教室で食べてもOKというクラスも。初めの数分間(曲が流れている)は私語禁止そのほかの約束ごとは特にないそうです」(港区・私立校1年生のママ)

「小規模な学校のため、異年齢が混ざり合って食べています。基本はお弁当ですが、各学年週1回は『会食』といって、外のお弁当業者さんのお弁当を食べます。特にルールはないので、子どもたちは、ランチタイムは『おしゃべりができて楽しい』と言っています」(北区・私立校2年生、4年生のママ)

「もぐもぐタイム」や「黙食」について、専門家はどう見ているの?

「人前で食事ができなくなる『会食恐怖症』を発症するきっかけとして『給食』を挙げる人が多く、学校の給食指導に興味や問題を抱くようになりました」と語るのは(一社)日本会食恐怖症克服支援協会の代表理事・山口健太さん。

当事者のカウンセリングや教育施設への給食コンサルティング活動を行っている山口さんのもとには、ママたちから給食の悩み相談が最近増え始めているそう。

「私語禁止」は、食欲が湧かない環境になり逆効果⁉

「おしゃべりできないと『給食が楽しくない』という子どもたちの意見が圧倒的に多く、僕はもぐもぐタイム否定派ですね。実は、無言で静かな環境だと緊張していまい、飲み込みにくくなったり、消化器官の働きが弱くなるので消化が悪くなったり、食がますます進まないという子もいるんです。『もぐもぐタイム』とルール化して子どもたちを静かにさせるというのは、『完食率を上げたい』『静かに食べさせたい』という先生たちにとっては好都合かもしれませんし、先生も毎日忙しいのでその気持ちもわかりますが、楽しく食べたいと思っている子どもたちにとってメリットはあまりないと思います。実際、もぐもぐタイムを導入しなくても完食率が高いクラスはありますし、指導のノウハウもあります。」(山口さん)

「もぐもぐタイム」の目的を変えるべし!

「もぐもぐタイムをすでに実施している学校であれば、その目的を変えたほうがいいのかなと思います。今はどうしても、私語をなくして、完食率を上げることが一番の目的になっていると思うんです。『残さずに食べる』ではなく、『食材をしっかりと味わってみましょう』と再定義することで、子どもたちへのプレッシャーも減りますし、人間はしっかり味わおうとすると、自然とおしゃべりが少なくなるんです。子どもの頃の給食時間は、その後の人生における食事時間のイメージ形成にもなります。世の中に少しでも、楽しい給食時間が増えればいいなと思います」(山口さん)


山口健太さん(一般社団法人 日本会食恐怖症克服支援協会 代表理事)
人前で食事ができないという「会食恐怖症」を克服した自身の経験を生かし、カウンセラーとして活動。年間延べ1000人以上の相談に乗る一方で、実際に食育に力を入れている学校や保育施設に出向き、給食指導コンサルティング活動も行う。著書に『会食恐怖症を卒業するために私たちがやってきたこと』(内外出版社)などがある。https://kaishoku.or.jp

 

最後にこれから新一年生になる親御さんに、先輩ママから心構えやアドバイス!

「幼稚園(お弁当)だったお友達が、給食に苦戦していました。お弁当だと好きなものしか入れないので、苦手なものが出る給食はつらいと。好き嫌いはある程度克服しておいた方がいいのかも」(江東区・公立校1年生のママ)

「給食時間が短いので、早く食べる練習ができてるといいかも。1年生の保護者を対象とした試食会があって食べたのですが、自分が小学生だった頃に比べて、すごく美味しくなってて驚きました!」(世田谷区・公立校1年生のママ)

「うちはクラスで1、2を争う少食男子で心配していましたが、穏やかな校風もあり、なんとかなっています。個人差はあると思いますが、時間がないからと焦って食べさせなくても成長するので、あまり心配しすぎない方がいいと思います」(文京区・公立校1年生のママ)

いかがでしたか? 私語厳禁の「もぐもぐタイム」はクラス単位、担任の先生によって指導が異なる学校が多いようです。みなさんのお子さんが通う学校はどんなシステムなのか、どんな食材が出るのかなど、給食を通してお子さんたちと一緒に「食」と向き合うきっかけづくりにしてみてください。

著者プロフィール

女性誌やママ雑誌などを中心に活動するフリーランスのエディター&ライター。育児系の記事から美容企画、タレント取材まで幅広く手がける。6歳・4歳・2歳の三姉妹の母。

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