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子育て

2021年度版、コロナで変化する「新小1の壁」

2021年度版、コロナで変化する「新小1の壁」

いわゆる「小1の壁」で転職や時短を考えるママは3人に1人と言われています。これまでは、小学校に上がるタイミングで共働き家庭が直面する、家庭と仕事の両立に加わる「学業のケア」(準備・宿題・通学の不安・友達関係・学童保育)の負担が一般的でしたが、コロナによって変化が生じています。「新小1の壁」の実情と対処法をまとめてみました。

小1の壁には2種類ある!

まずは、いわゆる小1の壁についておさらいを。公認心理師の佐藤めぐみさんによると、小1の壁は「親にとって」と「子どもにとって」の2種類あると言います。

親にとっての小1の壁

・4月の間は下校時間が変則的で、昼食やお迎えに困る
・毎日のお便りや連絡事項が増え、対処、準備に奔走することがある
・宿題、学業のサポートが増えたことでやりくりが大変
・平日の行事が多いので、仕事との兼ね合いが難しい
・夏休みなど、長期休みの預け先に困る

と、悩みはつきません。

ただ、一番の悩みは、毎日の夕方以降の対処。延長保育が可能だった保育園時代と比べ、放課後の学童保育は18時で終了してしまうところが多いのが現状だからです。親のどちらかが18時までに帰宅できないと、子どもは1人で下校し、鍵を開け、親の帰りを待たなければなりません。

子どもにとっての小1の壁

「小1の壁」というと、親側の時間のやりくりに焦点が当てられがちですが、子どもにとっての「小1の壁」でもあるのです。7歳の子が1人で待つ…。1人で留守番という物理的な孤独感はもちろんのこと、それが積み重なることでの心理的な孤独感も心配です。

「空しい」「だれも分かってくれない」のような精神的な孤独感へと発展してしまうと、その後の自己肯定感の発達に影響を及ぼしかねないからです。

今、日本の子どもたちの孤独感が問題になっているのをご存知ですか? 2007年にユニセフが行った調査で、日本は子どもがもっとも孤独を感じている国だということが分かりました。そのような現状を踏まえると、子どもが孤独を感じない工夫をすることは、「小1の壁」対策でまず優先したい項目と言えるでしょう。

コロナで起きた「小1の壁」の変化

では、実際にコロナ以降「小1の壁」はどのように変化していったのでしょうか。子どもの変化、親の変化の両面から体験談を集めてみました。

【子どもの変化】

・学童が医療従事者や家に両親がいない子優先なので、友達と遊べないからつまらない
・学校から帰ってきて家でゲームやTVをしていると、家で仕事をしている両親に「宿題したら?」など監視されている気がする
・コロナ前のように友達の家に行き来しにくくなってしまった
・特に転校生だと新しい友達が作りずらい

新一年生にとって大事な友達作りの機会がコロナの影響で減ってしまっているのが現状のようです。

【親の変化】

・リモートワークで家にはいるものの、1年生は13時頃帰って来るので午後の仕事時間の確保ができない
・在宅ワークできない職種の場合、保育園の頃はママ友と残業の日はお互い数時間子どもを預かったりしていたが、コロナでそれも以前のようにはいかずシッターや民間学童代がかさむ
・学校公開や行事が行われないため、学校での様子が分かりにくい
・通勤時間がなくなった分、食事と家事以外ずっと仕事をしていて気づいたら子どもが帰宅で、自分の時間が全くなくなってしまった
・学童がなくなり、夏休みや春休みに子どもの分のお昼も用意しなければいけなくなった

家にいる=相手ができるというわけではないのに、在宅ワークの人は学童を利用できないというのもどうかと思ってしまいます。とにかく、ママたちはコロナ前よりも仕事時間や自分時間の確保が難しくなったというのが大きな変化のようです。

ママたちの働き方で変わった「新小1の壁」の対処法

では、そんな新小1の壁を先輩ママたちはどのように乗り越えたのでしょうか。6つの対処法をご紹介します。

その1 リモートワーク中の用事はメモで!

「家にいても何時まではお仕事タイムだから自分のことは自分で解決しようね」と約束をし、集中ているときに何か用事があれば、メモで置いてもらうようにしました(港区 人事関係・小1のママ)。

その2 Zoom用の小部屋を作った

夫婦はもちろん、子どもの習い事でもZoomを使うことが増えたので、オンライン会議用の子部屋を作って家族で会議室のように予定を書き込んでお仕事ごっこして管理しています(世田谷区 IT関係・小1のママ)

その3 一人で遊びに行ける練習をした

キッズ携帯を持たせて近くの公園に友達同士で遊びに行けるように練習しました。数時間でも午後に一人の時間があることで私も仕事に集中できるし、会社に行く日も数時間なら留守番できるようになって、少し自立できたかもしれません(中央区 金融関係・小1のママ)

その4 民間学童に頼る

リモートワークできない職種なので、緊急事態宣言中の休校中は民間学童にかなり助かりました。今では習いごとの送迎もお願いしているので、平日のシッター代わりに活用しています。(渋谷区 医療関係・小1のママ)

その5 オンライン保護者会を開催してもらった

学校のアンケートに何度か「オンライン保護者会をやってほしい」と書いたところ、そんな声が多かったのか実現しました。編集された動画とはいえ、学校での様子が分かってありがたっかったです。仕事の合間に自宅で見れるので、むしろこっちの方がいいかも?(江東区 企画職・小1のママ)

その6 宿題のチェックは夫婦で当番制に

夫婦で仕事をしていると、学校の勉強まで私が見るのは負担が大きすぎるので、夫が在宅ワークの日は宿題チェックを任せることに。結果的に子どもの様子がわかるようになり、子どもとの会話量も増えた気がします(新宿区 広報職・小1のママ)

シェアサービスを使ってママの負担を減らそう

結局のところ、「新小1の壁」もママの負担をいかに少しでも減らすかがポイントとなります。そこで、家事代行やお迎え代行など、仕事と子育ての両立に役立つサービスをまとめてみました。賢く活用してママの自分時間を確保していきましょう!

タスカジ

掃除から作り置き料理、整理収納まで、安心安全の家事代行をしてくれるマッチングサービス。水回りの掃除を月1回お願いするだけでも、ママの負担が軽くなるはずです。いざという時のために、お馴染みの家政婦さんを作っておくと安心です。
https://taskaji.jp

子育てシェア(AsMama)

送迎・託児を顔見知り同士で頼り合う「子育てシェア」の運営と地域の親子が出会う・つながる親子交流の場づくりを提供しているサービス。託児やコミュニケーション研修を受けた認定サポーター「ママサポ」が預かってくれるので安心です。引っ越して間もない人は地域の知り合いを増やす意味でも役立ちそうです。
https://kosodate-share.asmama.jp/

シェアダイン

普段の作り置きおかずから特別な日のお食事まで、栄養士やレストランシェフの料理を自宅で食べられる「シェアダイン」。自宅で仕事をしている間に理想のお料理が作ってもらえます。人によっては時間内で子どもクッキングをしてくれる人も。
https://sharedine.me

お迎えシスター

海外経験豊富なバイリンガルの先生が学校まで子どもをお迎えし、自宅で安心して英語をマンツーマンで学べるという、今までにないサービス。厳しい英語面接に合格した優秀なバイリンガル先生から異文化や世界のことを学べます。帰宅したら写真付きで保護者に報告をし、レッスン後には毎回LINEでレポートが届くのも嬉しい。初心者から帰国子女まで対応可能。
https://omsister.com

著者プロフィール

育児相談室「ポジカフェ」主宰&ポジ育ラボ代表
イギリス・レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会(NIP)認定心理士。ポジ育ラボでのママ向け講座、育児相談室でのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動などを通じ、子育て心理学でママをサポート。2020年11月に、ママが自分の心のケアを学べる場「ポジ育クラブ」をスタート。著書に「子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣」など。HP:megumi-sato.com

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