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2017年度、小学校受験の傾向と対策をいち早くお伝え!【後編】立教小学校、青山学院初等部、東洋英和女学院小学部「有名私立小学校が求める子どもとは」

2017年度、小学校受験の傾向と対策をいち早くお伝え!【後編】立教小学校、青山学院初等部、東洋英和女学院小学部「有名私立小学校が求める子どもとは」

先日行われた伸芽会の「2017年度入試分析報告会」。

後編では、立教小学校、青山学院初等部、東洋英和女学院小学部というキリスト教の名門3校による特別講演より、「有名私立小学校が求める子どもとは」と題し、当日の様子をお伝えします!

▼前編はコチラ
2017年度、小学校受験の傾向と対策をいち早くお伝え!【前編】小学校入試の心構えとスケジュールの立て方

立教小学校 教頭 田代正行先生
熱意に溢れ、ユーモアあるキャラクターが児童から保護者にまで支持される田代先生は、立教大学出身後、立教小学校勤務。25年の担任を経て2007年より現職に。立教小学校HPはこちら
青山学院初等部 教頭 佐々木淳先生
ご自身は小学校から大学まで立教で学ばれた佐々木先生。その後青山学院初等部の教員へ。いつもおだやかで優しく、私学のキリスト校に精通した先生です。青山学院初等部HPはこちら
東洋英和女学院小学部 部長 山本香織先生
上智大学出身。東洋英和女学院理事であり日本キリスト教団教務教師。2008年より現職。あたたかい指導が生徒たちに愛される山本先生。学校HPには先生のブログもあります。東洋英和女学院小学部HPはこちら

 

日経DUAL記事

数少ない私立の男子校「立教小学校」ってどんなところ?

キリスト教信仰に基づく立教小学校は数少ない私立男子小学校であり、大学までの一貫連携校です。

先日、ある世界的な文献で、「男の子の脳は女の子よりも平均して18か月発達が遅れている」という記事を読みました。もちろん個人差はありますが、おませで発達の早い女の子といい意味で子どもらしい男の子は、学習面でも生活面でも差が出てくるのは事実です。

その点、男の子の発達に応じた適切な指導ができるのが男子校の強みだと私は思っています。この研究では18歳で男女の脳は同じレベルに達するそうで、大学(18歳)から共学になるわが校はまさに理にかなった教育!と手前みそながら思った次第でした。

「自分の世界を持てる子ども」を掲げているわが校では、女の子の目を気にすることなく興味のあることを深めていけますから、6年生で昆虫が大好き、電車が大好きなど伸び伸びとした活発な子どもたちが多いです。全員男の子ですが、音楽や家庭科だって大好きです。

とはいえ、小学校は社会に出るためのトレーニングの場であり、父性を育てる場とも考えています。男の子のみですので喧嘩やトラブルもありますが、その際もあえてトラブルを“見える化”し複数の教員を交えて互いの社会性を高め、サポートする対応をとっています

生活面では、毎週金曜の礼拝と毎日書く日記が特徴です。その中にきらりと光る感性を見つけるのが教師としては何よりの喜びです。

これから小学校受験を目指す親御さんは、勉強だけではなく、「絵本の読み聞かせ」「豊かな会話のある家庭」を大事にし、お子さんの情感を育てることも忘れないで欲しいと思います。

学習面では、2014年から3年生に一人1台のiPadミニを持たせて、ICT教育にも力を入れています。

中学からは立教池袋校と立教新座校に分かれて進学します。新座校では、他大を目指すコースがありますので、東大や医大ほか有名大学への合格実績があります。

途中から立教大学へ進路変更を変えることも可能なので、一貫連携校の強みを生かして安心して他大へもチャレンジできるというのが特徴の一つです。

創立143年を誇る「青山学院初等部」の学びと育ちは?

箱根駅伝3連覇が記憶に新しい青山学院大学の一貫校である初等部。創立140周年を機に掲げたAOYAMA VISIONでは、「人と社会に仕えるリーダーを育てる」をモットーにした“サーバント・リーダー”の育成を実践しています。

キリスト教に基づく教えで、入学式から「5つのおやくそく」として

「しんせつにします」「しょうじきにします」「れいぎただしくします」「よくかんがえてします」「じぶんのことはじぶんでします」

を守れる子を徹底し、毎日の礼拝、イースターやクリスマス礼拝、感謝祭などを通じてキリスト教の教えを学んでいきます。

また、家庭と学校が車の両輪となるような教育を掲げているため、ファミリーフェアという保護者が運営するボランティアイベントや学期ごとの三者面談、日々の連絡ノートなど、保護者との密な連携が特徴です

学習面においては、通知表がなく単元テストで確実な個人の理解を深めていくほか、ICTメーカーとの提携により1年生から電子黒板と通信機器を一人1台使ったICT教育も盛んです。

約40年前からの「ランドセル廃止」制度により、学習用具はすべてロッカーに置いてあり家庭学習に必要な物を選んで持ち帰ります。

生活面においては、1年生と6年生がペアになるといった縦割り教育や卒業生を招く授業が頻繁に行われています。また、6年間で50日という多彩な宿泊学習も特徴で、5年生では2kmの遠泳、6年生では8泊9日の船旅(乗組員としてさまざまなことに挑戦します)といった友達との豊かな体験も大事にしています。

さらに、日本初の小学生ラグビーチームをはじめとしたクラブ活動や国際交流も、小学校のうちから盛んです。体験から得た感動が子どもたちを成長させるといった考えや、一人ひとりに合わせた個別学習指導が実践されています。

東洋英和女学院小学部が大切にしていること

学院標語である“敬神奉仕”を重んじる、東洋英和女学院小学部は、幼稚園から大学院まである女子校の一貫校。連続テレビ小説「花子とアン」の舞台としても注目を集めた名門女子校です。

「神さまのために人のために」という一貫した教育目標を掲げ、受験にとらわれる教育ではなく、一人ひとりを大切にし、人格の目覚めと自立を促し、豊かな人間性を育てるとともに、国際性を養い、敬神と奉仕の精神を培っていきます。

こうしたぶれない理念により、「どんなときも神様さまに愛されている」「神さまに造られた命は私だけじゃない。だから人のために奉仕しよう」という気持ちが生活を通して身についていきます。小学部では朝夕の礼拝や聖書の授業のほか、日曜日には自宅近くの教会への出席を勧めています。

学習面では、6年間かけて、一人ひとりの考える力を育てつつ、徹底した基礎学力をつけることを目指します。また、英語、音楽、体育、図工、聖書は1年生から完全に専科制で、それぞれの担当が6年間を見据えたカリキュラムを組むことで、系統的な学びがなされているため、専門的で高度な学びができています。

近年力を入れているのが国際交流です。2003年よりはじまった姉妹校である韓国のキリスト教学校、梨花(Ewha)女子大学附属初等学校の学生との手紙交換(ペンパル・プロジェクト)がきっかけとなり、今では5年生の希望者が毎年相互に学校を訪問しあい、ホームステイも体験して互いの交流を深めます。

小学生のうちから互いの文化に触れ、正しい国際理解を身につけ、「未来は私たちがつくる」という心を育てています。

 

いかがでしたか? 核となるキリストの教えに基づく私学の名門3校は、先生方の交流があったりと、根底にある精神は通ずるものがあるようです。男子校、共学、女子校、それぞれの特色が分かる講演でした。

各校でオープンスクールなども実施されるそうなので、実際に訪れて目でみて、学校選びの参考にしてみてください。(詳細は各校HPをご確認ください)

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SHINGA FARM(シンガファーム)編集部です。ママ・パパに役立つ子育て、教育に関する情報を発信していきます!
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