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“青芝現象”に要注意!ママ友、子どもの優劣…ママが新学期に陥りがちな五月病とは?

“青芝現象”に要注意!ママ友、子どもの優劣…ママが新学期に陥りがちな五月病とは?

学年の節目となる4月は、嬉しくもあり、戸惑いも生じる時期。新しい環境に、親子で悩みを抱えるご家庭も少なくありません。

ここでは、ママが4月に陥りがちな悩みをクローズアップし、それを回避するためのコツをお伝えしていきます。

日経DUAL記事

ママにも五月病があるって本当!?

子どもが幼稚園や小学校に上がれば、ママも自由な時間が増え、育児はグンと楽になりそうなもの。常に母子密着で過ごしてきた方の中には、「早く学校が始まらないかなぁ」と心待ちにしている方もいるかもしれません。

しかし、いったん始まってみると、楽になるどころか、てんやわんやの日々。新たな環境で戸惑うわが子をなだめながら、お弁当作り、送り迎え、保護者会、役員決め……と、4月にパンク寸前のストレス状態に陥り、5月に入って燃え尽きてしまうというお話も聞きます。ママの五月病です。

「五月病」というと、4月に環境が変わった新大学生、新社会人、そして、最近では新幼稚園生、新小学生にばかり目が向けられがちですが、それを支えるママも、実は要注意。

4月の頑張り過ぎが、5月のゴールデンウィーク明けに響いて出てきますので、4月の段階で意識しておくことが大切です。

4月に影響を受けやすいママ3タイプとその2大要因

学校関係の行事やタスクが目白押しの4月。ママは時間的にも忙しくなります。しかし、このような物理的な忙しさだけがママを苦しめるのではありません。

実際にはそれ以上に、「心理的な焦りや圧迫感」がママを大きく疲れさせてしまうのです。

とくに影響を受けやすいのが、
1.新たな環境へのワクワク感よりも、なじみのある場所のほっこり感が好きな人
2.広い人間関係よりも、狭くて深い関係を好む人
3.頑張り屋で、何ごとにも完璧を求める傾向が強い人

1のタイプのママが感じる憂うつ感は、時間の経過とともに解消していきますが、2と3のタイプのママは、きちんと対処をしないとストレスを長引かせてしまう傾向があります。

この時期のママの気持ちの揺れにとくに関係しているのが、
●ママ友関係
●他の子との比較

という2つの要因。

たとえば、他のママやお子さんに対してはいいところ探しをするのに、自分とわが子には悪いところ探しをしてしまうと、自分へのダメ出し、わが子へのダメ出しが一気に増え、「私が頑張らなくては!」と強いプレッシャーを与えていくことになります。これにより、体だけが忙しいのではなく、心も忙しい状態に陥ってしまうのです。

隣の芝は青く輝いて見える新学期

毎年4~5月になると、新学期の悩みを抱えたママがご相談にやってきます。そのやりとりの中で強く感じるのは、4月は隣の芝がとくに青々しく光り輝いて見える時期だということ

上に挙げた2大要因である「ママ友関係」「子どもの比較」、どちらに対しても、この「青芝現象」が発生しやすくなります。

4月の青芝現象の主な原因は、ママの主観性のずれです。

たとえば、
・他の子なら「おっとりしている」と思える行動が、自分の子だと「グズだ」と思える
・ママ友なら「シンプルで素敵♪」に見える薄いメイクも、自分だと「華がないワタシ……」と感じる
・他の子なら「自分の意見がしっかり言えてえらいね」なのに、自分の子だと「協調性がない」と映る

このように、同じ状況でさえも大きく湾曲して捉えてしまう傾向が強まるのが4月です。新たな環境での立ち位置を探し、「自分たちは十分な存在か」を確認したいあまりに、ついつい自分サイドを見る目が厳しくなってしまうのです。

五月病にならないために4月に心がけたいこと

ベストな解消策は、「比較をしないこと」かもしれません。でも、それをゼロにするのは、実際には難しいもの。できる対策としておすすめなのは、自分たちに甘さと優しさをちょっとプラスしてあげることです。

新たなママ友関係の広がりに悩んだら、
「無理に交友関係を広げなくてもいいんじゃない」
「つきあい上手な人もいれば、そうでない人もいるんだから」
「一人でも、すごく仲良いママ友ができれば、そっちの方が私向き」

子どものことで悩んだら、
「これがあの子の持ち味なのよ」
「楽しんで行ってくれているだけで感謝しなくちゃ」
「泣いてもあきらめなかったところがあの子のすごいところ!」

と、厳しさにさらした分、優しい言葉をかけてあげましょう。

とくに、「私は完璧主義だな」と思うママは、大幅に甘さをアップするくらいでちょうどいいです。いつも「あれもやらなくちゃ」「これもやらなくちゃ」と走り続けているので、タスクが倍増する4月は、プレッシャーも倍増しかねないからです。

5月にやってくる燃え尽き感は、4月の頑張り過ぎの結果です。ママが4月にさらされる比較の多くは、数的なものではなく、質的なもの。ありもしない「1番」を目指すのは、ゴールのないマラソンを走り続けるのと同じです。

慢性的な不完全燃焼状態を引き起こさないためにも、「4月は青芝現象が起こる時期」と頭に入れ、

「頑張るけど、頑張り過ぎないのがちょうどいい」

と、あえてトーンを落とすのが正解です。

著者プロフィール

育児相談室「ポジカフェ」主宰&ポジ育ラボ代表
イギリス・レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会(NIP)認定心理士。ポジ育ラボでのママ向け講座、育児相談室でのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動などを通じ、子育て心理学でママをサポート。2020年11月に、ママが自分の心のケアを学べる場「ポジ育クラブ」をスタート。著書に「子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣」など。HP:megumi-sato.com

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