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4歳の壁を乗り切るために、親が知っておきたいこと!

4歳の壁を乗り切るために、親が知っておきたいこと!

子育てにおいて壁と言えば、小1、小4、中1、中2によく聞く言葉ですが、最近は4歳の壁という言葉も耳にするようになりました。4歳の壁を感じた時、親は子どもにどのように対応すれば乗り切れるのか、4歳児の成長や発達の特徴と共にお伝えします。

まず知っておきたい4歳児の特徴とは?

心も身体も大きく成長し、「手をかける」から「見守る」子育てに移行する

4歳になると子どもの運動量は増え、活動力は益々盛んになってきます。走る、飛び跳ねる、スキップなどの動作がスムーズにできるようになり、指先も器用になります。衣服の着脱時、ボタンの掛け外しができたり、紐を結ぶこともできるようになってくるでしょう。

公園でも、ブランコやすべり台などの遊具で一人でも遊べるようになり、親としては、子育てが「手をかける」から「見守る」になり、一段階進んだ気持ちになる頃です。

理解力や認知能力も高まり、教育的しつけも理解できる

過去や未来、現在を認知できるようになり、言葉も、「明日○○をしよう」「昨日△△をした」など使い分けることが出来るようになります。

物事の因果関係も理解でき「○○したから、△△になった」が分かってきます。善悪も理解できるようになり、ルールも守れるようになってきますので、危険なことや人に迷惑をかける行為をした時は理由を説明して、注意することも大切ですね。

4歳の壁を感じる理由

教育的しつけを聞き分けたり、そうでなかったりする

このように運動機能や認知能力が著しく伸びようとする4歳児、危険な場面に遭遇することも増え、教育的しつけも必要となります。親としては、注意したり叱ったりすることが多くなり、ハラハラ、イライラの連続に疲れることもあると思います。

親の注意を聞き分ける時があるかと思うと、そうでない時もあり、親としては「できるはずなのに、どうしてできないの?」という気持ちからも、4歳児の子育てに壁を感じることがあるでしょう。

ゆとり教育の是正に伴う入学準備への焦り

ゆとり教育が見直された昨今、小学校での勉強が以前に比べ難しくなってきているのは事実です。入学に向けての準備を早くから取り組む家庭も少なくありません。文字や数字をわが子に教える親も多いでしょう。

4歳でしたら、文字の読み書き、簡単な数字の合成ができる子も中にはいます。例えば、簡単なひらがなを書いたり、キャンデイが2つと1つで3つになった、ということが理解できます。

ですがわが子が一向に学習に興味を示さず、ひらがなひとつを書くのにも大変苦労する場合、親は子育てに壁を感じることがあると思います。

では、どのようにすれば、4歳の壁を乗り切ることができるでしょうか。
その対応法を特に大切なこと5つ説明します。

4歳の壁を乗り切るために、親が心がけるべき5つのポイント

ポイント1 成長の移行期であり、子ども自身も戸惑いを感じていることを理解する

嫌なことをはっきり嫌という2,3歳とは違い、相手の気持ちを考え、受け入れようとしながらも、それができないことへの戸惑いなどを感じている4歳。子ども自身も不安や迷いを感じながら、試行錯誤している成長の移行期であることを理解しましょう。

ポイント2 自分から取り組もうとする時は、時間がかかっても見守る

子どもが着替えや食事など、自分でやりたがることは、できるだけ手を出さず、見守ってあげましょう。

時間がかかるからと、親が手伝ってしまうと、挑戦する意欲が削がれ、子どもの伸びるチャンスを奪うことになります。いつまで経っても、移行期から抜け出すことができません。

自分で何かに取り組んでいる時は、「頑張っているね」と応援して、見守ってあげましょう。

ポイント3 精神的に甘えてきた時は、それを受け止める

昨日は、一人で出来ていたことを「手伝って」と言ってきた時、膝の上に乗ってきた時などは、その「甘え」を受け入れてあげましょう。それらは成長していくうえで、必要な甘えです。この甘えを受けとめてもらえることで、子どもは安心して、自立していけるのです。

ポイント4 子どもの疑問には、可能な限り答える

子どもは本来、好奇心旺盛です。さまざまなことへ疑問を抱き、「なぜ?」「どうして?」と質問を投げかけるでしょう。その時は可能な限り応えてあげてください。

もし、忙しく対応できない時は、「今、夕飯の用意をしているから、後で一緒に考えようね」などの声をかけ、必ず後に対応してあげてください。そうすることで、学習への興味も持ち始めるでしょう。

ポイント5 学習に興味を示す環境作りをする

4歳の頃、文字や数に興味を持って取り組むか、そうでないかは、家庭環境が大きく影響しています。絵本や図鑑は、子どもの手が届く、取り出しやすい場所に置いてあるか、親自身も何かをイキイキと学んでいる様子を子どもに見せているかなど、振り返ってみましょう。

子どもの発達は、螺旋を描くように成長していく

4歳は、自分でできることも増え、お兄ちゃん、お姉ちゃんに成長したかのように感じると思います。ですが、人の立場や気持ちを理解することは、まだ完全にはできません。思考の中心は、「自分であり、現在」です。生活面をはじめ、さまざまな能力が自立していく、移行期とも言えるでしょう。

子どもの成長というのは、階段を上っていくような成長の仕方ではなく、螺旋を描くように発達していきます。成長したり、逆戻りしたりしながら少しずつ上向きに伸びていくものです。

もし、子どもが少し逆戻りしたかのように感じても、しっかりその事実と子どもの気持ちを受け止めることで、上向きの螺旋を描きます。

4歳児の子育てに壁を感じたら、子どもの成長を理解し、おおらかな気持ちで乗り切りましょう。

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著者プロフィール
田宮 由美

公立幼稚園、小学校での勤務、幼児教室を7地域で展開、小児病棟への慰問、子どもの声を聴く電話相談など、多方面から多くの子どもに関わる。そのような中、子育てに熱心な
故に、その愛情が焦りとなり挫折、絶望感を抱いている親子が多いことに心を痛める。
「子どもの自立」「自己肯定感」「自己制御力」を柱とし、真に子どもの能力を開花させる子育て法を広める活動を2010年から始める。
現在、息子は大学病院で医師として、娘は母子支援の職場で相談員として勤務。実生活に落とし込んだ、親の心に寄り添う記事に定評がある。「難しいことを分かり易く、ストンと腑に落ちて行動に移せること」を理念とし、現在は執筆、講演、幼児教室を中心に幅広く活動中。
資格:小学校教諭・幼稚園教諭・保育士・日本交流分析協会 子育ち支援士
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(株)KADOKAWA

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