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子育て

ママ大好き!から信頼し合える関係へ…息子の反抗期を乗り越える母親の心得とは?

ママ大好き!から信頼し合える関係へ…息子の反抗期を乗り越える母親の心得とは?

「ママ大好き」と、いつも傍にくっついてくる幼い息子。やがて成長し、思春期を迎える頃、この子との距離はどのようになっているのでしょうか……。母親にとって、娘は同性で、自分も通ってきた道ですので理解しやすいかと思いますが、息子は難しいと感じる部分があるかもしれませんね。

素っ気ない態度、もしくは反抗的な態度で、どんどん距離は離れていってしまうのでは、という不安はないでしょうか?

いつも一緒にいなくても、できれば、中学高校になっても、部活動の話や、悩みを持った時は相談してくれたり、ママが困っている時は、助けてくれるような関係であれば嬉しいですね。

では、どのように息子と関わっていけば、そのような関係を築いていけるのか考えてみましょう。

言葉をかけてもそっけない返事で、親の干渉を嫌う思春期

子どもは、身体の成長とともに心も成長してきます。そして自立心もさらに強くなり、親よりも友達と一緒に時間を過ごすことを好むようになります。そして、親の干渉を嫌い、反抗的な態度も見せることも多くなるでしょう。

特に男の子は、親の語りかけに対し「別に」「普通」と素っ気ない返事をしたり、ときには「ウザイ」という言葉が返ってくることも。

こうなると親とすれば非常に心配ですね。ですが、慌てることはありません。これは正常な成長の過程ですので、心配することはないでしょう。

子どもは2回の反抗期をむかえ、自立の道を歩む

子どもは成長の過程で大きく2回の反抗期を迎えます。

1回目は幼児期、2回目は思春期です。

この反抗期の頃の子育てが、18歳を過ぎ成人する頃の親子関係を決める大きな要因になります。

温かい親子関係を継続させる反抗期の受け止め方

その1 反抗をしっかり受けとめること

子どもの心は反抗と甘えを行ったりきたりしながら、螺旋を上向きに描くように成長し、自立に向かっていきます。

例えば、2歳前後から第一次反抗期が始まります。いわゆるイヤイヤ期と呼ばれているものですが、この頃、何でも自分でしたがるようになりますね。

ご飯も自分でスプーンを持って食べようとしたり、着替えもママが手を出せば「自分で!」と言って、まだ留められないのに、一生懸命洋服のボタンを留めようとしたりします。

一見親に反抗しているように見えますが、これは自立の第1歩です。この時、食べこぼすからと親が食べさせたり、「まだ一人で出来ないでしょ」と言って、横からサッとボタン留めたりせずに見守ってあげましょう。

そうして、ある時、やっぱり自分でできなかったり、ママから少し離れてしまったことに不安を抱くと「ママ~」と言って親の元に戻り甘えてくるときがあります。この時、「一人でできるでしょう」「もうお兄ちゃんなんだから甘えてはダメ」などと言わず、しっかり子どもの要求に応えてあげてください

この繰り返しで、子どもは親との信頼関係を築きながら、自立に向かう成長をしていくのです。

そして特に男の子は、高いところから飛び降りたり、親が見ていて、ハラハラすることにも挑戦したがりますが、よほど危険を伴わない限り、禁止の言葉を言わず、見守ってあげましょう。

その2 子どもを干渉せず、SOSは見逃さない

第二反抗期の頃は、親から自立したいという気持ちがさらに強くなり、特に男の子は干渉を特に嫌います。親はそれを正常な発達の過程であると受け止めてあげましょう。

親から距離を置き、行動するようになったりしますが、きっと想定外の困ったことや問題が起きた時、必ず何らかのSOSを出しますので、それを見逃さず、声をかけてあげましょう。

自分の親への接し方を見せる

そしてもうひとつ大切なことは、親自身が自分の親に対する姿勢を見せることです。自分の親、つまり子どもにとっての祖父母に対して、どのように接していくか……。

これは私自身のことなのですが、親が緊急入院した時のことです。医師からは「覚悟しておいてください」と、言われました。私は後悔のないよう、出来る限りのことをしようと、「元気になって早く家に帰ろうね」と言葉をかけ、食事を口に運び、毎日付き添っていました。

もちろん子どもたちも手伝ってくれていたのですが、ある日、思いもかけない言葉が息子の口から出ました。それは「付き添いをもう少し控えて欲しい」という内容の言葉でした。

このままでは私が倒れてしまう、私が母を心配しているように、息子も私を心配している、ということでした。

息子は私が思っていたより、ずっと大人に成長し、今では頼れる存在になっていたことに、感動したのを覚えています。

日頃は、あまり会話を交わさない息子ですが、きちんと親の姿を見て、思いやりのある子に育ってくれたことに感謝しています。

息子を頼れる存在として、一生続く温かい関係を築きたいですね

親子関係で、男の子の一番の特徴は、母親が最愛の人でなくなることでしょう。幼い頃は全て母親に依存し頼り、生きていたのが、成長とともに母親と距離を置くようになってきます。

ですが、親を大切にする気持ちや敬う気持ちが育まれていれば、困った時に助けてくれたり、とても頼もしい存在として、今度は反対に息子を頼れるようになります。

幼い頃の甘えをしっかり受け止めてあげること、あまり干渉せずに見守ること、そして親自身が自分の親に対する姿勢を見せることで、ぜひ一生続く温かい母親と息子の関係を築いてください。

著者プロフィール
田宮 由美

公立幼稚園、小学校での勤務、幼児教室を7地域で展開、小児病棟への慰問、子どもの声を聴く電話相談など、多方面から多くの子どもに関わる。そのような中、子育てに熱心な
故に、その愛情が焦りとなり挫折、絶望感を抱いている親子が多いことに心を痛める。
「子どもの自立」「自己肯定感」「自己制御力」を柱とし、真に子どもの能力を開花させる子育て法を広める活動を2010年から始める。
現在、息子は大学病院で医師として、娘は母子支援の職場で相談員として勤務。実生活に落とし込んだ、親の心に寄り添う記事に定評がある。「難しいことを分かり易く、ストンと腑に落ちて行動に移せること」を理念とし、現在は執筆、講演、幼児教室を中心に幅広く活動中。
資格:小学校教諭・幼稚園教諭・保育士・日本交流分析協会 子育ち支援士
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(株)KADOKAWA

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