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幼児教室で実践している、子どもを伸ばす「折り紙」テクニック

幼児教室で実践している、子どもを伸ばす「折り紙」テクニック

集中力や巧緻性が養える「折り紙」。今回は、しんがーずクラブで保育士歴16年、折り紙遊びが得意な目黒校の水無瀬先生に、折り紙で身につく力、苦手な子にはどうアプローチすべきか、などのお話を伺いました。折り紙が苦手な男の子も思わずやってみたくなるテクニックも必見です!

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折り紙で育つ4つの力

__折り紙ではどのような力が育つのでしょうか?

手先を使って形作る折り紙では「巧緻性」や「集中力」が養われることはもちろんですが、最後までやり抜こうとする「忍耐力」や、次の工程はどうなるかを考える「想像力」も養うことができます。これらはまさに幼児期に身につけたい力ですから、ぜひ日頃から折り紙遊びを取り入れてほしいですね。

また、「折り紙が得意な子は対象図形への感覚も強くなりますから、将来小学校以降で、算数の図形問題にも抵抗なく取り組めるようになる」(伸芽会 牛窪先生)と言われています。

動画と本、どちらを見て折るべきか

__最近ではYouTubeなどで手軽に折り紙動画が見られます。子どもが折り紙を折る際、本と動画、どちらを見て折るのがよいでしょうか?

どちらがよくてどちらが悪いということはないと思います。動画では動きもあって情報が多いため、よりわかりやすいのがメリットでしょう。難易度が高い折り紙にチャレンジする際は途中で動画を止めながら折るのも効果的です。

一方の本を見て折る場合は、次を予測しながら折るという頭の使い方をするため、動画よりも想像力が養われると思います。

どちらにせよ、一度何かを見て折れたら、次はお手本なしで再現できるかどうか挑戦してみるといいでしょう。

幼児教室で実践している折り紙遊び

__しんがーずクラブでは、日頃から折り紙遊びをどのように取り入れていますか?

園では、折り図を見て折れるようになるために、立体的な工程表を作って壁に貼っています。
立体的な図なので、実際に触って折り目などを確認すると、幼児でも徐々に難しい折り紙ができるようになってきます。
また、行動観察のような、集団で折り紙をすることもあります。たとえば「4色の紙飛行機を折ってみましょう」などのお題を出して、子どもたちで色の譲り合いをしたりコミュニケーションをとりながら進めていきます。

さらに、縦割り保育の際は、グループに年長さんを入れて折り紙をします。年長さんが下の子たちに言葉と動作で工夫しながら折り方を伝えるということも、学びにつながります。

折り紙をしている子どもへの声がけのコツ

__折り紙中の子どもへ声がけする際の注意点があれば教えてください

いきなり難しいものをやろうと思わずに、「今のレベルで折れるもの」から始めてみてください。その際、最初はたとえ四隅がズレていたとしても、お子さんが「できた!」と達成感を味わうことが大事になってきます。

親御さんは途中で「もっとこうしたら?」などと声がけしたくなるかもしれませんが、本人が「やって」と言ってきた工程だけを手伝う、うまくいかない場合にひとつ前まで戻ってあげるなど、さり気なくサポートをして最後は「できた!」を味わえるように意識しましょう。折り紙が嫌いにならないよう、まずは一緒に楽しく折りながら、だんだんと自分一人でできればいいのです。

折り紙が苦手な子へのアプローチ法

__特に男の子は折り紙に対して苦手意識がある子も少なくないと思います。何かよい方法があれば教えてください。

折り紙でアクセサリーや動物を作ってお友達とごっこ遊びする女の子と比べて、男の子は折り紙がつまらないと感じる子も一定数います。その場合おすすめしたいのが、手裏剣や紙飛行機などの「遊べる折り紙」です。くるくる回る紙飛行機は「僕もやってみたい! 作り方を教えて」と園でも大人気です。とても簡単なのでおすすめです。

実演!水無瀬先生による”ヘリコプター”の折り方

また、電車好きの子は色違いで新幹線を作って、実際の新幹線に見立てて遊んだり、虫好きな子はクワガタやカブトムシをたくさん作って虫かごに入れてみるのも面白いでしょう。
男の子の場合は、その子の興味関心のある分野を折り紙で再現していくのがポイントです。

いかがでしたか。折り紙で養える力がこんなにあるとは驚きでした。
「折り紙が上手く折れない子は、指先にまで意識が働いておらず、折っているふりであることが多いんです。バッグの中のプリント類がぐちゃぐちゃな子は折り紙が苦手なことも。折り紙の出来不出来はプリント学習と比例するかもしれませんよ」と伸芽会の飯田先生もおっしゃっていました。

著者プロフィール

SHINGA FARM(シンガファーム)編集部です。ママ・パパに役立つ子育て、教育に関する情報を発信していきます!
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