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身の周りのモノですぐ作れる!幼児の知能と好奇心を刺激する「好奇心BOX」とは?

身の周りのモノですぐ作れる!幼児の知能と好奇心を刺激する「好奇心BOX」とは?

世の中には多くの知育玩具があふれており、幼児に与えるおもちゃについて悩む親御さんも多いのではないでしょうか。今回は、海外で注目を集め、人気の「STEM教育」にもつながるとされる「Curiosity Box(好奇心を刺激するおもちゃ箱)」を紹介します。未就学児が興味を持ちやすいテーマごとに家庭で簡単に作れるもので、我が子が通うオーストラリアの幼稚園でも身近な素材を使って学ばせています。

日経DUAL記事

テーマごとに家庭にある品やおもちゃを分別して作成

子どもの能力を伸ばすために多くの知育玩具を購入する親御さんもいますが、必ずしも良いとばかりは言えないようです。一つひとつの有難みが薄れて扱いが雑になってしまったり、決められた遊び方でしか遊べず想像力が育まれなかったりという影響もあるとされています。

そのような観点からも、海外では身近な素材を使ったCuriosity Boxを幼児教育現場に取り入れる動きが目立ち始めました。Curiosity Boxとは幼児が興味を持ちやすく、知能や創造力を刺激する素材やおもちゃをテーマごとに分別したボックスのことです。普段とは別の視点から日頃使っている品物に注目することにより、それらへの愛着も湧き、子どもの想像力を掻き立て、視野を広げることにつながります。

ポイントは材料を改めて購入する必要はなく、家にあるものや、すでに持っているおもちゃを分別するだけで製作できるという点。たとえば、トイレットペーパーの芯や、色がついているもの、音が出るものなどを、テーマごとにボックスに入れるだけで構いません。飽きてしまったおもちゃでも、テーマごとに分けてボックスに収納し視点を新たにすることで、遊び方がぐんと広がります。

世界に1つだけの我が子専用Curiosity Boxはこう作る!

それでは、子どもが興味を持つCuriosity Boxを紹介していきます。テーマごとにボックスを分け、家にすでにあるものを入れて、世界に1つだけの我が子専用Curiosity Boxを作ってみまましょう。

① 鏡のボックス(対象年齢0歳~)
0歳頃は鏡を通して自分の存在に気付くといいます。1~2歳からはいくつかの鏡を使って自分や好きなおもちゃを見るなど、いつもとは違う世界に没頭できます。鏡を使って見るだけで、お気に入りのフィギュアなども違った見え方になるかもしれません。

・用意するもの(例):家にある小さな手鏡、好きなおもちゃ
・遊び方:0歳頃の子どもは、鏡を使って自分を見ることで自己認識につながります。月齢があがれば、複数の鏡を使って好きなおもちゃをいつもとは違う角度から見ると楽しいでしょう。鏡の作り出す世界や、反射の仕組みなどを体感できます。

② 音・リズムのボックス(対象年齢0歳~)
音が出るものを集めたボックス。0~2歳は親が家にあるもので作った太鼓やマラカスで遊び、3歳頃からは一緒に工作感覚で楽器を作るなどして音やリズム、音の仕組みなどを学ぶことができます。

・用意するもの(例):フライパン、鍋、蓋、スプーンや箸など叩いて使えるもの、マラカスを作るための小さなペットボトル、中にいれる米、豆、乾燥パスタなど
・遊び方:スプーンやお箸をバチとして使い、フライパンや鍋を太鼓のように叩いて遊びます。また、小さなペットボトルの中に米や豆などを入れて、マラカスも作れます。さまざまな音色やリズムを楽しむだけでなく、叩く素材や入れる材料により音が異なることも自然に学べます。

③ 様々な動きをするボールのボックス(対象年齢0歳~)
さまざまな大きさや素材のボールを集めたボックスです。0歳の頃から運動能力を養うことはもちろん、1歳頃からは種々のボールを用意することで素材の違いによる動きや跳ね方の変化も学べます。

・用意するもの(例):小さなサッカーボール、弾力性のあるスクイズボール、スーパーボールなどさまざまな大きさ・素材のボール(誤飲しない大きさのものを選ぶ)
・遊び方:0歳頃はハイハイなどでボールを追いかけることで運動能力を養います。1歳頃からはさまざまなボールで遊ぶなかで、ボールの大きさや素材の違いにより動きが異なることを学べます。家のなかだけでなく、外遊びでも楽しめます。

④ 円筒型の素材ボックス(対象年齢1歳~)
トイレットペーパーの芯をはじめとする「円筒型」のボックスです。1歳からは積み木のようにして形と動きの関係を学び、はさみやテープが使えるようになれば工作など創造的な遊びにも発展させられます。

・用意するもの(例):トイレットペーパー・ラップ・セロハンテープなどの芯、その他ペイントローラーやクッキーカッター(円型)など家にある円筒型のもの
・遊び方:1歳頃から、円筒型のものを転がしたり積み重ねたりして遊ぶなかで、形の特性や構造について学ぶことができます。円筒型は横にすれば転がりますが、縦にすれば積み上げられることが自然にわかります。

⑤ 虹色のボックス(対象年齢1歳~)
家のなかにあるさまざまな色で構成された「虹色ボックス」です。色に興味を持ち始める1~2歳頃からは、色のグループ分けを楽しめます。さらに理解が進む3歳頃には、色ごとに並び替えレインボーを作ることで色の関係性についても学べます。

・用意するもの(例):虹色を構成する色の生活用品や小さなおもちゃ
・遊び方:色に興味を持ち始める1~2歳頃は、ボックスのなかのものを色ごとにグループ分けをして遊びます。3歳頃からは、それらのグループをさらに並び替えてレインボーを作ります。たとえば写真のように、赤→オレンジ→黄→緑→青と並び替えれば、グラデーションを楽しめます。似ている色や異なる色など色彩についても学べ、絵の具遊びに発展させることもできます。

⑥ 形のボックス(対象年齢1歳~)
いろいろな形のものを集めたボックスです。1歳頃からは形の認知を、2歳頃からは積み重ねる遊びを通して形や構造を学べます。

・用意するもの(例):家のなかにあるさまざまな形をしたもの。積み木やブロックも可。
・遊び方:形に興味を示す1歳前後から形ごとにグループ分けし、四角、三角などの名前を遊びながら学びます。たとえば、親が言った形を子どもにボックスのなかから取り出してもらうゲームなども。2歳頃からは、積み重ねるなどの遊びを通して高く積むのに適した組み合わせ方もできるようになります。「四角いものは積みやすいね」など声かけをしてあげましょう。

まとめ

以上、6種類のCuriosity Boxについてまとめました。子どもが興味を持つテーマに着目し、家にあるものを分別してボックスに収納するだけで、好奇心や知能を伸ばせるかもしれません。あらかじめ決められた遊びではなく、身近なものを使い想像力を駆使して遊べるようになると思います。

おうち時間を充実させるために、まずはすぐできるボックスから作ってみてはいかがでしょうか。

著者プロフィール

世界35か国在住の250名以上の女性リサーチャー・ライターのネットワーク(2019年4月時点)。
企業の海外におけるマーケティング活動(市場調査やプロモーション)をサポートしている。

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