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子育て

男の子のゲームや漫画、どこまで OK にすればいいの?

男の子のゲームや漫画、どこまで OK にすればいいの?

スマホ連動のポケモンゲームが何かと話題になっている近頃。特に男の子を魅了してやまないゲームや漫画などの娯楽。

頭ごなしにダメというのは可哀想だけれど、どんな内容をどこまでOK にすればいいの? と頭を抱えるママも多いはず。そこで、『男の子の育て方』の著者でもある伸芽会 教育研究所 所長の飯田先生にお話をお聞きしました。

飯田道郎先生
飯田道郎先生(伸芽会教育研究所 所長)
子どもの目線に寄り添い、一人ひとりのやる気スイッチを引き出す人気教師。男の子の指導に定評があり、これまで3,000人以上の教え子を難関校へと導く。著書に『9歳までの男の子の育て方』(世界文化社)。

 

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ゲームの何が悪いかをきちんと説明できますか?

ずばり、ゲームの何が悪いかを子どもにきちんと説明できますか? 「目が悪くなるから」「勉強をしなくなる」と言った理由も一理あるかもしれませんが、それも人それぞれでしょう。

私が個人的に危惧しているのは、主に2つ。「ゲームはリセットできる」のと「親子のコミュニケーションが減る」ところだと思っています。

戦うゲームでも何かを育てるゲームでも、リセットボタンを押せばなかったことにできてしまいます。そんなバーチャルの世界にどっぷり浸かってしまった子どもは、リアルの世界と区別がつかなくなる、それが一番怖いのではないでしょうか。だから親は、リアルの世界はリセットできないということを、一緒に体験しに出かけることが大切です。

もちろん、話をするのでもいいでしょう。部屋にひとりこもってゲームをする子どもが何を考えているのか分からない親、ではなく、「どんなゲームをしているかママに教えて」と興味を持ったり、「パパと一緒に対戦してみよう」でもいいんです。ゲームで親子のコミュニケーションがそがれるのではなく、ゲームをコミュニケ―ションのツールの1つにすべきです。

もったいつけずに与えればいいんです

「テストで100点をとったら、何かを頑張ったらご褒美にゲームを買ってあげる」というご家庭も多いでしょう。でも私はゲームもスマホも、もったいつけずに与えればいいと思うんです。子どもは学校などで友達から情報を得ていますし、遅かれ早かれ触れることになるわけですから、ダメダメと言ってはよけいに執着するだけです。

それよりも、「ゲームがあるのが当たり前」くらいになれば、飽きるのも早くなると思うのです。ゲームをはじめるまでのハードルを下げ、その分「どこでやるか」「どう使うか」など、その家なりのルール作りに時間をかけてください

「何時までね」という約束は守れるはずがない!

サッカーなら前半・後半戦があり、野球なら9回の裏まで続くといったゲームの内容が理解できていれば「20時まででおしまいね」という約束が意味をなさないことが分かるはずです。大人だってドラマの途中でテレビを切られたら怒りたくなるでしょう。子どもだって同じです。

では、どうすればいいか。

結論は、自分で気づくのを待つしかありません。まずは1週間、子どもが何時にゲームを始めて何時に終えたか、宿題は何分したかを冷静に記録しましょう。それを表にして子どもに見せればいいんです。

「ゲームを3時間した日は勉強が30分しかできなかった」「翌日の授業が眠かった」など自分で気がつけば、「じゃあゲームは2時間までにして勉強を1時間にしよう」「そのためにはここでやめておこう」と気づけるようになるはずです。そして、それを守れたら思い切り褒めましょう。

まずは監視するのではなく、あえて突き放す勇気をもってください。

ゲームによって広がる世界や背景を親も一緒に共有しよう

果たして、勉強ができていい大学・いい会社に入ればそれでいいのでしょうか? 大人の社会でも、幅広い知識や趣味がある人は魅力的ですよね。「将来素敵な大人になるためには、ある程度の娯楽を知ることも必要」と割り切って、遊びを許せる親になってみましょう

ゲームの楽しさや世界観を共有するのはもちろん、ルーツやその歴史を巡る旅に一緒にでかけてみたり、ママやパパの頃に流行っていたゲームや娯楽を子どもに教えるのもいいでしょう。

遊びと学びはバランスよく両立するのがポイントです。「ママってすごい」「パパってすごい」とリスペクトされる要素を持てる、親御さんになる努力を惜しまないことが大切なのではないでしょうか。

いかがでしたか? 「何時までね、という約束では守れるはずがない!」という言葉が印象的でした。監視するのではなく、子どもに気づかせ学ばせる。簡単ではないですがゲームをきっかけに、親ももっと子どもの世界を知り、一緒に成長しないといけないんですね。

著者プロフィール

ライター・エディター。出版社にて女性誌の編集を経て、現在はフリーランスで女性誌やライフスタイル誌、ママ向けのweb媒体などで執筆やディレクションを手がけている。1児の母。2015年に保育士資格取得。

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