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取り分けレシピからアレルギー、おやつ、好き嫌いまで!ママが知っておきたい【幼児食の基礎知識】~実践編~

取り分けレシピからアレルギー、おやつ、好き嫌いまで!ママが知っておきたい【幼児食の基礎知識】~実践編~

前編はこちら

1歳半~6歳未満のママを悩ます幼児食。前編では、幼児食に関する基礎知識をお伝えしました。後編では、実際に幼児食を作る際のポイントやお手軽レシピを管理栄養士の板垣好恵さんに教えていただきます。気になるアレルギーのある幼児食や、おやつを与える際の注意点も必見です!

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大人用と幼児食を手軽に作り分けるコツ!

基本的にメニューは大人とほとんど一緒で大丈夫です。大人用・子ども用をまとめて作って取り分けてから、味付けや調理法をそれぞれに合わせて変える「取り分け幼児食」を覚えていきましょう。

(例)
・煮物、チャーハン、焼きそば、炒めもの→まとめて薄味で作り、子ども用を取り分けてから、大人用に濃い味を足す
・お味噌汁やスープ類→大人用の味付けで作って器に盛ったら、子ども用は湯などで味を薄める
・餃子→包むまではまとめて作り、大人は焼き、子どもは水餃子にして油分量を減らす
・唐揚げ→下味まではまとめて作り、大人は揚げて、子どもはソテーにしてヘルシーに

幼児食に便利な食材や調味料とは?

辛いものや刺激物以外はほとんどの調味料が使えます。少量ならケチャップやマヨネーズも大丈夫!ただ注意したいのは、化学調味料です。化学調味料の摂りすぎは味覚の正常な発達を妨げるおそれがあるため、できるだけ控えて。この時期に濃い味付けに慣れてしまうことのないよう薄味を心がけましょう。

また、ジャンクフードなど脂っこいものはやみつきになりやすいため、与えすぎには要注意。幼児食のおすすめ食材としては、栄養価が高い高野豆腐やのり、ゴマ、切り干し大根、乾燥わかめ、ひじきなど。日持ちするので常備しやすく、料理に活用すれば手軽に栄養価UPが叶います!

魚料理のレパートリーを増やすには?

うまく扱えないから魚料理は苦手というママや、魚は骨があってキライという子どもも多いですよね。たとえば、大人用のおさしみを活用してバターソテーにすれば子どもが食べやすい魚のおかずに。サバやツナなどの缶詰を利用したり、しらすやかつおぶしでも魚の栄養素を摂ることができます。

朝ごはんなど忙しいときは魚肉ソーセージもおすすめ!手軽で子どもも好みやすい味や食感なので、わが家でもよく使います。

食材はできるだけオーガニックを使うべき?

これは各々ご家庭の考え方にもよると思います。農薬は少ないにこしたことはないですが、オーガニック食材は価格も高いですし、外食や学校の給食でも徹底するのは難しいもの。ですから、オーガニックを取り入れたい場合も「離乳食だけはオーガニックに」、「生で食べる野菜はオーガニックに」、など無理なくできる範囲でOK。オーガニックに限らず、普段の食卓に栄養価の高い旬の食材を多く取り入れる意識をしていくことも大切です。

アレルギーのある子の幼児食で知っておきたいこと

うちの上の娘も重度のくるみアレルギーがあるので、このお悩みはよくわかります。どの程度まで食べられるかはその子によって違うので、医師の診断に従うことは前提ですが、食品を選ぶ際は、必ず原材料表示を確認してアレルギー物質が入っていないかのチェックを徹底します。

注意したいのが、外食や市販品でパッケージのない食品を購入するとき。必ず店員さんにアレルギーについて確認しましょう。以前、見た目はシンプルなマフィンにくるみの粉末が使われていたり、パン屋さんでくるみパンを持ったトングを共有した食パンを食べただけでアレルギー症状が出たこともありました。

また、症状が重症な場合は、調理器具や食器も本人用と家族用で分ける必要があります。使う食器を変え、先にアレルギー対応の料理を作って盛りつけ、アレルギー用とわかるようにしましょう。

あとは、本人にもアレルギーがあることを小さいうちからよく伝えて、自分で身を守れるようにすることも重要です。お友達の家でおやつをいただいたり、お菓子交換をする場合も注意しましょう。大勢で集まる際はアレルギーのバッヂやステッカーを使っている方もいらっしゃいます。

アレルギー食材は使えなくても、以下のような代替品を使うことで同じようなメニューを食べることができます。

(例)
・卵アレルギー
オムライスの卵→かぼちゃとじゃがいものペーストに片栗粉を混ぜて焼き、薄焼き卵風に
お好み焼きやハンバーグのつなぎの卵→すった山芋やれんこん、つぶした豆腐
揚げ物の衣付けの卵→水溶き片栗粉、卵不使用のマヨネーズ

・乳アレルギー
ショートケーキの生クリーム→豆乳クリーム
グラタンやシチューの牛乳→豆乳

・小麦アレルギー
お菓子やパンの小麦粉→米粉、雑穀粉、大豆粉
うどんやパスタの麺→米粉の麺、フォーやビーフン
餃子やしゅうまいの皮→生春巻きの皮(ライスペーパー)

幼児食のおやつで知っておきたいこと

幼児は胃が小さく1回で食べる量が限られます。ですから、おやつは「4回目の食事として栄養を補うもの」と考えましょう。目安としては1日の摂取カロリーの10-15%ですから、

1~2歳→100~150kcal
・バナナ1本+ベビーチーズ1個 ・りんご1/2個+牛乳100cc 

3~5歳→120~200kcal
・カステラ1個+フルーツジュース100cc
・おにぎり1個+みかん1個
・プリン1個+ココア100cc    となります。

また、おやつを選ぶ上で控えたい成分は、糖分(ジュースなどに含まれる異性化糖)・脂肪分(マーガリンやショートニングなどのトランス脂肪酸)・塩分・添加物の多いもの。できるだけシンプルな原材料を選んで、菓子パンや市販のスナック菓子類は注意しましょう。

一方、積極的に与えたい栄養素は、幼児期の成長に大切で、特に不足しがちなたんぱく質・鉄・カルシウム・食物繊維です。

ヨーグルトやチーズ、干しいも、あまぐり、フルーツなど、できるだけナチュラルなものを意識したいですね。甘いものなら、にんじんなど野菜のすりおろしを入れたホットケーキ、フルーツをいれたヨーグルトなどもおすすめです。

好き嫌いを克服する、お手軽幼児食レシピ!

1:野菜嫌いな子へのおすすめレシピ

とろみやケチャップを使った中華味は子どもが好みやすくておすすめ。他にも、肉巻きや春雨も食べやすいメニューです。苦手な子が多い根菜は、ピーラーで薄く切ってきんぴらに。野菜は「刻んでハンバーグに混ぜる」のように隠して食べさせるのは根本的な克服にはなりません。混ぜ込んで隠してある場合もあらかじめ野菜が入っていることを伝え、食べられたら褒めて達成感を!

(材料/2人分)
小松菜1株、にんじん30g、しめじ30g、絹ごし豆腐小1パック(150g)、白ねぎ10g、ごま油小さじ1、(A)中華スープ1カップ・しょうゆ小さじ1/2・酒小さじ1/2、水溶き片栗粉 適量

(作り方)
①小松菜は長さ4cm、にんじんは4cmの拍子木切り、豆腐はひと口大、白ねぎはみじん切りにする。しめじは小房に分ける。
②鍋にごま油を熱し、白ねぎを弱火で炒め、香りがたったら小松菜・にんじん・しめじを加えて中火でさっと炒める。
③(A)・豆腐を加えてひと煮たちさせ、フタをして弱火で10分煮込む。
④野菜がやわらかくなったら、水溶き片栗粉でとろみを付け、器に盛り付ける。

2:お米が嫌いな子へのおすすめレシピ

手軽なのは炊き込みご飯、チャーハン、親子丼などの味付けご飯ですが、小さいうちから、ご飯・おかず・汁物を順番に食べる「3角食べ」の習慣をつけると白米が食べやすくなります。

また、手づかみ食べでご飯が手につくのが嫌という子は、のりまきにすると食べてくれることも。食べやすく栄養もたっぷり摂れるおやきもおすすめです。

(材料/直径5cm×5個分)
ごはん茶碗1杯分(150g)、にんじん20g、しらす大さじ1、(A)みそ小さじ1/2・しょうゆ小さじ1・片栗粉大さじ1、サラダ油小さじ1

(作り方)
①にんじんはみじん切りにして耐熱容器に入れ、ふんわりとラップをかけ、電子レンジで加熱する(600W約15秒)。
②ボウルにごはん・①・しらす・(A)を入れてよく混ぜたら、おにぎりを握るように丸めながら、平たい円形に形をととのえる。
③フライパンにサラダ油を熱し、②を並べ、弱火~中火で片面5分ずつこんがりと焼く。

3:魚料理が苦手なママへのおすすめレシピ

魚料理は、鮭、たら、かれい、かじきまぐろなどの切り身を活用するのが扱いやすくて手軽です。ポイントは、子どもが食べやすいようにやわらかい食感に仕上げること。

魚は火を通しすぎると固くなるので注意しましょう。薄力粉や片栗粉、パン粉など衣の役割になるものをまぶして焼くとふっくらやわらかく仕上がるので、パン粉焼き、ピカタ、ムニエル、かば焼きなどがおすすめです。

(材料/2人分)
生鮭2切れ、塩・こしょう各少々、薄力粉適量、(A)卵1個・粉チーズ大さじ1・カレー粉 小さじ1/4、オリーブオイル小さじ1

(作り方)
①鮭は3~4等分に切り、塩・こしょうで下味を付け、薄力粉を薄くまぶす。
②ボウルに(A)を混ぜ合わせ、①をくぐらせる。
③フライパンにオリーブオイルを熱し、②を並べる。中火で焼いて衣が固まったら、再び(A)にくぐらせ、フライパンに戻す。
④両面に軽く焼き色を付けたら、フタをして弱火で蒸し焼きにし、中まで火を通す。

まとめ

いかがでしたか。幼児食は食の専門家である私でも悩みはつきません。ですから、全部が上手くいかなくても大丈夫。「栄養のあるものをきちんと食べさせなきゃ」とあまりプレッシャーに感じず、子どもの好きなもの、好きな料理をたくさん見つけてあげる気持ちで、食の楽しさを伝えてあげてください。親子で楽しい食卓を囲むことが何よりの食育になりますよ。


◆板垣好恵(管理栄養士)
大手料理教室にて料理・パン・製菓の講師を務めたのち、本社ヘルスケア事業部の管理栄養士としてレシピ開発、書籍の出版、栄養学の講演、企業との商品開発などに携わる。現在は独立し、「心とカラダを豊かにする食育」をモットーに、食育関連のコラム執筆や親子で学べる食育料理教室の開催、イベント出演などを行う。自身が主宰する「食の専門家ユニットFoodRing」では、プロの料理家、フードコーディネーターと共にレシピ開発、スチール・動画撮影などのフードコンテンツ制作を行っている。プライベートでは2児の母。https://foodring.jp/
著者プロフィール

SHINGA FARM(シンガファーム)編集部です。ママ・パパに役立つ子育て、教育に関する情報を発信していきます!
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