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子育て

うちの子が発達障がいの可能性を指摘されたら?

うちの子が発達障がいの可能性を指摘されたら?

昔だったら、「ちょっと元気な子」「ちょっと個性的な子」が、今では、「発達障がい」と言われることがあります。
グレーゾーンも含め、もし我が子が、そう指摘されたら親はどのように対応すればよいのでしょうか。

日経DUAL記事

発達障がいの種類について

ひと言で発達障がいと言っても、いくつかの種類に分類されます。

「発達障がい」には、学習障害(LD)や、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)、広汎性発達障害(アスペルガー症候群や自閉症)、それらと知的障害などが合併したものなどさまざまな症状があります。

また「落ち着きがない」「会話がかみ合わない」「空気が読めない」「集団になじめない」など、昔なら「少し変わっている子」が、今はグレーゾーンと言われています。

発達障がいを指摘された時、親のするべきこと

1、気持ちをしっかり持つ

幼児教室をしていた頃、あるママが「保健所で、発達障がいの可能性がある」と言われた、と泣きながら相談に来られました。その後も、検診時に発達障がいを指摘された方、医師から診断された方などさまざまなケースの方数名と関わる機会がありました。

その中の一人の子は、幼稚園年長でひらかな、カタカナ全て書く事ができ、簡単な数式も解き、きちんとあいさつもできます。ですが、しゃべり方が少し滑舌が悪く、聞き取りづらいところがあるために、発達障がいを指摘されたそうです。

「発達障がい」は、告げられる機関によっても親への伝わり方が違うようです。

保健所で検診時に指摘される場合、児童相談所や子育て相談窓口、幼稚園や小学校の先生が気づき指摘される場合、専門医から診断される場合…などがあります。保健所では早期に可能性を発見する事が目的の一つにありますので、発達障がいでなくても、その可能性を指摘する場合が多いと私は感じています。

ですので、発達障がいと言われても、「可能性」だけの場合もありますので、まずは親が落ち込まないように、気持ちをしっかり持つことが大切です。

2、特別支援学級に入ることを早まらないで!

小学校入学時に、特別支援学級か普通学級かの選択は、熟考したいですね。どちらに入るかの決定の仕方は、地域によって若干異なるようです。就学前検診で判定され、その後学校と保護者間で話し合う場合、保護者からの申し出があって初めて話し合う場合などがあります。

特別支援学級を選択した場合、少人数の子どもに先生がついてくれます。ですので個々に子どもを見てくれるでしょう。もし子どもが周囲と何か違う行動を取っても理解を得られると思います。

地域差はありますが、進路についても、さまざまな情報を得られたりと、卒業後の社会との繋がりの面でも親は心強いかもしれません。

このようなメリットもありますが、一度特別支援学級に入ってしまうと、ほぼ普通学級に戻ることはできないでしょう。反対に、普通学級からは、いつの機会にでも特別支援学級に入ることはできます。

普通学級で健常児と一緒に学ぶことで育まれる能力もあるでしょう。ですので、グレーゾーンの子どもは、早い段階で特別支援学級を決断せず、普通学級でまずは様子を見ることがよいのではないでしょうか…。

気をつけたい二次障害

最も気をつけなければならないことは、発達障がいについて親の認識が浅く、周囲の子と少し違う我が子に、イライラしたり怒鳴ったりすることで、子ども自身がうつ病を発症したり、不登校や引き込もりになるなど二次障害を引き起こすことです。

「発達障がい」と言われても「この子は、こういう個性」と親がとらえれば、「周りの子より活発な子」「マイペースな子」になります。

就学前に、発達障がいを指摘された子どもが、今は普通学級で何の問題もなく成績も学年の上位であるという事例や、お受験をして、私立の小学校に通っている方で子どものグレーゾーンを担任から指摘され、親は大変悩んだ結果、中学から他校の私立を受験、今は全く問題なく登校されているという事例も聞いたことがあります。

要は「子ども自身がどちらの方が生きていきやすいか」

発達障がいも軽度で、健常児と見分けがつきにくい場合、あるいはグレーゾーンと言われた場合、要は、「その子がこれからどちらの方が生きていきやすいか」です。

発達障がいと指摘されても、将来、ひとりでコツコツする分野などで活躍したり、稀にですが、何かの才能に秀でている場合もあります。子どもにとって、どのような道がベストかを親は考えることが大切ですね。

著者プロフィール
田宮 由美

公立幼稚園、小学校での勤務、幼児教室を7地域で展開、小児病棟への慰問、子どもの声を聴く電話相談など、多方面から多くの子どもに関わる。そのような中、子育てに熱心な
故に、その愛情が焦りとなり挫折、絶望感を抱いている親子が多いことに心を痛める。
「子どもの自立」「自己肯定感」「自己制御力」を柱とし、真に子どもの能力を開花させる子育て法を広める活動を2010年から始める。
現在、息子は大学病院で医師として、娘は母子支援の職場で相談員として勤務。実生活に落とし込んだ、親の心に寄り添う記事に定評がある。「難しいことを分かり易く、ストンと腑に落ちて行動に移せること」を理念とし、現在は執筆、講演、幼児教室を中心に幅広く活動中。
資格:小学校教諭・幼稚園教諭・保育士・日本交流分析協会 子育ち支援士
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(株)KADOKAWA

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