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子どもの主体性を伸ばす! 1歳児からのしつけ方

子どもの主体性を伸ばす! 1歳児からのしつけ方

1歳や2歳のお子さんを「まだ話しても理解できない赤ちゃん」なんて思っていませんか? 幼児教育の観点から言えば、1歳からしつけは可能だそうです。
その理由や家庭でできるしつけの方法について、伸芽会教育研究所の佐藤先生、牛窪先生、しんが~ずクラブの木村先生に詳しくお話を伺いました。

日経DUAL記事

1歳児にもしつけはできる理由

__そもそも、1歳児からでもしつけは可能なのでしょうか?

佐藤先生:「結論から言いますと、1歳からしつけはできます!
なぜなら、1歳でも大好きな親がしてほしいこと・してほしくないことは雰囲気で察することができるからです。

自我が発達する2歳児は親との力関係が確立する時期。そして3~4歳児ともなれば、だんだんと親以外の人の気持ちがわかるようになります。外でのお約束もどんどん意識させていきましょう。よく、だだをこねているわが子をどう扱っていいのか、とまどっている親子連れを見かけることがありますが、1~2歳児の親は、子どもの自我に振り回されないよう、毅然とした態度を取ることも必要です。

“触ってはいけないもの、行ってはいけない場所”など常に危険へのアンテナを張り巡らせながら、子どもの行動への目配りを大事にしてださい。
行動範囲が広がり自分と他人との関係に気づいていく3歳からは、公共の意識として、信号を守らない、食べ歩きをするなどルール違反をしている子どもや大人を見かけたら、“あの子、こんなことしているけどどう思う?”など、客観的に見て話してみるのもいいでしょう」

「イヤ!」を言わせずに主体性を伸ばそう!

__主体性を伸ばしたいけれど、手ごわいイヤイヤ期はどんなことを意識すればいいでしょうか?

佐藤先生:「子どもの反抗期(イヤイヤ期)は成長の証、けれど親にとっては本当に大変!という時期でもあります。

反抗期の子どもは、どれだけ自分の意思を通せるかを試しています。目立って反抗期がある子は、自分から行動するエネルギーがある子とも言えます。親は子どもに「お片づけはご飯のあと?それとも前?」といった「イヤ」を言わせない聞き方・状況を上手く作り、子どもの主体性を伸ばして上げることも大事です。
どこまで譲るべきか、迷ったときは次の3つの絶対ダメを思い出してください。

その① 危ないこと
その② 衛生上の問題があること
その③ 人を傷付けること

これらは、理屈抜きでダメと通しましょう。理屈はあとでついてきます。
他のことでも「うちではコレはダメ」「こうしてほしい」と、その家庭なりの筋を通してブレないことが大事です」

「模倣性(もほうせい)」のある1歳児は集団でこそしつけが身につく

__では、具体的に1歳児にはどのような声掛けや工夫をしてしつけを教えていけばいいのでしょうか? 伸芽会の託児施設「しんが~ずクラブ」で実際に多くの幼児を見ている、木村先生と伸芽会教育相談所の牛窪先生にお聞きしました。

木村先生: 「しんが~ずクラブでは1歳児と2歳児が混在したクラスになっていますが、基本的にはお着替え(靴下や上着の着脱)、靴の履き替え、手洗いなど生活全般のことは、自分でできますし、集団遊びでも、きちんと順番を待てたり、相手の顔を見てお約束やお話が聞けたりしています。見学に来られた親御さんはみなさん“1歳ですよね!?”と驚かれますし、授業参観では保護者様がわが子の様子をご覧になって全然違う!”と驚かれることが多いです」

牛窪先生:「家庭ではそううまくはいかないはずです。ここでのポイントは集団であるということ。幼児は「模倣性」といって、何かをスムーズにできる子がいると、そのお友達をお手本として本能的に他の子も真似するようになるものです。ですから、「やりなさい!」や「なんでできないの」ではなくて、できた子を褒めるだけで、数日後に「自分もやってみよう」と自然とやるようになって、結果的に集団のレベルがあがるということなのです。幼児期には嫌な記憶を作らないことで、楽しみながら学びにつなげられるのです」

木村先生:「ご家庭だと、同年代の友達がやることを見るというシチュエーションが少ないですからね。自然に促せるのは集団でこそ、だと思います。加えて、幼児期は、お着替えも塗り絵も何もかもが新鮮だし楽しい時期。その「やってみよう」が倍増する時期こそ「自分でできる」に変えるチャンスなのです」

牛窪先生:「しんが~ずクラブは開始時期も利用日数もひとそれぞれなので、メンバーが固定ではないし、縦割りもある。その環境設定もいい影響を与えますよね」

木村先生:「メンバーが固定されないと、褒められるチャンスもみな平等になるし、昨日お世話してもらっていたお子様が歳下の子が集団に入った途端、お世話係のしっかりお兄さんに変身したりしますからね」

家庭で1歳児をしつけるコツは「ひとつ前と一つ後」も覚えること

__では家庭ではどんなことを意識して1歳児にしつけを行えばいいでしょうか?

木村先生:ご家庭では、「根気よく急かさないこと」に尽きると思います。

お手伝いでも着替えでも、あえてゆっくりやる時間を週に1回でもいいので作ってみてください。
自分のことを自分でやるという経験をなるべく早くから少しずつ一歩ずつ始めてみてください。また、遊んだ玩具は片付けてから次の玩具を使うという事を1歳児から習慣づけておくと、少し大きくなったときに本当に楽になります。

牛窪先生:「ひとつ前と一つ後」の流れを一緒に感じさせるといいと思います。

たとえば、食べる前にお箸を置く、食べ終わったら片づけるなど。幼児にやらせると効率が悪くなるかもしれませんが、生活習慣を一連の流れの中で身につけられるようになると、自分でできることが増え、先が見通せるようになるので、幼児期以降の集団生活がぐっと楽になるはずです。

【まとめ】

・模倣性を上手に活用する(集団ではできた子だけを褒め、できない子に指摘をしない)
・2~3ヵ月後にできることを目指して、長い目で見て焦らず待つ
・やりたい気持ちになるまで待つ
・同世代が集まる集団を動機づけに利用する
・遊んだおもちゃは片づけてから次を出す

著者プロフィール

SHINGA FARM(シンガファーム)編集部です。ママ・パパに役立つ子育て、教育に関する情報を発信していきます!
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