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開成中学ではピアノの授業が必修!? 幼児期の文化系の習い事は3歳が始めどき!

開成中学ではピアノの授業が必修!? 幼児期の文化系の習い事は3歳が始めどき!

子どもに習い事をさせたいけれど、英会話、ピアノ、そろばん、書道、絵画、などの多くの中から、どれを選択すればよいのか迷うところですね。効果や費用、辞め時も含め、「え?知らなかった!」というような事も。
今回は特に人気の高い「ピアノ」と「英会話」に焦点を当ててお伝えします。

日経DUAL記事

難関大合格者は幼少期に4割がピアノを習っていた!

ピアノは、楽譜を読みそれを指先に伝達し、左右一本一本違う動きをしなければなりません。脳を刺激する要素がいっぱいです。楽譜を暗譜する事から暗記力も養われます。学力はもちろん表現力や心の豊かさにも影響があるとされています。

さらに、「難関大合格者は4割がピアノを習っていた」というデータもあるほど、ピアノは学習する能力と関係が深いと言えるでしょう。全国有数の進学校で知られる開成中学ではピアノの授業があるんだとか

とはいえ、最近の住宅事情では「マンションにピアノが置けない!」「ピアノを購入するのが負担!」という問題もあるかもしれません…。プロにさせるのが目標でなければ、まずは電子ピアノでも十分でしょう。

ピアノを習い始める時期は何歳頃が適当か

ただ、あまり早くからピアノを始めると、指の骨が固まっておらず鍵盤をうまくたたく事ができなかったり、椅子に30分間座っていられなかったりするので、やはり幼稚園へ行き始める4歳くらいからがいいでしょう。聴音やリトミックから入る場合は、3歳でも大丈夫です。

注意すべき点としては月謝以外に、発表会やコンクールへの出場もあります。費用が予想以上にかかったりする場合もありますので、そのあたりも事前に確かめておきましょう。またそれらへ出場するにはピアノの練習に要する時間も増やさなければなりませんので、今までやっていた他の事の時間を削ることになります。

コンクール出場を勧められるくらいになったら、一度将来の方向性を見直すタイミング(本格的にピアノをやるのか趣味程度にするのか)かもしれませんね。

幼児期の過剰な英語教育で発達障害に!?

「自分が英語が話せないから(苦労したから)子どもには英語を話せるようになってほしい」という親心からでしょうか。昨今、幼児の英会話が大ブームです。教室へ通うと、歌やリトミック、またイベントの開催など、楽しみながら英語に慣れるところが多く、幼い頃から英語を耳に慣れさせようと自宅でも必死に頑張る親御さんも少なくないのではないでしょうか。

一方で、英語を習わせるうえで気をつけたいのが、セミリンガルの問題です。「子どもをバイリンガルに育てたい」と思い乳児(0歳)の頃から、英会話を習わせ、家庭でもできるだけ英語を用い話すようにしていた結果、幼稚園入園後、担任の先生から、発達障害の疑いを指摘されたという事例があります。

母国語が定まらないうちから、英語を習得させようとすると、語彙力や知力の低下という弊害が生じる場合もあります。「人は、言葉を使って物事を思考するので、習得言語を広げると、どれも定着や発達の度合いが低くなり、難しい問題を頭の中で考える時、整理しきれず、混乱してしまう」との指摘もあるようです。

(参考文献)AMDA国際医療情報センター NEWSLETTER NO.23より

ですので、母国語を定着させ、外国語の区別がつく3歳くらいになってから本格的に始めるといいでしょう。

通わせるだけはNG!“子どもと一緒に親も習う”という姿勢が重要!

他に、昔ながらの「そろばんやお習字」なども再び人気を集めています。さらに分析力や思考力を養う「囲碁」、五感を磨く「絵画やアート」など、多くの文化系の習い事があります。また最近では、「英語+そろばん」、「英語+アート」など複数の習い事を融合させたものも注目されています。

親としてみれば、一石二鳥のような気もしますが、いきなり複数をMIXした習い事に入ると、両方が中途半端になる、という話も聞きます。それぞれの習い事の基盤がある程度出来てからさせた方が有効な場合もありますので、子どもの個性を考慮しながら、習わせたいですね。

実際に通わせている親御さんの声としては、
「そろばんの進級試験の緊張感と合格したときの達成感が自信になっているようです(6歳の男の子のママ)」や、「3歳からお習字で文字を学んだことが嬉しいようで、今ではお友達に会う度にお手紙を書くのがブームです(4歳の女の子のママ)」など、子どもの成長を感じられるのも嬉しいですね。

子どもの好きや得意なことを見つけて伸ばし、自信をつけてあげられるのが習い事の一番のメリットですが、ゲームや動画など一人で遊びがちな今どきの子にとっては、「他の子と一緒の空間で何かに集中できる時間」というのが重要なのかもしれません。

いずれにしてもただ通わせれば、それで技術や能力がアップするのではなく、親の家庭でのフォローや、やる気をアップさせる言葉掛けが大切だということを忘れないでください。

子どもに「もっとしっかり、がんばりなさい!」と言うより、「今日はどんな事をしたの?ママにも教えてね」と、声をかけ、実際に教えてもらう事で、習ったことの復習になるでしょう。
その時、少し大げさに「わ~!すごい!こんな事もできるようになったのね」なんて声をかけると、子どものやる気や意欲も更に高まりますね。

またピアノだったら子どもの好きな曲を聴きながら「こんな曲が弾けるようになったら、すてきでしょうね」と達成した時の喜びを予感させる会話をするのもいいでしょう。

親の一方的な思いで習わせるのではなく、「子どもが興味を持ったものを親も一緒に始める」、という気持ちで取り組むと、効果も一層上がるでしょう。

著者プロフィール
田宮 由美

公立幼稚園、小学校での勤務、幼児教室を7地域で展開、小児病棟への慰問、子どもの声を聴く電話相談など、多方面から多くの子どもに関わる。そのような中、子育てに熱心な
故に、その愛情が焦りとなり挫折、絶望感を抱いている親子が多いことに心を痛める。
「子どもの自立」「自己肯定感」「自己制御力」を柱とし、真に子どもの能力を開花させる子育て法を広める活動を2010年から始める。
現在、息子は大学病院で医師として、娘は母子支援の職場で相談員として勤務。実生活に落とし込んだ、親の心に寄り添う記事に定評がある。「難しいことを分かり易く、ストンと腑に落ちて行動に移せること」を理念とし、現在は執筆、講演、幼児教室を中心に幅広く活動中。
資格:小学校教諭・幼稚園教諭・保育士・日本交流分析協会 子育ち支援士
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(株)KADOKAWA

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