子どものウソ、親としてどう向き合うべき?

子どものウソで悩む親は多いもの。しかしすべてが悪いわけではなく、なかには幼児期の発達にともなって出てくるウソもあります。この記事では、その2つの違いを解説し、困ったウソへの対処方法をご紹介します。
子ども時代のウソには2種類ある、その良し悪しの見分け方
目次
1. 問題視する必要がないウソ
- 子どもならではの想像力によるウソ(例:ごっこ遊びなどで、架空のストーリーを展開する)
- 善意のあるウソ(例:ママの誕生日を忘れているふりをして、じつは誕生会をパパと計画中)
2.やめるように導いていくべきウソ
- 自分の意思を通すためのウソ(例:片付けよりテレビが見たいので「片付けは終わった」ととぼける)
- イヤな思いを避けるためのウソ(例:怒られるのが怖いので「なにも知らないよ」と逃げる)
- 自分に対する評価を保つためのウソ(例:習い事の練習ができていなくて先生に注意されたのに、「上手にできた」とごまかす)
親のアプローチで大きく変わる! 子どものウソへの2つの対処法
1.親が感情的になり過ぎない
じつは子どもがウソで逃げたくなるような場面を、親自ら、作り出してしまっていることがよくあります。子どもに落ち度があるとわかっているときに、強く問い詰めてしまったことはありませんか?親の感情的な勢いに圧倒され、逃げ場がなくなると、子どもはウソで逃げようとします。
小さいうちは、意図的に相手をだまそうという悪意のあるウソはつきません。それよりも、自分の立場を守るための“言い訳”が、結果としてウソに発展するケースがほとんどです。
重要なのは、子どもたちがウソで逃げずに済む状況を作ってあげること。本当のことを言ったら、受け止めてもらえない…。そう感じるとウソをつきやすくなります。このような状況で、親に求められるのは受け入れの姿勢です。「起こってしまったことはもう仕方がない。繰り返さないためにはどうすべきか?」と未来に目を向けるのが、よい解決策です。
2.脅すタイプのしつけをしない
子どもがウソをつかなくなるように、「ウソをつくと友達がいなくなるよ」のような脅し文句を言いたくなりますよね。しかし、最近の心理学の研究で分かってきているのは、「ウソはダメ」と言うより、「正直なのはいいことだ」と教える方が、結果的にウソを減らすことができるということ。子どもがウソをつくと、親もショックなので、つい感情的にリアクションし、ウソを非難してしまいがち。でも、子どもの心を動かすのは、正直さ、誠実さ、素直さを伝えることにあるのです。

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専門は0~10歳のお子さんを持つご家庭向けの行動改善プログラム、認知行動療法ベースの育児ストレス支援。ポジ育ラボでは子育てに関する心理学情報を発信するほか、ママ・パパが自分の心のケアを学べるメルマガ講座「ポジ育クラブ」を配信。英・レスター大学大学院修士課程修了。HP:https://megumi-sato.com/