英国で人気のベーキング！ハリーポッターでお馴染みのスイーツを作ろう

2020.09.17 公開

学び

英国で人気のベーキング！ハリーポッターでお馴染みのスイーツを作ろう

英国では、お菓子を焼く「ベーキング」の人気が年々高まっています。最近は大人だけではなく、子どもでも趣味として楽しむようになってきました。ベーキングにはリラックス効果があり、自分自身を尊重する気持ちを高め、学ぶ力を養う新時代の教育方法「STEM能力」の向上にも役立つといわれています。

この秋、親子でベーキングを楽しんでみてはいかがでしょうか。本稿では、ハリーポッターの映画にも登場した英国伝統のスイーツ「ロックケーキ」の歴史やレシピを紹介します。

テレビ番組やステイホームが後押し、子どもたちも夢中に

英国では、毎年10月にナショナルベーキング週間があります。2007年にスタートしたイベントですが、英国で実際にベーキングに火がついたのは2015年以降です。アマチュアの人たちがベーキングの腕を競うテレビ番組「Great British Bake Off」が引き金となったようです。

昨年、この番組の子ども版がスタートしたこともあり、べ－キングに夢中になる子どもたちが急増しています。とくに新型コロナによる自宅待機期間には、ステイホーム中の親子がお菓子づくりに挑戦したとみられ、どの店舗からも小麦粉やベーキングパウダーが消えてしまうほどでした。

ベーキングという行為には、たくさんの恩恵やメリットがあるといわれています。不安を解消するリラックス効果があり、創造力やプランニング力、問題解決能力が養え、「STEM能力」の向上につながるとされているのです。

新型コロナの影響により不安なステイホーム期間が続くなか、たくさんの人たちが夢中になったのも理解できます。

戦時中の食料不足時代に家庭でよく作られた伝統的なお菓子

ロックケーキとは、表面がロック（岩）のように固く、丸くて小さいケーキです。表面はカリッとしていて中はサクサクで、食感はスコーンとクッキーの中間くらいです。外見がゴツゴツしていて岩のようなので、ロックケーキと名づけられました。

ロックケーキは英国が発祥の地です。第二次世界大戦中には食料配給システムが導入され、人々は一定量の食料でサバイバル的な食生活をしなければなりませんでした。そのときに、家庭で頻繁に作られたのがロックケーキです。

通常のケーキよりも小麦粉や卵、砂糖をたくさん使わずに作ることができるので、とても重宝しました。当時のレシピでは、小麦粉にオートミールを加えて量を増やしていたようです。その後も、ロックケーキは家庭料理としてたくさんの英国人に愛され続けています。

このスイーツは、テレビや映画、小説にもよく登場します。世界中の人々を虜にした「ハリーポッター」の映画にも出てきますので、覚えている方もいらっしゃるかもしれません。英国が舞台となった「ハリーポッターと賢者の石」のなかで、ハグリッドが紅茶とロックケーキをハリーとその仲間たちにご馳走するシーンです。

親子でロックケーキを作ろう！

ロックケーキは、ほかのスポンジケーキよりも比較的簡単です。手でこねたり、形を作ったりするシンプルな作業だけで作れるので、小さなお子さんでも楽しめます。
ここでレシピを紹介します。

＜材料（約12人分）＞
●ロックケーキ
砂糖　　60g
卵白　　1個分
薄力粉　225g
バター　125g
バニラエッセンス　小さじ2杯
ベーキングパウダー　小さじ1杯
ドライフルーツ（レーズンなど）140g
●ケーキに添えるクリーム（オプション）
ホイップクリーム　225ml
粉砂糖　50g

＜作り方（調理時間は約30分）＞
1 オーブンを180度に温める。
2 天板にベーキング用シートを敷く。
3 薄力粉、砂糖、ベーキングパウダーを混ぜる。
4 3にバターを入れて混ぜる。その後、ドライフルーツ(レーズン等)を加える。
5 4に卵白とバニラエッセンスを加えて、スプーンでよく混ぜる。
6 1個当たりの分量はゴルフボールの大きさ。これを目安にして生地で好きな形を作る。
7 天板に生地をのせる。このときに、生地と生地との間にスペースを空ける。
8 15分から20分間焼く。表面に色が付き始めたら、オーブンから取り出して、ケーキクーラーなどにのせて冷ます。
9 生クリームに砂糖を入れて、泡だて器で泡立てる。（オプション）
10 温かいロックケーキにクリームを添えて出来上がり！

英国でドライフルーツといえばレーズンが主流ですが、アプリコットやプルーンを入れても美味しくいただけます。また、クルミやアーモンドなどのナッツ類を加えてバリエーションを楽しむこともできます。

ロックケーキは紅茶との相性もとてもよいので、街のティールームなどでも人気です。上手に焼き上がったら、ご自宅でもぜひ英国流のアフタヌ―ンティータイムを楽しんでみて下さい。