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得意な子こそ運動考査で光る子に! 伸芽会の受験体操クラスをレポート

得意な子こそ運動考査で光る子に! 伸芽会の受験体操クラスをレポート

筑波大学附属小学校の“クマ歩き”に代表される「受験体操」。最近では、私立小学校や幼稚園の受験などでも指示行動のひとつとして「運動」が試験に出題されるようになりました。

運動考査では、どんなことをして学校側は何を見ているのでしょうか。

そこで今回は、伸芽会の受験体操クラスを指導されている大村先生に、受験体操と習い事の体操教室の違いや運動考査で光る子についてお話を伺いました。

小学校受験をする、しないに関わらず幼児期に伸ばしておきたい運動能力や、家の中でも鍛えられる親子体操も必見です!

日経DUAL記事

受験体操の定義

__“受験体操”とはどんなことをするのでしょうか?

筑波大学附属小学校の“クマ歩き”は代表的な受験体操課題のひとつですが、慶應義塾幼稚舎のサーキット(平均台や跳び箱など複数の運動を組み合わせた障害物競争)のような運動課題は最近増えてきました。

運動考査は、単に上手に早くゴールすればいいのではなく、学校側は

・待っている時の姿勢
・お友達との関わり方
・出来なくてもチャレンジしようとする気持ち

なども見ています。

指示行動に含まれる運動課題は「先生の話を聞いて言われた順に自分で判断して行動する」という小学校で学習する上でとても必要な要素が含まれています。

未就学児の場合、かけっこをスタートして周りが止まったらつられて止まってしまうといった場面がよくありますが、そんな中、自分で判断して最後まで走り切れる子が合格を勝ち取っていくのだと思います。

習い事の体操教室とは何が違うの?

__習い事の体操教室とはどんなところが違うのでしょうか?

一概には言えませんが、一般的に習い事の体操教室は技術面の向上が主な目的なのに対し、受験体操では、受験指導のプロが合格に向けて個々の目標に向けて指導する体操教室です。

たとえば、伸芽会の受験体操の場合
基本運動:片足バランス、プランク、腹筋、スクワット
リズム運動:両足跳び、ケンケン、グーパー、スキップ
ボール運動:ボール転がし、ボールつき、ボール投げ
マット運動:幅跳び、イモムシ、前転、起き上がりこぼし、クマ歩き
器具運動:平均台、ゴム段、縄跳び、大繩跳び

などを年齢に応じた目標を設定して指導していきます。

もちろん、これらの課題は1回の授業で完全に習得することは難しいので、家庭でできる練習方法なども個別でアドバイスしていきます。

▼ボールつきの様子

▼ボール投げの様子

▼クマ歩きの様子

さらに、ただ技術を習得するだけでなく、その過程での「集中力」「努力」「あきらめない力」などの非認知能力にもフォーカスして、その子の良い所を伸ばすよう指導しています。

私はよく「良い失敗と悪い失敗がある」と子どもたちに伝えているのですが、たとえば「的当て」の課題で、「さっきボールを右に投げて失敗したから今度は左を狙おう」と自分で考えて投げたけれどダメだったのが良い失敗なのに対し、悪い失敗は何も考えずにただボールを的に投げることです。

結果だけではなく自分で気づいて答えを導き出す。これは運動だけではなくすべての学習にも通ずることだと考えています。

受験体操クラスに通わないと合格しない?

__受験体操クラスに通わないと運動考査は合格しませんか?

そんなことはありません。ただ、受験体操クラスは運動に苦手意識があるお子さんだけがやるものではありません。私は運動が得意なお子さんこそ、受講してほしいと思うのです。

なぜなら、「かけっこが速い」「ボールが遠くまで投げられる」「逆上がりができる」「側転ができる」など運動に自信があると、先生の話をちゃんと最後まで聞かなかったり、一生懸命頑張るお友だちを見下すような行動をとってしまい合格しないケースがあるからです。

スキップもケンケンも縄跳びも鉄棒も、初めから上手にできる子はいません。何事も練習あるのみです。よく幼児教育の中で大切なこととして“成功体験”があげられますが、目に見える運動では、それがより分かりやすくなります。「前転ができた」「上り棒ができた」そんなときは、思い切り褒めてあげてください。

そうした成功体験を積み重ねると、子どもは自信を持ちやる気に満ち溢れてきますので、学力がぐんと伸びることも少なくありません。幼児の場合、運動能力が高い子は知能も高い子が多いもの。見方を変えれば、運動で自信がつけば学力もアップすると言えるのです。

運動考査で光る子の特徴

__運動考査で合格する「光る子」とはどんな特徴がありますか?

幼児の男の子に多いのですが「ふらふらしない!」「よりかからないで!」と親御さんに注意されている場面をよく見かけます。これらは無意識にやっている場合もありますが、幼児は体の発達が未発達なため、まだ自分の身体を思うようにコントロールするのが難しく、腹筋や背筋といった筋力が不足して体のバランスが取れないことが原因な場合もあるのです。

つまり、大人にとっては当たり前な
「姿勢がいい」
「返事がいい」
「元気がいい」

が完璧にできる幼児は少ないので、これらがビシッと決まっている子は、集団の中でも目がとまり光る子になるのです。

運動考査では、槍投げなどはじめてやるような課題をあえて出す学校も少なくありません。

そんなとき学校側が見ているのは、指示通り正確にできるかだけではなく、「取り組む姿勢」や「自分で判断して行動できるか」です。

かけっこでも、横並びでよーいスタートの合図で、隣の子を見てから出るのではなく、自分のタイミングで思い切って走り出していけるか。多少失敗しても力いっぱい取り組む子は指導していても魅力を感じますし、試験でも先生方が教えてみたいと思う子になるはずです。

家庭で対策をする際の注意点

__家庭で運動課題の対策をする際のアドバイスをお願いします。

公園でもボール遊びが禁止されていたり、マンションだと家の中で思い切り飛んだり走ったりできないといった住宅事情もあり、今どきの都会の子どもたちは運動不足になりがちです。ぜひ、自宅でも柔軟体操や腹筋・背筋を取り入れてみてください。まずは3回、10回と無理せずやっていくと、あっという間に身体がやわらかくなり、姿勢もよくなるはずです。

また、一流スポーツ選手は幼少期に裸足で過ごしていた方も多いように、子どもは足の裏から三半規管や運動を司る小脳を刺激すると言われていますので、家の中や可能な場所ではぜひ裸足遊びも取り入れてあげるといいでしょう。

そして、失敗も認めてあげながら、一緒に楽しんで取り組むことも忘れずに。

親御さんがお手本を見せる場合は、大げさにやるよう意識しましょう。子どもは「ぴったりくっつける」「しっかり伸ばす」がどういうことなのか言葉だけでは理解できません。親子で動画を撮ってどう違うか自分で気づけるといいですね。

【家でもできる基礎体力アップ術~お手軽腹筋~】

レベル1

まずはひざの裏を掴んで起き上がるだけでOK。3回、5回と増やしていきましょう。

レベル2

次は両手をクロスして腹筋。このとき、「お腹に力が入る」ことを意識させてください(意外と、お腹に力を入れるという意味が分からない子が多いです)。

レベル3

最後は頭の後ろに手を組んでの腹筋。これができるようになるとだいぶ体幹も鍛えられていると思います。腹筋は日常生活やあらゆる運動の基礎になります。ぜひ楽しみながら取り入れてみてください。

伸芽会では会員限定で受験体操クラスを開講しています(池袋本部教室、自由が丘教室、飯田橋教室、吉祥寺教室、渋谷教室の5校)。年中年長の1回80分、月3回の指導となります。

運動能力の向上だけでなく、「目標達成に向けて努力する力」「人ときちんと関わる力」「感情をコントロールする力」などの育成を目指します。名門小学校合格に向けて、お子さま一人ひとりの個性に合わせた指導をいたします。お気軽にご相談ください。

https://www.shingakai.co.jp

著者プロフィール

ライター・エディター。出版社にて女性誌の編集を経て、現在はフリーランスで女性誌やライフスタイル誌、ママ向けのweb媒体などで執筆やディレクションを手がけている。1児の母。2015年に保育士資格取得。

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