小学校受験のプロが語る、受かる面接VS落ちる面接!

小学校受験のプロが語る、受かる面接VS落ちる面接!

小学校受験で欠かせない面接。多くの学校がお父さんお母様、お子様での親子面接を行います。いくらたくさん練習して準備してきても、本番では想定外のことが起こるものです。
そんな時に動揺しないために、長年多くのお子さんたちを名門小学校に合格させてきた、幼児教室伸芽会の先生方に、プロの目線で合否を分ける面接の受け答え方について解説いただきました。

日経DUAL記事

子どもは本場で想定外の答えをするもの!

ケース1 お子さんが想定外の答えを言ったとき
お母様への質問「健康上で気を使っていらっしゃることはありますか?」
という質問に、「旬のものをいろいろな調理法で栄養バランスを考え、恵に感謝しながら愛情を込めて手作りの家庭料理を心がけています」と模範解答をされたお母様。
その後、お子さんへの「お母さんの作るお料理で好きなものは何かな?」
という質問に対して、お子さんはなんと「カップラーメンです!」と答えました……。

飯田先生:これを言われた親御さんは本当に頭が真っ白になったそうです。お母様は面接後に泣いていらっしゃいました。なぜなら、実際にそのご家庭は、カップラーメンはもちろん、インスタント食品も一切食べさせたことがなく、食育に力を入れたその学校に通わせたいと思っていたから。そんな中、お子さんはお友達から話を聞いて憧れていたカップラーメンがパッと頭に浮かんでつい言ってしまったそうです。子どもはそんなものです。

__そんな時、親はどんなフォローをすればいいのでしょうか?
大西先生:そうですね。焦るし恥ずかしいし泣きたい気持ちもあると思いますが、一度落ち着いて、「今の子どもの発言を聞いて、これまでの育児を見直す機会になりました。今度子どもと一緒に作って食べてみたいと思います」などと言えれば十分ではないでしょうか。

牛窪先生:慌てたりお子さんを注意したりせずに「今後改めたいです」と正直に言えれば先生も安心します。面接は完璧を求めるオーディションや採用面接じゃないので、嘘はつかないことが第一です。

飯田先生:“完璧な面接はない”というのはその通りです。それでも合格は出ます。学校側が共感できる保護者であればいいのだから、ありのままでOK。無理に取り繕う必要はありません。ただし、本番で想定外の発言が出ることもよくありますから、事前にフォローのコメントを考えておくのも対策になると思います。

面接に仕事の話術は不要

ケース2 お父様が意図と違う答えをしてしまう
お父様へ「通学に少し時間がかかるようですが、その辺はご心配ないですか?」と聞かれた際に、「私の会社のオフィスが通学途中にありますので、大変なときは途中まで車で乗せて、遅刻はないように致します」さらに、「学校で何かトラブルがあったときはどう対処されますか?」という質問に「法律関係の仕事をしておりますので、学校には迷惑がかからないよう、しかるべき対処をさせていただきます」と答えたお父様がいらっしゃいました。

飯田先生:これはもう、NGのオンパレードですね。まず、最初の質問ではお父様にどれくらいの時間でどんなルートで通うか把握しているか、を聞きたいのです。さらに多くの学校では公共交通機関を使って1人で通学できる子を求めています。その意図をわかっていないのはアウトです。面接では、お仕事上のやりとりのような話術よりも、つたなくともわが子や学校に対する愛が感じられるお話ができるとよいと思います。

牛窪先生:2つ目の質問も最近は増えています。学校側は何かトラブルがあった際に保護者同士で解決しようとせずに、学校に相談してほしいと思っています。まして、私学の保護者の方には弁護士や医者などの職業の方も多くいらっしゃいますが、それをあえて面接でアピールするような方は入学後に面倒なことを言いそうだな、などと思われるマイナス材料になりかねません。

大西先生:お母様が受験対策の主導だと、忙しいお父様は学校にも行ったことがなかったり、学校のことをよくご存知ない方も正直少なくありません。でも学校側は面接の受け答えでそれを簡単に見抜いてしまいますから、ご夫婦で情報はしっかりと共有してほしいですね。

小見出し
面接では夫婦の相互理解も見られていると心得よう
本文
ケース3 ハイキャリアのお母様が前に出過ぎてしまう
「本校への志望動機についてお聞かせください」というシンプルな質問に、間髪入れずお母様が「私の母校でもあるので、娘にもぜひ同じような素晴らしい環境で育てたい」さらに、「自分が今、国際的な分野の仕事に従事しているので、娘にもグローバルな視野で活躍できる子になってほしい」答えたそう。一見素晴らしい回答に見えますが、これは何が問題なのでしょうか?

牛窪先生:面接官の先生はあえて、お父様へともお母様へとも言わない質問をすることがあります。そんな質問をしてどちらが答えるか、ご夫婦の力関係や役割分担が見られるのです。

飯田先生:理想は、一度ご夫婦でどちらが答えるかを身振りでもいいので相談できるといいですね。アイコンタクトもなしにお母様が先に答えてしまうと、パワーバランス的にお母様の方が強いご家庭なのかなと思われてしまう可能性があります。
内容に関しても、決して悪いことを言ってるわけではないんですが、いきなり将来の理想形を言い切ってしまうと、“ハイキャリアのお母様”という印象があふれ出てしまいます。
面接だけで合否が決まるわけではありませんし、あまりに高尚すぎる受け答えで、その後のお子さまの考査の行動観察などで「面接で言っていたことと違う」と思われてしまうのは避けたいですね。

大西先生:上昇志向のあるお母様の中には、仕事の成果を子どもに求める傾向がある方もいらっしゃいます。お子さんの長所を聞かれて、「お勉強が大好きなので、それに見合ったリターンが得られる素晴らしい人生を送れる環境で学んでほしいと考えています」と答えた方がいました。言いたいことはわかるのですが、お仕事モードのまま面接に挑んでしまうのも禁物ですよね。

牛窪先生:面接をお仕事のプレゼンと同じようにアピールし過ぎてしまう方は案外多いです。でも、面接は勝ち負けではありません。先生は在校生になっても学校として安心なご家庭かを確認したいのです。お仕事のことをPRしすぎて、かえって「忙しすぎて大丈夫?」と思われないようにしましょう。

校門を出るまでが面接!無駄話は禁物です

__最後に、面接前後の過ごし方でも注意した方がいいことについて教えていただけますか。

牛窪先生:これはよくある話ですので、ぜひ心に留めていただきたいですね。
ポイントは3つあります。
1 学校で知人と会っても挨拶以外話をしないこと
2 控室でのおしゃべりも見られている
3 門を出るまでが面接。気を抜かないで

一方で、これはどれも実際にあった不合格の行動です。
・控え室で知り合いに会って面接で聞かれたことや他校の結果などの雑談をしてしまった
・面接後にお子さんが廊下で「午後はどの学校だっけ?」と大声で話してしまった
・校庭でお父様がお仕事の電話に出て、大声で話してしまった

学校の門を出るまでが面接だということを、親子でぜひ確認しておきましょう。

著者プロフィール

SHINGA FARM(シンガファーム)編集部です。ママ・パパに役立つ子育て、教育に関する情報を発信していきます!
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