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中学受験はいつから何を準備すべき?親が知っておくべきこと

中学受験はいつから何を準備すべき?親が知っておくべきこと

大学が系列中学校を新たに開校するなどして、首都圏では私立中学の数も増えてきています。そのような背景もあり、中学から受験を考えるご家庭も多いのではないのでしょうか。

中学受験を視野に入れておられる場合、子どもが小学校低学年の間に、親はどのような準備をすればよいのでしょうか。まずは中学受験のメリット、デメリットを知り、「わが子には中学受験が本当にあっているのか」なども含め、考えておかれるとよいでしょう。

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中学受験をする3つのメリット

メリット1:6年間という長いスパンで卒業後を考えられる

中高一貫教育となっているところが多く高校受験の準備をしなくてもよいので、部活動や大学を目指しての勉強にじっくり取り組めるでしょう。

メリット2:能力のばらつきが少なく、効率よく学ぶことができる

学校の学力に見合った合格者が通うため、生徒の能力のばらつきが少なく、授業も自分にあった内容、スピードで進められるので、勉強の効率もよいでしょう。

メリット3:生涯の友人ができやすい

中学高校の学校生活を通して、生涯の友となる友人ができるはずです。家庭環境や親の教育方針の似た子どもたちと6年間を通じ、友人関係が深められることは、将来の財産になるでしょう。

中学受験のデメリットとは?

デメリット1:親の経済的負担が大きい

私立校は、やはり学費が高額になります。それだけでなく交通費や諸経費も必要となってきます。また中学受験をするにあたっての塾代も、テキスト代、模擬試験や特別授業なども含め、かなりかかります。(一般的に3年生から通うとして220~250万円くらいと言われています)

デメリット2:多様性に触れる機会が少ない

よく似た家庭環境、能力の子どもが集まっていることで、反対に多様性に触れる機会が少なくなります。社会に出た時、ギャップを感じる場合もあるかもしれません。

デメリット3:通学に時間がかかる

近くの公立中学に比べて通学に時間がかかるため、子どもの身体にも負担が大きくなることが多いでしょう。

メリット、デメリットは親の価値観や子どもの性格で表裏一体

特に目立ったメリット、デメリットをお伝えしましたが、例えば能力のばらつきがなく、似た環境で育ったクラスメイトと6年間、共に過ごすことを「わが子にあういい友人ができる」と捉えるか「多様性に触れる機会が減る」と捉えるかによって、メリットになるか、デメリットになるか違ってくるでしょう。

また中高一貫校は、高校受験を気にせず中学時代を過ごせます。ですが小学生の時、周囲の友人は遊んでいる中、受験勉強に向き合わなければなりません。高校受験ですとクラスメイト全員が、同じ様に受験に臨みます。

そのあたりも含めて、どちらの時期に「受験勉強」をすることがあっているか、わが子の性格や周囲の環境も考慮に入れて考えましょう。

卒業時のことも視野に入れて志望校を考える

子どもの志望中学を決める時は、卒業後の進路も視野に入れて受験校を考えましょう。系列大学がある学校や、他大学と提携を結んでいるところは、内部進学扱いで大学に入学できるところが多く、一般で受験するより、かなりその大学に入学しやすくなります。

また指定校推薦はどのような大学があるか、国公立大学を目指す場合はどのような教育計画が立てられているかなど、その学校の教育方針、理念、実績などよく調べて、受験校を考えましょう。

各学校、オープンキャンパスや説明会など開催していますので、子どもと一緒に参加してみるといいですね。

親も一緒に挑む覚悟で中学受験を決める

いづれにしても、中学受験をする場合は、小学校高学年になると塾の帰宅も遅くなり、休日も模試や特別授業があります塾の懇談会への参加、送迎やお弁当作りも必要です

子どもの栄養管理をはじめ、家庭でも宿題や勉強をする時、横についてあげたり、時には息抜きをさせてあげることも大切な親の役割です。

子どもの中学受験の合否は、親の支援が大きく影響してきます。親も一緒に目標に向かって伴走することも含めて考えましょう。

見極めるのは何年生がベスト?

大手塾では、中学受験に向けての特別なクラスを設けているのは、一般的に3年生からが多いです。既にその頃からはっきりと指針を決めているご家庭では、受験クラスに通わせておられるでしょう。

受験クラスの勉強は公立小学校の授業内容やスピードと異なりますので、5年生6年生から、受験クラスに入るのは家庭学習をしっかりしていれば可能ですが、困難なことが多いでしょう

どちらにしても、子どもの中学受験で、成功を収めているご家庭では、3年生くらいから準備をされていることが多いようです。

ただし、この時点でまだ、中学受験をする、しないの明確な答えを出す必要はないと思います。中学受験を視野に入れ、勉強に取り組み始めて、子どもの様子を見ながら、判断して行けばよいでしょう

それまでの1年生、2年生の夏休みなどは、自然に多く触れたり、日頃行けないような所に連れて行ってあげたり、思い切り楽しませてあげたいですね。また親も、身近な中学受験をした子のママ友から情報を収集しておくのもいいでしょう。

著者プロフィール
田宮 由美

公立幼稚園、小学校での勤務、幼児教室を7地域で展開、小児病棟への慰問、子どもの声を聴く電話相談など、多方面から多くの子どもに関わる。そのような中、子育てに熱心な
故に、その愛情が焦りとなり挫折、絶望感を抱いている親子が多いことに心を痛める。
「子どもの自立」「自己肯定感」「自己制御力」を柱とし、真に子どもの能力を開花させる子育て法を広める活動を2010年から始める。
現在、息子は大学病院で医師として、娘は母子支援の職場で相談員として勤務。実生活に落とし込んだ、親の心に寄り添う記事に定評がある。「難しいことを分かり易く、ストンと腑に落ちて行動に移せること」を理念とし、現在は執筆、講演、幼児教室を中心に幅広く活動中。
資格:小学校教諭・幼稚園教諭・保育士・日本交流分析協会 子育ち支援士
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(株)KADOKAWA

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