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福祉にセンスを! 発達障害児の放課後等デイサービス「アイムの放課後」とは?

福祉にセンスを! 発達障害児の放課後等デイサービス「アイムの放課後」とは?

全ての個性が「I am!」と胸をはって自己宣言できる世の中にしていきたいという思いを込めて命名された発達障害児の放課後デイサービス「アイム放課後」。代表の佐藤典雅さんは、自閉症の息子を持つ父でもあります。ヤフーのマーケターや東京ガールズコレクションのプロデューサーという華やかな経歴を持つ佐藤さんは、福祉業界未経験ながらも、「全ての個性にハッピーを」というテーマのもと放課後デイサービス施設を立ち上げました。

発達障害児の父であり、施設運営者でもある佐藤さんだから言える、今の福祉に対する思いや、これからの在り方について話をお聞きしました。

佐藤典雅さん
子ども時代の大半をアメリカで過ごし、グラフィックデザイナーからBSジャパン、ヤフー・ジャパン、東京ガールズコレクション、キットソンなどを経て、さまざまな企業のコンサルティングを行う。現在はアイム放課後の代表取締役として福祉の現状を伝えるべく、メディアにも多数出演中。著書に『療育なんかいらない!』(小学館)などがある。
アイム放課後http://imhappy.jp
自閉症がっちゃんブログhttp://blog.livedoor.jp/gacchan_blog/

福祉にセンスを! これがアイム流!

佐藤さんの息子の「がっちゃん」は、3歳の時に自閉症と診断されました。そこで、自閉症について全く知識のなかった佐藤さん一家は、最先端の療育(※障害のある子が、社会的に自立できるように取り組む治療と教育のこと)を行っているアメリカのロスアンゼルスに引っ越すことを決意します。がっちゃんは9年間にわたってLAの最先端の療育を受けたのでした。その後日本へ帰国。帰国後の佐藤さんを待ち受けていたのは、地味でかわいそうに見えてしまう日本の福祉施設でした。「通わせたい施設がないならば、自分の子を通わせたいと思う施設を自分で作ってしまおう!」というのがスタート地点。ヤフーのマーケターや東京ガールズコレクションのプロデューサーという華やかな経歴を持つ佐藤さんは、福祉業界未経験ながらも、「全ての個性にハッピーを」というテーマのもと放課後デイサービス施設「アイム放課後」を立ち上げました。

アイムにはどんな子、どんな保護者が来るの?

最近では、いわゆるグレーゾーンと呼ばれる子が増えています。普通学級で問題ありとみなされ、通級と呼ばれるクラスに通っている子どもたちです。

一般的に発達障害や自閉症と診断された場合、早いうちに療育を受ければ治ると思われています。そこで、小学校低学年までの保護者の方のほとんどが、一般的な療育を強く希望されます。アイムでは自分の子育ての経験からあえて療育を取り入れていません。またうちの変わった方針として、入所の時に面接で「親に同調しないこと」とスタッフに指示をだしています。そして「障害は、かわいそうではなくその子の特性、個性である」とお伝えしています。

グレーゾーンと呼ばれる高機能の子どもの場合、「療育を受けたら治るんじゃないか」という葛藤がいつまでも続いてしまうことが多いです。親の中にある理想像を求めてしまう。気持ちはとてもよくわかりますが、その子の特性に合わせてあげるのが大切なことだと考えています。

アイムでは、悩みに共感することよりも実際の課題を解決することにポイントを置いています。

スタッフの4割は生徒の保護者!? アイムの特徴は?

アイムの一番の特色としてあげられるのが、スタッフ。なんと、スタッフの4割は生徒の保護者です。どんな専門家よりも生徒たちのことを気にかけているのはやっぱり保護者。さらに保護者同士がお互いの子育ての状況を見たり、交流することによって、保護者も明るくなります。

アイムでは、ITを使ったプログラムを導入しています。ITは、コミュニケーションが苦手な子どもたちにとって、障害のギャップを埋めてくれるツール。アイムでは、ITを使って、子どもたちの好奇心を引き出し、後押しすることを行っています。楽しいと思えば、子どもたちは自ら学んでいきます。

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武蔵小杉にあるダヴィンチ放課後の教室。子どもたちが自由に使えるパソコンコーナーは、まるでオフィスのよう。

療育はいらない!経験者だからわかること

がっちゃんは、LAで最先端の療育を9年間受けてきました。その経験を踏まえてわかったことは「療育は、発達障害の子がふつうに適応させるための訓練」ということ。しかし無理やり社会の常識や枠組みに組み込ませようとすると、子どもにも親にも強いストレスがかかります。「ならば、周りがその子の個性や特性に合わせて行こう」というのが私の考えです。

したがって、アイムでは療育は行いません。アイムでは、子どもたちが自由な環境で自分自身を表現できて自然体でいられることをゴールにしています。楽しい日々の積み重ねが一番の療育と考えているからです。

発達障害の子を持つ保護者へのメッセージ

私は「振り切った子育て」が大切だと考えています。私は、海外生活が長いのですが、現在の日本のお母さんは、自分の育ってきた環境のせいもあって「全てを真ん中に入れたい、型に合わせたい」という傾向にあると思います。だから、この枠から外れてはいけないという先入観があります。既成概念に縛られていますね。

でも不得意な分野を治すよりも、得意な分野を伸ばしてあげることこそが近道。一つだけでも突出した能力があれば、他のデメリットをカバーできます。障害があっても、得意な分野を突き抜けて伸ばしていけばその道で生きていけるかもしれない。これが私の考える「振り切った子育て」です。だから大人は子どもの邪魔をするのではなく、きっかけを与える存在であることが大切です。

そして「障害は、子どもでなく親の頭の中に存在している」ということ。私自身も自閉症の息子を持っていますが、息子は自分に障害があるなんて思っていません。彼らにとって、それは障害ではなく、自然体なのです。それを勝手にかわいそうだと決めつけているのは大人の方です。つまり偏見がそう考える当事者にあるわけです。だから発達障害の子育てはまず親の意識改革から始まります。

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施設内は、佐藤さんが自ら集めた楽しいインテリアや仕掛けがいっぱい。

大人がワクワクする施設。アイムの個性豊かな施設たち

神奈川県に5か所の施設を展開するアイム。一番にこだわっているのは、「明るさ」です。日本の地味で暗い施設とは、全く異なり「まずは、大人自身がこの空間で長居したい」と感じるかどうかを大切にしています。大人がワクワクする空間ならば、子どももワクワクします。感性は、日々の環境の中で育まれます。アイムでは、明るさや色彩にこだわり、教室ごとにテーマの異なる空間を作っています。

また、自閉症である息子がっちゃんの成長に合わせて、事業を展開させています。アイムには、たくさんの中学生も通っているのですが、その生徒のために「ノーベル高等学院」を開校。

さらには、高校を卒業した後の人生設計としてグループホームもオープンし、就労支援にも力を入れています。

福祉にセンスを!全ての個性にハッピーを!アイムの生徒たちの未来に向かって、福祉の世界で新しい挑戦を続けていきます。

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子どもたちが大好きなゲームコーナーに滑り台、恐竜のオブジェまで!

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本格的なウォールクライミングコーナーもあります。

著者プロフィール

ファッションコンサルタント・ライター。ファッション業界で得たキャリアと専門知識を生かし独立。現在は、ファッション、ビューティー、子育てなどライフスタイルのコラム執筆、国内外ブランドPRコンサルタントを始め、メディアや企業スタイリスト、企業セミナー講師、PRモデルなどを行う。プライベートでは、ブラジル人の夫とインターナショナルスクールに通う娘の3人暮らし。主な取得資格として、学芸員資格、中学2種美術教育免許状、IOTAオーガニックセラピスト、JAAアロマコーディネーター、JAAアロマコーディネーターなどがある。http://karenstyle.jp/

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