子育てのコト

IQで子どもを選ぶ学校も? 幼児期のIQについて知っておきたいこと

IQで子どもを選ぶ学校も? 幼児期のIQについて知っておきたいこと

「わが子のIQってどれくらい?」親としてはちょっと気になる項目ですよね。そして「偏差値」も進学する学校を決める時などには、重要になってきます。

両方とも、能力や賢さを計る言葉のように感じますが、この2つはどのように違うのでしょうか。伸芽会の桑名高志先生にお話をお聞きしました。

さらに今、注目を浴びつつある心の知能指数「EQ」とは? 気になる「IQ」、「EQ」の違いについても詳しく解説します!

桑名高志先生
伸芽会教育研究所 理事 桑名高志先生
慶應義塾幼稚舎・早稲田実業学校初等部をはじめとする名門小学校へ多数のお子さまを送り込む。その実績と確かな指導力に絶大な信頼を得ている。伸芽’Sクラブの総責任者。

 

幼児期におけるIQとは?

精神年齢を生活年齢(実年齢)で割った数値×100=IQ(知能指数)は、集団における適正を見るために作られたもので、年齢別の平均値を基準としています。

第二次世界大戦中では、各兵士がどの部隊に適しているかを見極めるのにも使われていました。現在では主に発達の遅れや知的障害の有無があるかを知るためなどに使われています(厚生労働省の基準によると、50~70未満が軽度知的障害)。

また、日本で使われるIQテストには田中ビネー式、ウィクスラー式などさまざまなものがありますが、現在では「本当に知能を計ることができるのか、IQを算出する知能テストは、人間の能力の一部を計っているもの」という考え方が世界的にも広まっているようです。

よって特に、発達途中の幼児においては、IQはあくまで参考程度にしています。

IQで選ぶ小学校もあるって本当?

1990年代まではIQを試験に導入する学校がいくつかありましたが、今では、私の知る限り宝仙学園小学校の推薦入試のみかと思われます(あらかじめ指定の期間で知能検査を受けます)。

ここでもあくまで考査の一部として用いられているようです。

IQが高い子の特徴とは?

桑名先生の見解では、IQが高い=頭がいいというだけではなく、生活体験が豊かな子

たとえば「観察力が優れている」、「感じる心が豊かである」、「人の話を聴き、自分の言葉で表現できる」などの子がそうです。

伸芽会に通われているお子さんは平均して120くらいのIQがあるように思います。とはいえ、低いからといって決してその子が劣っているわけではありません。

特に幼児は、テストを受ける時の体調や集中力などで結果が左右されます。またIQ算出式の分母の生活年齢が大きくなると変わってくることも当然あります。

ですので、親御さんは数値に惑わされず一喜一憂しないようにしてください。

IQを伸ばすには「生活の中の適応力」を鍛えるべき

学校を選ぶ上でひとつの目安となる偏差値。ですが、偏差値は集団におけるその時点での結果を数値で表したもの。まして、IQは偏差値とは別ものです。

幼児の場合、テストの日の気分や体調が結果に影響を及ぼしますので、偏差値も変動します。さらに受ける集団によっても大きく違ってきますので、テストや偏差値が悪いという結果だけを見ずに、その過程やどうして間違えたかなどを分析することが大切です。

また、「コミュニケーション能力」、「失敗を通して考える力」、「工夫する能力」、「友達と仲良く遊ぶ協調性」、「諦めないで最後まで取り組む力」といった生活する上で必要な適応力をどれだけ鍛えられるか(豊かな体験をできるか)で、幼児期の能力は伸ばせます。

親はぜひ日々の生活を通して、IQで表されている知的能力や知能・知恵を伸ばす工夫をしてあげてください。

上記で桑名先生も述べられたように、IQ=偏差値ではなく、「IQ=同年齢集団の中での位置づけ」で、「偏差値=測定した集団の中での相対評価や位置づけ」です。

ですがそれらは、その子どもの人生を大きく左右するモノでないことを親は認識しておく必要があることが分かっていただけたかと思います。

次に、IQと同時に今注目されている「EQ」について少し説明したいと思います。

最近話題のEQってなに?

学生時代、成績が芳しくなかった子が、将来起業し成功したり、何かひとつの分野に秀でて一躍有名になり、充実した人生を送るというケースがありますね。

反対に偏差値の高い、有名大学を卒業しても、自分の思うように人生を歩む事ができず、挫折を感じている人も中にはいます。

この違いはどこにあるのでしょうか?

それは、知能や知識量の違いではなく、精神力や気持ちの違いからくるものなのです。そこでそれらを数値化するEQが最近注目されるようになっています。

心の知能を測定する指数EQ

EQという言葉は、あまり聞きなれない方もおられるかもしれませんが、Emotional Intelligence Quotientの略で、1975年、ハワード・ガードナーが「人には8種類の知性のタイプがある」と唱え、後にダニエル・ゴールマンが「心の知能」を測定する指数として世間に広め、有名になった言葉です。

比較的新しく出来た概念ですので正確な定義は確定していませんが、日本では「心の知能指数」と言われています。

EQの分析は決して単一の要因で決められるものではなく、自己をセルフコントロールできる能力や、対人関係を円滑にできるソーシャルスキル、状況判断やいわゆる空気を読める能力などを総合的に判断して決められるものです。

人生において成功する人はIQでなくEQが高い人!

人生において成功を成し遂げる人はIQが高い人でなく、EQが高い人だと言えるでしょう。

なぜなら、IQが高くても、それらの知識を実生活の中で活用していくには、EQで測られる能力が必要とされる場面は非常に多いからです。

また、EQが高ければ、偏差値やIQも高めることができます。

たとえば、目標の学校に入学するため、多くの時間を勉強に費やすことは、辛いことを耐え、我慢する力が必要です。セルフコントロールし、目標に向かって努力できるのは、EQの高い子どもと言えるでしょう。

コミュニケーション能力、運動能力、リズム感、言語能力、空間認知能力、博物学的知識、理論的知識、内省的能力、これらの能力の土台はほぼ幼児期に形成されていきます。

親子の会話、屋外で遊ぶ、音楽に合わせて体を動かす、粘土で造形する、物の名前を覚える、数える、順番を待つこと、我慢すること、お友達と仲良く遊ぶことなど、全てが子どものEQを高めることに役立っているのです。

ですので幼児期、特にシングルエイジまでが、子どもの一生を決める大きなカギを握っていると言えるでしょう。

大切な幼児期をIQや偏差値という言葉に惑わされず、子どもの心の健やかな成長に目を向け、EQを育んであげたいものですね。

著者プロフィール
田宮 由美

  「順調に育っている子どもが、思春期になって心が折れ、引きこもりになってしまった。」という母親からの痛切な相談をきっかけに、それまでの教育現場での勤めを辞め、「子育てにおいて最も大切な事」を広める活動を始める。
幼児教室の指導者、公立・小・中学校でのさまざまな立場からの勤務を経て、2010年に独立。PHP出版「のびのび子育て」や奈良新聞社「小学生新聞」などに多数の執筆、幼稚園や教育委員会後援の講演会で講師を務めるなど現在は執筆、講演を中心に活動を行っている。 

著書に「子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方」(株)KADOKAWA出版。 
長男は現役で国公立医学部入学。  携わった仕事と自らの子育てをもとに行うアドバイスが、親と子の気持ちに寄り添い、実生活に落とし込んでいることで定評がある。

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