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海外駐在ママたちのホントのところが知りたい!【後編】駐在ママならではの、現地での苦労とホンネ

海外駐在ママたちのホントのところが知りたい!【後編】駐在ママならではの、現地での苦労とホンネ

現地に行ってみて驚いたこと、日本に帰りたい瞬間、夫婦で乗り越えるべき壁…。

後編ではシンガポール、バンコク、ブラジル3人の駐在ママに、現地での苦労話や帰国後に大変だったことについてお話をお聞きしました。

▼前編はこちら
海外駐在ママたちのホントのところが知りたい!【前編】駐在前に準備しておきたい2つのコト

日経DUAL記事

実際に行ってみて驚いたことは?

(1)衛生面の悪さ

Iさん
「サンパウロは見た目は都会なんですが、衛生面は日本の50年前。トイレで使用済みのトイレットペーパーを流せないのが本当に苦痛です(泣)」

Kさん
「バンコクでは衛生上水道水が飲めないので、野菜やお米を洗うのも無理。デリバリーのウォーターサーバーを利用していました。
あとは害虫が多いので一時帰国の際に殺虫剤関連は調達していきました。」

(2)ホームパーティ文化が盛ん!

Iさん
「ブラジルは子どものお誕生会がとにかく盛大!家の中にテーマパークを作る勢いです。日本では味わえないスケールですが、次は自分の番かと思うと準備する方は大変です…。」

Sさん
「シンガポールのお誕生日会では、主役の子の親がクラスメイトにプレゼントを渡すということに驚きました。わが子の誕生日を祝ってくれてありがとうという意味をこめて、主役がケーキ、プレゼントなどをすべて用意して幼稚園へ親が持っていき、お祝いをしてもらっていました。」

(3)旦那さん不在がほとんどという場合も!

Sさん
「主人の出張が多く、ほとんど家にいませんでした。海外なので身内も周りにいない中、似た境遇の駐在ママ友たちに支えてもらい、お互い助け合いながら子育てをしてきたように思います。
周りの家庭も週末は付き合いでゴルフ、日本からの出張者のアテンドなどで忙しく、奥さんの負担は大きかったと思います。」

ホームシックを感じるのはどんなとき?

日韓関係が悪化したとき

Sさん
「日本との関係が悪化したとき(竹島の所有権の問題など)、公園で遊んでいたら韓国人の子供たちに「日本へ帰れ!」と石を投げられたことも。小さな子どもと一緒だったので、身の危険も感じ、悲しくなって帰りたいと泣いていました。」

身内になにかあったとき

Sさん
「父の具合が悪くなり、入院することになってもお見舞いもできず申し訳なく思ったり、祖母が亡くなり最期の時に間に合わないなど、すぐに駆けつけられないときに帰りたくなりました。」

治安の悪さを痛感したとき

Iさん
「公園に連れていくにもセキュリティ完備の公園を選んだり、幼稚園や買い物などの外出は常にドライバー付きの防弾車で送迎。やっぱり気軽に出歩けないのはストレスを感じます」

帰国後に苦労したことは?

Sさん
外国語の維持はとても難しいです。現地では聞き取れていた英語もすっかり忘れてしまいました。また、耳にする日本語がNHKのテレビや学校の友人、家族、と限られていたため、日本の子が当たり前のように知っている言葉が分からずはじめは苦労していました。」

Iさん
「まだ駐在中ですが、授業中でも寝転がって勉強したり、椅子の上であぐらをかいたりといろんな意味で自由。あとは食事のマナーも日本の子と比べて豪快。
さらに日本語を話す機会が減っているので日本語力には苦労しています。帰国してから大変だろうなと……。」

Kさん
自分の再就職。正社員でしたが休職という形にはできなかったので、キャリアを捨ててゼロから探さないといけないのが大変です。」

駐在ママの会ってあるの?

Iさん
「主人の会社の奥様たちの会は定期的に開催されます。ランチをして、世間話や情報交換をしたりしています。日本のママ会と変わらない印象ですね。」

Kさん
「バンコクではありました。会社の車を奥さんだけで回して使っていたので、そのシフトを決めるための集まりでもあったので。仲もよくゴルフに行ったりもしていました。」

夫婦関係は日本にいるときと変わるもの?

Sさん
「主人が出張などで不在のことが多く、日本にいる時よりも自分でなんでも解決しないとならない場面が多かったと思います(家の修理や不動産屋との交渉、学校のことなど)。ある程度は割り切ることも必要です!」

Kさん
ある意味サバイバルのようなものなので夫婦の絆が強まったのかなと。特に治安のあまりよくないバンコク在住の際には(テロなどもあり)、お互い安否を気遣う思いやりが自然にあったように思います。」

これから駐在予定のママにアドバイスを!

Iさん
「駐在1年が過ぎ、ようやく現地の生活に慣れてきたところです。とにかく不安でいっぱいでしたが、ブラジルの人たちが子どもたちや言葉が分からない私にも優しく接してくれたおかげでなんとか乗り越えてこれました。
人の温かさをここまで感じられたのは海外生活ならではと実感しています。」

Sさん
滞在する国の文化、歴史に興味をもって理解を深めて欲しいと思います。日本での生活と比べて不自由な面も確かにありますが、日本ではできない貴重な経験もたくさんできます。
悪いことばかりに目を向けるのではなく、その国を好きになり、限られた期間を充実したものにしてほしいなと思います。」

Kさん
「海外での生活は、その国のよさを知ると同時に日本のよさを知ることもできます。なかなかできない貴重な経験になると思いますので、行かれるからにはその国の文化や生活に触れて存分に楽しんできてください。
ただ、日本と同じような感覚でいくとショックを受ける面もありますのでそのあたりはある程度、心積もりをされて行かれる方がいいかと思います。」

【番外編】現地の様子を大公開!

最後に、3人の駐在ママの写真から現地の様子をレポート。海外ならではの文化や風習を少しだけ感じてみてください!

(1)fromタイ(バンコク)

アフタヌーンティ

伝統的なタイのお菓子を使ったアフタヌーンティ「エラワン・ティールーム」。セラドン焼のお皿も有名です。

ジンボリー

タイでは日中暑くて子ども達は外で遊ぶことはあまりなく“GYMBOREE”という屋内プレイグランドとリトミックを組み合わせた教室に通っていました。

(2)from シンガポール

2012愛実誕生日会 013

ローカル幼稚園で娘のお誕生会。主役のママがケーキとプレゼントを用意しました。

2013リトルインディア 040

リトルインディアの寺院。街のいたるところに観光スポットがあります。

(3)fromサンパウロ(ブラジル)

IMG_0656

とあるビルから街の様子。街中では携帯を持っているだけで強盗に狙われるため、携帯は出せません…。

IMG_0655

サンパウロの安全な公園。無料ですが、警察が等間隔に常駐しています(私服警官含む)。

 

いかがでしたか? 駐在ママってかっこいい!と安易に思っていた自分を反省。安全や衛生、教育など日本では当たり前のものが揃っていない状況での子育て…ちょっと想像がつきません。

でも皆さん帰国後も交流のある家族ぐるみのお付き合いがあったり、子どもにとっても貴重ないい経験だったとおっしゃっていたのが印象的でした。

著者プロフィール

ライター・エディター。出版社にて女性誌の編集を経て、現在はフリーランスで女性誌やライフスタイル誌、ママ向けのweb媒体などで執筆やディレクションを手がけている。1児の母。2015年に保育士資格取得。

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