子育てのコト

うちの子がお友だちを叩いた!親としてどうすべき?

うちの子がお友だちを叩いた!親としてどうすべき?

2~3歳頃に多くみられる、お友だちをぶった、ぶたれた問題。とくに、新入園、新学年の4月は、環境の変化から子どもの心が一時的に不安定になり、子ども同士のもめごとも増えることがあります。

ここでは、子どもが叩く理由から、わが子が他の子を叩いてしまったときの対処法まで、心理学的な視点からお伝えしていきます。

思わず手が出てしまう2つの理由

大人はやみくもに相手を叩いたりはしないものです。一方、子どもは年齢が小さいときほど、手が出やすい傾向があります。

大きくなるにつれ、自分の中の欲求を我慢したり、代案で乗り切ったり、言葉で説明して納得してもらったりと、さまざまな方法で目の前の問題を解決することができるようになってきますが、小さいうちは経験則が少ないために、より原始的な方法に頼ることになります。

ということで、手が出てしまうのは年齢的な要因が1つです。年齢といっても、〇歳以上になったら叩かなくなる、というものではありません。DV(ドメスティックバイオレンス)などでも分かりますが、大人であってもすぐに手が出てしまう人はいます。

ここでいう年齢とは身体年齢のことではなく、どれくらい精神的に成熟しているかということです。

しかし、手の出方が「まだ小さいから」で説明がつかないほどひどい場合、その子にとっては、叩くことが防御以上の存在になっていることがあります。それまでの経験で、叩くと自分が有利になることを知っているケースです。

たとえば、
・ お友だちが持っているおもちゃがほしい
・ すべり台を待たずに乗りたい
・ 仲間に入れてほしい

という思いや欲求があるとき、

その解決法として、相手を叩いたり、押したりしたら、
・ おもちゃが手に入った
・ 順番が回ってきた
・ 仲間に入れてくれた

となると、「これはいい作戦だ!」と捉え、困ったときには叩けばいいと学んでいってしまうことになります。もし、すぐに手が出て困っているという場合は、こちらのケースも疑ってみる必要があります。

ということで、叩いてしまう理由は、
・年齢的に、それ以外の問題解決法を知らないから
・それまでの経験で叩くと効果があるとインプットされてしまっているから

でした。

叩く現場を目撃、そんなとき親はどうすべき?

では、小さな子が多く集まる公園で、もし叩いた・叩かれたの問題が発生したら、どうしたらいいでしょうか?

今の段階では、そのようなトラブルに巻き込まれていないご家庭も、いざというときの備えとして、親はその場でどうリアクションするべきかを頭に入れておきましょう。

子ども同士のトラブルの場で、大人がよく言うのが、
「〇〇ちゃんの気持ちになってごらん」
「~~したら、イタイ、イタイだよ」

という言葉です。

しかし、心理学的に見ると、これは2歳の子には届きにくいと言えます。相手の気持ちになって考えるというのは、非常に高度なスキルだからです。

心理学の実験でも、客観性が身についてくるのは、小学校に入ってからというデータもあり、2~3歳の小さな子に、「〇〇ちゃんの気持ちになってごらん」では、残念ながら、伝わりにくいのです。

だからと言って、「目には目を」のような対応も逆効果です。つまり、友だちを叩くわが子を、ママが叩いて制止する、というやり方です。

「目には目を」でその子が学ぶのは、「困ったら、ママのように叩けばいい」ということ。叩いたら、痛い目に遭わせて学ばせるという対処法は、悪循環を生むだけなのでNGです。

子どもが理解できないような説得をするのもダメ、力で圧するのもダメ。では、もし叩いてしまったらどうすべきでしょうか?

親がその場でできるのは、
・ 叩くのはダメだとしっかり伝えること
・ 相手の子と親にきちんと謝ること
・ 次は同じ状況になったときに叩かないと約束すること

と非常にシンプルです。

残念ながら、叩いてしまった以上、その場でできることは多くはありません。大事なのはその後の対応です。起きてしまったことをナシにすることはできないので、次に繰り返さないように何ができるかに目を向けていくことが大事です。

できる対策は現場以外にある

心理学に、“Fight-or-Flight response”という言葉があります。日本語では、“闘争・逃走反応(とうそう・とうそうはんのう)”と言います。

問題に直面したとき、戦うか、逃げるか、言ってしまえば、人間の本能的な防御システムのようなもので、今回のテーマ「叩く」は、前者の闘争の方です。しかし、社会で上手くやっていくには、戦ってばかりはいられません。少しずつ洗練された解決法を身につけていく必要があります。

心理学で有効とされるのが、ロールプレイングです。その子は叩いて問題を解決している状態なので、それ以外の解決法もあるんだよということを、ロールプレイにして学んでいきます。

たとえば、おもちゃの貸し借りのときに手が出がちな子には、家の中での遊びタイムに、「貸し借りごっこ」と称して、そのやりとりを練習します。その際、お人形やぬいぐるみなどを使うのもおすすめです。お人形ごっこの中で、公園に遊びに行くという設定にし、

「〇〇貸して~」
「どうぞ」
「ありがとう」
「〇〇ちゃん、やさしいね」

とその子が「あ、貸してあげるっていい気分♪」と思える展開を、ママが上手く混ぜ込みます。そして、次に公園に行ったとき、少しでも上手くできたらほめる、さらに上手くいったらまたほめる、と「ほめ」をフルに使い、実践の場での問題解決力を上げていきます

担任の先生とどう関わるかも重要!

また、子ども間のもめごとは、保育園などのママがいないところで起こることもあるでしょう。その場合、相手のママや園とトラブルにならないためにも、話を受けたら、しっかりと対応していきましょう。

自分の子の話と相手のお子さんの話を聞くと、矛盾していることはよくあることなので、ここは担任の先生に間に入ってもらうのがベストです。

2歳に進級した春頃、保育園で同じ子に噛まれることが続いて(首や腕に歯型がくっきりと!)、園の対応にちょっとイラッとしたことがありました。先生からは「まだ言葉が出ないのでねー」で終わり。

「なんで謝ってこないんだ!」と正直イライラしましたが、後で知ったのですが、噛んだ側の親には伝えていなかったんです(5歳女の子のママ)。

このように、叩いた子の親は、わが子がやったことを知らない場合もあり、そうすると被害を受けた方だけ、モヤモヤした気持ちが強くなってしまします。

子ども同士の活動ではお互い様なことが多いものの、もし叩かれるなどの状況が続く場合には、遠慮せずに先生に相談し、親を交えた話し合いの場を持つといいでしょう。

また先生にも、現場では「〇〇ちゃんの気持ちになってごらん」という対応ではなく、親代わりにしっかりと注意してもらえるようお願いしておくと、子どもの方も家庭と一貫性のある対応で学びやすくなります。先生にもある程度、家庭での教育方針を伝えておけると理想的です。

著者プロフィール

ポジティブ育児研究所 代表 & 育児相談室「ポジカフェ」主宰。
イギリス・レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会(NIP)認定心理士。現在は、ポジティブ育児研究所でのママ向けの検定事業、育児相談室でのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動などを通じ、子育て心理学でママをサポートする活動をしている。著書に「子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣」など。HP:http://megumi-sato.com/

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