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「親子留学」に熱い視線!世界中の生徒たちが集まる「教育ハブ」を目指すマレーシアの選べる教育

「親子留学」に熱い視線!世界中の生徒たちが集まる「教育ハブ」を目指すマレーシアの選べる教育

近年、留学先として注目されるようになったマレーシア。特に「親子留学」、「母子留学」などのキーワードで、幼稚園や小学生など低年齢の子どもの教育環境として話題に上がることが多いようです。

一昔前まで留学といえば大学生、早くても高校生の単独留学でしたが、海外が身近になり始めた世代が親になり、子どもと一緒に留学、海外移住という選択肢が珍しくない時代になったと言えます。

マレーシアに熱い視線が注がれるまず一番の理由は、欧米よりも低コストで高水準の英語教育を選べること。また多民族国家ならではの多様性、日本からのアクセスや治安、生活環境など、総合的なバランスの良さで人気を高めています。

今回は、バイリンガル教育への関心が高い親たちが注目するマレーシアについて紹介します。

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経済成長戦略の後押しで増加する、マレーシアのインターナショナルスクール

メディアの影響もあって、マレーシアといえば英語のイメージを持つ方も多いですが、公用語はマレー語です。

マレー系(約67%)、中国系(約25%)、インド系(約7%)を主要民族とする多民族国家で、公立小学校はマレー語、中国語、タミル語をそれぞれ教授言語とする主に3タイプの小学校から選ぶことができます。そう、英語ではなく、少なくとも初等教育段階では各民族が母語で教育を受ける環境が守られているのです。

イギリス植民地時代の流れで、かつては英語の公立小学校がありましたが、現在はありません。小学6年生で行われる試験の結果で進学先が決まるなど、順位づけされることが当たり前の詰め込み式で、低学年からの塾通いも珍しくはありません。

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マレー系の学校

こうした教育制度への疑問、根強く残るマレー系優遇制度へ不満、英語重視の教育方針などから、特に中国系、インド系の教育熱心な富裕層の間でインターナショナルスクール志向が高まっています

経済成長戦略の1つとして「教育ハブ」を掲げる政策の後押しもあって、2000年には26校だったインターナショナルスクールは、2010年以降急増し、現在170校に達しています

3歳から始める国際バカロレアプログラムも!幼児期から高校までつながる一貫教育

インターナショナルスクールと一口にいっても、その教育内容、規模、費用などは実に多種多様です。

カリキュラムだけみても、イギリス式(ケンブリッジ式)、アメリカ式、国際バカロレアからオーストラリアやシンガポール式までバラエティに富み、多くは中高一貫どころか、幼稚園からの学校も多いので、学生時代のほとんどを委ねるといっても過言ではありません。

たとえば、クアラルンプール郊外に2014年に開校したIGBインターナショナルスクール(以下IGBIS)。現在2歳から18歳まで、37もの国籍をもつ生徒たちが集まっています。

IGBISの特色はなんといっても国際バカロレアが認定したIBワールドスクールであること。日本では大学入試の話題と相まって高校生向けのディプロマ・プログラム(DP)が注目されることが多いですが、国際バカロレアのカリキュラムは3歳から12歳向けのプライマリー・イヤー・プログラム(PYP)からキャリア関連プログラム(CP)まであり、IGBISはこの全プログラムをそろえた希少な学校です。

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教科融合型のアプローチで、子どもたちが主体的に学ぶ、IGBISのPYP

イギリス伝統校からアジア式まで 世界の教育が集結する近未来像

首都クアラルンプールに負けず劣らず、インターナショナルスクールの開校で国内外の注目を集めるのが、シンガポールの目と鼻の先にある、マレーシア半島最南端のジョホールバル

20年間をかけて国家主導で大都市を開発する経済開発戦略プロジェクト「イスカンダル計画」が目下進行中で、世界中の教育機関が誘致されています。

以前SHINGA FARMでもご紹介した英国のキャサリン妃の母校として有名な伝統校Marlborough College(マルボロ・カレッジ)のマレーシア分校や、アメリカ式のRaffles American School(ラッフルズ・アメリカン・スクール)、シンガポール式とオーストラリア式をベースに独自のプログラムを提供するUniWorld International School(ユ二ワールド・インターナショナルスクール)など、学校数は昨年時点で既に10校を優に超え、シンガポールから毎朝通う生徒もいるというのですから驚きです。

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マレーシア初のiPSLE(シンガポールの初等教育終了試験PSLEの国際版)実施校として話題のUniWorld International School。英語、中国語、算数、理科はシンガポール式、音楽や体育、芸術などはオーストラリア式を参考にしたカリキュラムが組まれている。セカンダリーの13歳からは英国式に。

グローバル化の波は教育にも及び、国籍や母語にとらわれない教育の選択も可能になりました。一方で、多民族国家マレーシアが公教育において母語を今なお必死に守っているのは、母語が危ぶまれる経験のない日本人にとっては、示唆に富む興味深い事実です。

多様な教育の選択肢がある時代だからこそ、各家庭のぶれない教育方針が問われているとも言えるかもしれません。

▼関連記事
英国の名門校「エプソムカレッジ」のマレーシア校で学ぶ「スーパーグローバル教育」

参考
外務省「マレーシア基礎データ」
Emerging Strategy「MALAYSIA GOVERNMENT POLICY DRIVING RAPID GROWTH OF PRIVATE AND INTERNATIONAL SCHOOL ENROLLMENT」
malaymail online「Malaysia has most students in English-medium international schools in region」
IGB International School
MARLBOROUGH COLLEGE MALAYSIA
Raffles American School
JOHOR NOW「14 International Schools in Johor Bahru」

著者プロフィール

世界32カ国に在住の150名以上のリサーチャー・ライターのネットワークをもち(2016年11月時点)、企業の海外での市場調査やプロモーションをサポートしている。

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