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元Google社員が創った今話題の学校「Alt School」【前編】ビッグデータ分析でパーソナライズ教育へ、未来の教育の形とは

元Google社員が創った今話題の学校「Alt School」【前編】ビッグデータ分析でパーソナライズ教育へ、未来の教育の形とは

みなさん、「仕事ができる人」と聞くとどんな人を想像しますか?その人は単に与えられた仕事をそつなつこなすのではなく、会社やクライアントが持つ問題点を自ら発見し、解決策や提案をしていませんか?

インターネットで検索すれば大体の答えがワンクリックで出てしまういまの世の中。何が問題なのかを自分の視点で見極めることができ、検証しながら解決策を導く姿勢が必要とされています。

そんないまの社会のニーズにあったスキルを育てる「Alt School(アルトスクール)」。その教育方法が全米で話題になっています。

ニューヨークタイムズ紙によると、2015年にニューヨークでブルックリン校がオープンした際、定員30名になんと1,200名の応募者が殺到したほどの難関校。なぜここまで支持されるのか?その人気の秘密に迫ります。

Alt Schoolとは?

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同校はGoogleでパーソナリゼーション部門を統括していたMax Ventilla氏が創立した私立校です。

同氏は子どもが生まれたあとプリスクールを探している際に、自分が何十年前に通っていた学校とほとんど変わらず、教育が時代の変化に追いついていないことを痛感しました。これがきっかけとなり、2013年にカリフォルニア州サンフランシスコでAlt School第1校を開校。

当時19人の生徒から始めた同校は、Facebook創始者のMark Zuckerberg氏 やGoogleから融資を受け、この3年間でサンフランシスコ、パオアルト、ニューヨークシティの9校に拡大しました。

Googleでの経験と最新テクノロジーを教育現場に導入したモデルは、さまざまなメディアからも新しい形の教育方法として注目されています。他校と違うその大きな特徴とは?

特徴1:子どもの興味や理解度に合わせたパーソナライズ教育

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Alt Schoolではカリキュラムが一切なく、先生は生徒たちのようすを注意深く観察しながら興味のある分野を見つけ出し、それをベースに学習を深めていくという方法をとっています。生徒一人ひとりが学習課題を見つけ出し、リサーチをし、それをクラス内で発表するというサイクルを通じて学びを深めていく「プロジェクトラーニング」が特徴です。

それではこの「パーソナライズ教育」をさまざまなレベルの生徒がいるグループのなかでどのように展開させるのでしょうか?

Alt Schoolが開発したシステムのなかに「Playlist」という先生が各生徒に作るTo-Doリストのアプリがあります。各自のPlaylistのなかには、各自のレベルに合った課題が一覧でき、提出することができます。また先生とのコミュニケーションもこのツールからやりとりが可能です。

元Google社員が創設した学校というと、コンピューターばかりやっているイメージが先行しがちですが、それは大間違い。実際にはコンピューターを使う箇所は全体の20%程度とオフラインでの体験学習を最も重要視しています。

特徴2:学校で起こるすべてのことをデータ化し、分析・活用

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同校では生徒のプロフィールから学校で起こる全てのことをデータとして収集し、日々専門家が分析しています。人権の自由を主張するアメリカでは珍しく、教室の様子は24時間ビデオ録画されているのです。

顔認識ソフトを導入しているため、生徒の反応などを把握することで、日々の指導方法の改善に役立つよう検証と施策を繰り返しているのです。

特徴3:街全体を学校と考えるシェアエコノミー思想

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同校舎はクラスルームのみの至ってシンプルな造り。体育館やカフェテリア、校庭もありません。Alt Schoolでは街全体が学びの場になるという考えのもと、体育は近くの公園で行われたり、近くの美術館や博物館などへの遠足が週1回あります。

あるものは自分で作らず上手く利用することで、無駄なコストを削減し、最大限の学びを子どもたちに提供できるのです。

2017年にはシカゴに1校、ニューヨークにもミドルスクール(中学校)が新しく開校され、どんどん進化を遂げるAlt School。学校と保護者の連絡や子どものクラスのようすを報告するアプリなど、保護者へのコミュニケーションツールも充実しています。

日本の学校とは全く違う新しい形の教育方法。何かヒントになるものがあるのではないでしょうか?

▼後編はこちら
元Google社員が創った今話題の学校「Alt School」【後編】実際の教育スタイルや雰囲気を潜入レポート!

参考リンク:
Alt School
The New York Times/The Bold Idea Behind a Small Brooklyn School

著者プロフィール

世界32カ国に在住の150名以上のリサーチャー・ライターのネットワークをもち(2016年11月時点)、企業の海外での市場調査やプロモーションをサポートしている。

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