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【海外の幼児教育事情②】イギリスの「プレップスクール」って何?

【海外の幼児教育事情②】イギリスの「プレップスクール」って何?

日本でも幼少教育に重きが置かれている昨今ですが、他の先進国でも同じような動きが見られます。
今日は、その中でもイギリスの幼少教育とそのカギを握るプレップスクールについてお伝えしていきます。

日経DUAL記事

イギリスの名門進学校、パブリックスクールとは?

英語の“Public”には「大衆の、公衆の」という意味があるので、「パブリックスクール」というと、公立の学校というイメージがあるかもしれません。たしかにアメリカでは、パブリックスクール=公立校、プライベートスクール=私立校です。しかしイギリスでは、「パブリックスクール」というと私立校の中でもトップの10%を構成するエリート校を指します。
これまでに「キングススクール」や「イートン校」という名称を聞いたことはありませんか? キングススクールは映画「ハリー・ポッター」の舞台でありイートン校はイギリス王室のウィリアム王子、ヘンリー王子の母校、どちらも名門パブリックスクールです。

パブリックスクールに入るための準備をプレップスクールで

これらのパブリックスクールには13~18歳からの子どもたちが在籍していますが、前述のとおり、ここは私立のトップ校。だれもが、相当の準備期間を経て、入学するのだそうです。その準備校となるのが、プレパラトリ・スクールです。通称“プレップ・スクール”と呼ばれていて、8歳~13歳までの子どもたちがパブリックスクールに進学するための教育を受けています。プレップスクールの特徴として、美しい英語とされる“クイーンズイングリッシュ”の強化はもちろんのこと、外国語(フランス語、ラテン語)、芸術、スポーツなどの幅広い経験と、マナー教育にも力が入れられているそうです。イギリスの紳士、淑女は、このような環境で心身ともに磨かれていくのですね。

また、最近の傾向として、

  • 全寮制か、通学制か
  • 男女別か、共学か
  • 特化した分野があるか(音楽、芸術、科学など)

など、プレップスクールごとの特色も出てきて、我が子に適した学校を親が選んでいくのだそうです。

日本の上を行く!? イギリスのお受験事情

しかし、パブリックスクール入学の準備は8歳に始まるわけではなく、プレップスクールに入るための準備校も存在します。それが、プレ・プレップスクール(3歳前後~)で、プレップスクールに付属しているところが多いそうです。パブリックスクールのためのプレップスクール、プレップスクールのためのプレ・プレップスクール。この長い道のりは、日本のお受験と重なりますね。さらに、超名門パブリックスクールに入るためには出生と同時に入学希望者リストに登録することもあるのだそうですから、イギリスの幼少教育は日本以上に前倒しされているのかもしれません。

私は、これまでフランスとオランダで子育てを経験してきましたが、我が子のために奔走する親の姿は、万国共通だと感じています。学校が終わったら急いで習い事へ、そしてよりよい学校へ、と早いうちからの幼少教育が世界的な傾向であることは間違いなさそうです。

著者プロフィール

育児相談室「ポジカフェ」主宰&ポジ育ラボ代表
イギリス・レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会(NIP)認定心理士。ポジ育ラボでのママ向け講座、育児相談室でのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動などを通じ、子育て心理学でママをサポート。2020年11月に、ママが自分の心のケアを学べる場「ポジ育クラブ」をスタート。著書に「子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣」など。HP:megumi-sato.com

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