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一生の足の基礎は6歳で決まる!幼児期の「足育」のすすめ!

一生の足の基礎は6歳で決まる!幼児期の「足育」のすすめ!

最近の子どもたちの運動能力の低下やしっかりと「立てない子」が多い理由のひとつに、足が正しく育っていなかったり、靴があっていなかったりすることがあるそう。

「小学生の70%が足のトラブルを抱えている!」という驚きの研究結果も(足育-日本学校体育研究連合会調べ)。そこで、今まで5000人を超える子どもの足を計測してきた「足育Lab Ta・Ta・Ta」代表の玉島麻理さんにお話を伺いました。

玉島麻理さん(「足育Lab Ta・Ta・Ta」代表)
息子の足の変形をきっかけに、足育について勉強しフットケアセラピスト&リンパケアのインストラクターを取得し、奈良県で「足育Lab Ta・Ta・Ta」を設立。2013年にはNPO法人日本足育プロジェクト協会を設立。全国に足育アドバイザー® を養成している。足育講座を各地で行うほか動画で相談できる「足育WEB講座」も人気。2019年2月11日にはあべのハルカスで「かけっこ教室」も開催予定!http://ashiiku-lab-tatata.jp/

日経DUAL記事

なぜ今、子どもの「足育」が必要なのか

昔に比べて圧倒的に外遊びをする機会が減った今の子どもたちの足は、きちんと発達できていないことが多いです。少し歩くと「疲れた」と言う子、そもそも外遊びが好きでない子には、「足育」が足りていない可能性が高いです

また、正しく立てない、踏ん張れない子は集中力が切れてしまうので、学力に影響も出てくるかもしれません。

乳幼児期の歩数が少ない子やハイハイが足りないと「扁平足」や「かかとの外反」になることも…。

私自身、息子が小学生の頃に足が変形していることにすぐに気づけなかったことが、足育を学ぶきっかけでした。「すぐに大きくなるから安い靴でいいか」「この前買ったばかりなんだから、きついわけないでしょう」…。ママたちは案外、わが子の足のことを知らないものです。

幼児のうちに正しい足育を行えば、自然と「動きたくなる身体」が作れます。足は使わなと育たないのです!

ちなみに、この子は外反偏平足と言われる状態です。

一生の足の基礎は6歳で決まる!

子どもの足は6歳までに約8割が完成すると言われており、それまではまだ骨が柔らかく成長途中です。そのため自分で「靴がきつい」と言う感覚がよく分からずに履き続けてしまう子もいます。

3歳までの子は1年で約2cm、3歳以降は1年で約1cm足が伸びると言われています。春夏の成長期では、2週間で7mm伸びた子がいました。ですから、月に1度は親御さんが、お子さんの足のサイズをチェックする習慣をつけてください。

中敷を外してかかとを合わせて、つま先に1cmほど余裕があるのがベストです。

足でわかる子どものSOSをチェック!

赤ちゃんの足(かかとから下)は触ると柔らかくふわふわとしていますよね。その後、外遊びをたくさんして、きちんと足が育ってくると、ごつごつとした硬い足になってきます。

もし、お子さんの足を触って年長さんになってもまだ“ふわふわとしている”ようだと足育が足りない可能性があります。

次にチェックしてほしいのが、「裸足で立ったときに、足の指が全部ベタっと床についているか」。小指が浮いてしまっていると「浮き指」という状態です。

6歳までは成長過程、まだ足育は十分に間に合いますので、積極的に外遊びをしたり、家では裸足で過ごすよう心がけてみてください。

こちらは、しっかりと指が床についた良い状態。

0歳の足育が最も重要!

親御さんの中には「早く歩ける方がいい」と思っていらっしゃる方もいますが、これは足育の観点からすると間違いです。

0歳時期の発達段階である「ずりバイ」や「ハイハイ」、「高バイ」を十分にしてこないと、足が育ちません。中でもお尻を上げた四つん這いの状態の「高バイ」はとても大事な全身運動です。

最近の子はこれらをあまりせずにつかまり立ちをして歩き出してしまう子が多いようですが、遊びながらぜひ「高バイ」をさせてあげてください。

その際も、靴下を履いているとできないことが多いですから、0歳ベビーも家の中ではできるだけ裸足で過ごすことがポイントです。

サンダル、ブーツの長時間履きは危険!

とはいえ、年長さんや小学生にもなると、女の子はお洒落がしたいお年頃。サンダルやブーツを履きたがりますよね。「足育のためによくないからダメ」と言ってもなかなか理解するのは難しいでしょう。

そこでおすすめしたいのが、時間を決めて短時間だけ履くこと。長くお出かけする場合はスニーカーも持っていき、「1時間程度だけ履く」のがベターです。

冬によく見かけるムートンブーツや長靴も、靴の中で足が滑ってしまい足の指が踏ん張れない状態なので、あまりよくありません。長時間履くのはなるべく避けましょう。

小学生は「上履き」にこそお金をかけるべき

どんどん成長する子どもの足。「上履きなんて一番安いので十分」という親御さんも多いでしょう。

でもよく考えてみてください。朝から午後までを学校で過ごす小学生は、登下校の靴よりも圧倒的に、上履きを履いている時間の方が長いんです!

ですから、上履きにこそお金をかけて欲しいと私は思います。選ぶポイントとしては、かかとに芯が入っていて、マジックテープがあり、靴底も厚みがあり衝撃を吸収できるもの

すぐにサイズアウトしてしまうのでもったいない気持ちはよくわかりますが、上履きの見直しが足育への近道です。足の発達が完成する小学生以降で足の変形が出てしまうと、治療が必要だったり、その後一生付き合っていかなければいけない問題になりかねません。

ちなみに、日本足育プロジェクト協会が推奨する「正しい子どもの靴の選び方」は以下の通りです。参考にしてみてください!

① ベルトで留められる
② 中敷が外せるもの
③ 適切なサイズ
④ 足指を圧迫しないつくり
⑤ 衝撃吸収性や耐久性がある
⑥ 靴の底は足の付け根で曲がる適度なかたさ
⑦ かかとがしっかりホールドされている(ヒールカウンター)
⑧ つま先が少しそりあがっている

自宅でできる!足育トレーニング法

きつい靴や大きいなど、足に合わない靴を履き続けている場合はもちろんですが、日中ずっと靴を履いていた足は窮屈な緊張状態。ぜひ、お風呂上りなどに1本ずつ指をほぐして、くるくるとマッサージしてあげましょう。足指じゃんけんをしたり、5本指をソックスを履くのも効果的です

あとは、雑巾がけや四つん這いになってクマ歩きをするなど、遊びの中で足を踏ん張る状態を取り入れるのもおすすめです。

いかがでしたか。「ベビーカーに抱っこ紐など親にとっては便利なものが出てきて、身体を自由に動かしていない子が増えている」、と玉島さんは言います。幼児のうちは、子どもの足をよくチェックしてあげることが一番の足育になりそうですね。 

著者プロフィール

ライター・エディター。出版社にて女性誌の編集を経て、現在はフリーランスで女性誌やライフスタイル誌、ママ向けのweb媒体などで執筆やディレクションを手がけている。1児の母。2015年に保育士資格取得。

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