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やってよかった、ここが大変… 中学受験をさせたママに聞く!「今どき中学受験事情のリアル」

やってよかった、ここが大変… 中学受験をさせたママに聞く!「今どき中学受験事情のリアル」

小学校に入学すると気になってくるのが中学受験問題。第3弾となる今回は、中学受験を経験したママたち(受験予定者含む!)によるリアルな声をご紹介します。そこから見えてきた幼児期にしておくべき学習や身につけたい習慣とは?

日経DUAL記事

クラスの半数が中受する!? 実際の中学受験者はどのくらい?

・記念受験を含めクラスの約半数はしている印象です。塾通いも熾烈!(江東区公立小ママ)
・4年生になって急に増えた印象。1/3くらいだと思います(港区立小ママ)

もちろんクラスで一人二人という学校もあるでしょう。ですが、小学校によってはクラスの約半数が受験をするところもあるようです。憧れの中学校を記念受験したり、ダメ元でチャレンジする人も多いのでしょう。例え記念でもダメ元でも、受験会場に足を運び、試験を受けるということは、少しでも勉強に意識が向きます。そして何より子どもの経験値を増やすことになります。

また、結果はダメでも、子ども自身が受験の難しさや、合格する人はもっと多くの勉強をしていることに気づきがあると、それは大きなメリットになるはずです。

中学受験を意識し始めるのは低学年が常識なの?

・受験を意識したのは小学校2年。受験用の学習習慣をつけるには4年までには塾に入らないと、と思っていたので早めに(豊島区立小ママ)。
・自分が中学受験経験者だったので娘にもさせたいと思い、小学校3年生のときに母校を見せて反応を見ました(港区立小ママ)

中学受験を意識し始めたのは、3年生頃までが多いようですね。家庭学習のぺースや入塾のタイミングを考えると、3年生くらいまでに中学受験を視野に入れておかれる方がよいでしょう。塾の受験クラスが3年生の長期休みをきっかけに開設している所が多く、中途からだと、入塾テストが行われたり、振るいにかけられる所も多く、開設時から入塾し席の確保を考えると、3年生くらいになるのでしょう。

好きなことに打ち込める中高一貫教育は魅力的!?
中学受験を決めた理由とは?

・6年間は受験に縛られず、のびのびと部活など好きなことに打ち込んで欲しいから(港区立小ママ)
・最近の私立の学習プログラムの多彩さに公立にはないものを感じているので(中央区立小ママ)
・大学の付属でなくても、今後の大学受験を見据えたカリキュラムを6年かけて実践する中高一貫校が増えてきて魅力を感じているから(豊島区立小ママ)

中学受験をする魅力は、やはり中高一貫教育にあるでしょう。もちろん私立の学習プログラムや教育理念なども決め手の一つにはなると思います。ですが、中学高校を通じて交友関係を築き、6年というスパンでの勉強は将来に向かっての計画も立てやすく、大学に向けての受験勉強にも有利に働くでしょう。

合わなかったら転塾も視野に!塾にはいつから、何の教科を?

・小3の2月から国語・算数。ただ、成績がなかなか伸びなくて、大手塾→パパ指導→個別塾&大学生の
家庭教師と移り、最後の3ヵ月で出会った「少人数制の塾」でかなり伸び、無事第一志望に合格し
ました(港区立小ママ)
・小3の夏から大手塾で算数を、小4からは算数と国語を週2(中央区立小ママ)
・正直まだ決めかねています。3年生になったら娘に「お友達がかなり塾に通い出して、放課後遊ぶ友達がいないから私も塾に行きたい」と言われて。でも、そんな決め方でいいのかなあと迷っているところ(江東区立小ママ)

このアンケートにお答え頂いた方は、大手塾を選ばれた方が多くおられたようです。実際、第一子で中学受験を視野に入れた場合、まずは有名中学に多数合格者を排出している大手塾を選ばれる親御さんが多いです。ですが「大手塾が合わなかった」と言う方もおられます。そこで「わが子は今通っている塾にあっていない」ということに気づかれ、再度塾選びをされるご家庭は、良い結果を導き出していることが多いです。ですが、伸び悩みながら続けられる方もおられ、その場合子ども自身はもちろん親も心労を重ねます。ですので、もし子どもが塾に合っていないと感じれば、早く次の手段を考えることをお勧めします。

学校選びや塾通いについて主導権は夫婦どちら?

・基本母親まかせ。父親は昔の受験の知識で話しをされるので合わないので(港区立小ママ)
・ママ任せ。パパは、受験未経験者のため実態がよくわかっていなかったため(豊島区立小ママ)
・パパもママも揺れながら話し合いながらすすめています(中央区立小ママ)

学校選びや塾に関しては、やはり母親主導のご家庭が多いようです。これはママ友から情報を得たり、塾の先生とも懇談したりと、昨今の中学受験事情に詳しいのもあるでしょう。昨今は「イクメン」と云う言葉も定着しつつあり、男性の子育て参加も積極的になってきましたが、やはり子どもの日常の細かな部分に目が行き届きやすいのは母親です。子どもの日常のことは「母親任せ」でも良いと思いますが、中学受験をする、しないなどの大筋の方向性は夫婦一枚岩であるべきでしょう。子どもも迷いがなく受験に打ち込めるので、そのあたりは十分夫婦間で話し合っておきたいですね。

子どものモチベーションをいかに維持するかが合格のカギ!

・母親は感情的になってしまうので「離れる」「同じ部屋にいない」時間を作る!(豊島区立小ママ)
・子どもより「親が精神的に強く構えているか」でスランプに陥りやすいかが決まると感じた(中央区立小ママ)
・大好きなダンス(ダンスが強い学校)をモチベーションにしたので、「合格したら思う存分ダンスができるよ!」と合言葉に頑張りました(港区立小ママ)

大変だったことは何ですか?という質問に関して、「母親が働いていると、食事や勉強がフォローしきれない」「夏休みの朝、昼、お弁当などのやりくりが大変」。という意見の他に、「モチベーション」に関して多くありました。また、子どものモチベーションを高める声掛けなどをする前に感情的になってしまうこと、など親自身の感情の悩みも聞かれました。

中学受験は、高校受験と違って、周りのお友達全員がする訳ではありません。小学生と言えば、まだまだ遊びたいことも多いでしょう。その中で受験に向かって勉強することは、精神的にも大きな負担となり、モチベーションの維持が難しいのは当然だと言えます。そのような時、親がゆったり構え、子どもを心身ともに支えてあげることが大切です。時には、親の方が精神的に追い詰められるような気持になることもあるでしょう。そのような時は父親に少しバトンタッチをしたり、たまには親子で息抜きをすることも考えましょう。

最大のメリットは“深まる親子の絆”
中学受験経験者ママからアドバイス!

・勉強は人に言われてするものではなく、「本人がなぜ受験をするのか」を明確にしてあげることが大切な
ことだなと思いました(港区立小ママ)
・受験当日に力を発揮するには健康管理が重要。親にできる事は、最後はそこに尽きると思います(中央区立小ママ)
・「体力と気力がしっかりある子」が最後は強いと感じました!(豊島区立小ママ)
・「子どもにとって幸せな受験とは何か」をよく考え、親子の絆が深まりました。今は心からやって良かったと思っています(港区立小ママ)

「中学受験によって絆が強まる」それが最大のメリットだと思います。親はテストの結果で一喜一憂したり、ただ宿題をこなすことに子どもを追い立てるのではなく、問題を解く根本的な部分に気づきがあるよう、アドバイスしてあげてください。

算数の文章問題を解く時、時々「かけるじゃあなかったら割る」「公式はどうだったかな?」という子どもがいます。それは問題を解く順序や公式を覚えているだけで、その単元を習っている時は、テストの点数も取れますが、少し期間を空けると直ぐに解けなくなってしまいます。

三角形の面積を出す時は、公式を丸暗記させるのではなく、「縦×横で、四角形の面積が出て、その半分だから、2で割る」というよう考え方を声掛けしてあげるとよいでしょう。このような関わりのなかで、受験に向けて共に歩む時間は、親子のかけがえのない時間になるでしょう。

著者プロフィール
田宮 由美

公立幼稚園、小学校での勤務、幼児教室を7地域で展開、小児病棟への慰問、子どもの声を聴く電話相談など、多方面から多くの子どもに関わる。そのような中、子育てに熱心な
故に、その愛情が焦りとなり挫折、絶望感を抱いている親子が多いことに心を痛める。
「子どもの自立」「自己肯定感」「自己制御力」を柱とし、真に子どもの能力を開花させる子育て法を広める活動を2010年から始める。
現在、息子は大学病院で医師として、娘は母子支援の職場で相談員として勤務。実生活に落とし込んだ、親の心に寄り添う記事に定評がある。「難しいことを分かり易く、ストンと腑に落ちて行動に移せること」を理念とし、現在は執筆、講演、幼児教室を中心に幅広く活動中。
資格:小学校教諭・幼稚園教諭・保育士・日本交流分析協会 子育ち支援士
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(株)KADOKAWA

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