ちょっと気になる受験のコト

「のびのび」と「しつけ」は両立するの? 受験期の親子の関わり方

「のびのび」と「しつけ」は両立するの? 受験期の親子の関わり方

幼児に小学校や幼稚園の受験をさせるというのは、親にどんな覚悟が必要なのでしょうか。

お茶の水女子大学教授の菅原ますみ先生のmaveセミナー特別講演「発達段階を踏まえた子どもとのかかわり方と受験」より、いくつかポイントを絞ってご紹介していきます。

菅原ますみ(お茶の水女子大学 教授  文教育学部長)
国立精神・神経センター精神保健研究所地域・家庭研究室長を経て、2006年よりお茶の水女子大学教授。2015年より同大学文教育学部長。子ども期のパーソナリティの発達や精神疾患などの不適応行動の出現に影響する環境や、家庭や教育・保育施設・メディアや居住環境など広範囲な要因について研究する。「個性はどう育つか」「保育の質と子どもの発達」「ママというオシゴト」「子ども期の養育環境とQOL」など著書多数。

 

子どもは幸せを感じていないと学習ははかどりません

特に幼児は、ストレスや不安があるときは学習してもなかなか身につきません。子どもが伸び伸び楽しくいることが学ぶ上での基本です。そして、「ママとパパはあなたが大好きよ」という言葉の魔法を日々かけていきましょう。

また、家の中の決まった場所で気持ちのよい空間を整えてあげることも大事です。子どもは近しい大人たちのことをよく見ていますから、夫婦、祖父母、先生の悪口を言ったりするのはやめましょう。大人たちもお互いによい関係を築くよう努力してください。

3歳になったら本格的なしつけの開始時期

幼児期から児童期にかけて(3~5歳頃)は言葉の理解もすすみ、社会へデビューする時期と言われます。

とはいえ、「世の中には守るべきルールや約束があるのよ」というのは1歳半くらいから教えはじめましょう。2歳の頃はまだできなくて当然なので、親がルールを根気よく教えてあげてください。

自分のことをコントロールできて約束を守ることができるようになるのは3歳以降。そして、当然守ることができるはずのルールを故意に破ったときに、はじめて叱るようにしましょう

約束をきちんと守る親子関係を幼児期に目指すことは、受験においてもとっても大事です。たとえば、「挨拶をする」など具体的な目標を家族で掲げ、粘り強く働きかけましょう。

「ほめる」と「叱る」のバランスが大事

子どもにとって一番のご褒美は、パパとママが喜んでくれること。だから、できたときは笑顔で「よくできたね」とほめてあげてください。ほめられた自信の積み重ねが自分を肯定する気持ちや新たな意欲を養っていきます

一方、叱る際は決して人格攻撃はせずに、子どものした行動をその都度、短い言葉で叱りましょう。よくある「〇〇ちゃんはやっているのになんで自分はだめなの?」という場面では、「うちはしない」というルールを設けたら、特例は作らないように。

また、何歳でも力で相手に勝つといった暴力の喧嘩はよくありません。親はその直前で仲裁に入り、よく言い分を聞いてあげましょう。

子どもがやりたがらないときは「できない」「他にやりたいことがある」「不調」といったなんらかの原因があるというのも忘れずに。「ほめる」と「叱る」を上手に使っていきましょう。

親の心のコンディションの整え方

子育てには不安やストレスがつきもの。特に受験期や共働きならなおのこと。でも、夫婦のストレスは決して子どもにぶつけてはいけません。ママ友とおしゃべりをするなど、外で発散しましょう。

また、子どもに対してイライラしたときも、子どもを無視するような、関係をや断ち切ってしまうような態度はとらないようにしましょう。子どもはすぐに分かってしまいます。

そんなときは、パパやまわりの人にバトンタッチして外に出るなど、気分転換をして心のコンディションを整えてください。

いずれやってくる思春期にいい親子関係を作るためには、幼児期から愛情をもって親子の絆を作ることが大切。子育ては“今日が一番可愛い”という気持ちの積み重ねです。「子どもの自立の達成!」という子育てのゴールを目指して頑張りましょう。

子どもの個性を見つけて素敵なラベルを貼ってあげて

人間には生まれながらの個体差があります。それがキャラクター(気質)です。親としては子どもの特徴を知って、不得意な場面ではサポートしてあげるようにしましょう

例えば、人見知りの強い子は初めての場所が苦手です。慣らす練習をしたり親がついて行ったりと環境を整える工夫をしてあげましょう。乱暴な子は親がある程度覚悟をもって、子どもに寄り添って対処してあげましょう。

受験に有利、不利なパーソナリティはもちろんあります。でも親の見方次第で、それは変わるものです。性格を非難しても子どもは傷つくだけです。「お転婆」=「がさつ」、ではなく「活発」という言葉にするなど、親が子どもにできるだけ素敵なラベルを貼ってあげてください

受験期の親子の関わり方

子どもは9歳を過ぎる頃から、自分自身のことを含めて客観的に物事を判断できるようになります。つまり、就学前の子に「ぼくは〇〇になりたいから勉強を頑張る」などと将来を求めるのは酷なことです。

そんな幼児期に受験をする際は、その日に学ぶべきことを楽しみながら着々と身に付けていくことが、一番の近道と言えます。親と過ごす時間内に学習時間を上手く組み込んだり、子どもが楽しく学べる環境を整えていくことがカギとなります。

受験をどのように乗り越えていくかは、「プロセスを大事にする」につきます。合格することももちろん大事ですが、万が一失敗したとしてもその結果をどう親子で受け止めていくかがより大切でしょう。

いかがでしたか? 「子どもと関わる時間の長さではなく質」「受験に向けて、親子で一生懸命に取り組んだ時間や姿勢に無駄はありません」と言う言葉が印象的でした。

著者プロフィール

フリーランスのライター・エディター。出版社勤務を経て、現在は女性誌やライフスタイル、ママ向けのweb媒体などで活動。tend.jpでは、ママ目線を生かした子育てに役立つ情報を発信中。2015年に保育士資格取得。

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