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子育て

4歳の言葉使いが気になる! 暴言、逆なで、下ネタ、「悪い言葉」の対処法

4歳の言葉使いが気になる!  暴言、逆なで、下ネタ、「悪い言葉」の対処法

4歳頃になると、「最近言葉使いが乱れてきた」「悪い言葉を使うようになって困っている」ということを聞きます。悪い言葉にもタイプがあるようで、暴言のような言葉から、下品な言葉まで色々。そこで今回は、それらをタイプに分け、悪い言葉を使いたくなる心理や対処法について見ていきたいと思います。

「悪い言葉」を使いたくなる子どもの心理

4歳前後で急に増えてくるのが、わが子の言葉使いに関する悩み。はじめて聞いたときには、ショックのあまり、「なぜ?」「どうして?」と自分の育て方を責めてしまった方もいるのではないでしょうか。

このくらいの年齢の子どもたちは、語彙も含め、言葉が引き続きぐんぐん伸びている時期です。赤ちゃん時代は、親が話す言葉から多くを学びましたが、4歳ともなれば、幼稚園や保育園などでお友だちからも多くの刺激を受けています。また、テレビや動画などでも多くの言葉にさらされているでしょう。よって、赤ちゃんの頃と比べれば、言語学習の場が圧倒的に広がっているのです。

とは言え、悪い言葉ばかりを学んでいるわけではありません。当然ながら、いい言葉も習得しています。親からすると、悪い言葉ばかりが目につくかもしれませんが、さまざまな言葉を学ぶ中に、時おり悪い言葉使いが混じっているという方が実態に近いと思います。

ではそれなのに、その中からなぜあえて「悪い言葉使い」を選択してしまうのでしょうか?

親が使ってほしくない言葉というのは、聞くとヒヤッ、ドキッとするものばかりです。つまり、相手のリアクションを引き出しやすい言葉が多いということが挙げられます。子どもからしたら、その言葉を使うことで、「注目を浴びられる」「インパクトを与えられる」「友だちが笑ってくれる」と映るのです。「かっこいいオレ」「いけてるワタシ」こういう認識があると、「よしまた使おう」というモチベーションになってしまいます。

使ってほしくない「悪い言葉」の4タイプ

親がやめてほしいと感じる言葉はたくさんありますが、その質はさまざまです。ここでは私が悩みとして見聞きする言葉を、4つのタイプに分けてお伝えしていきたいと思います。

タイプ1 暴言タイプ

例:「おまえ」「オレ」「うるせぇな」「ふざけんな」

特徴:ある日わが子に言われるとショックを受けますが、実際には大人も時に使うことがある言葉です。会社の上司には言わないけれど、部下には言うという人もいれば、ママ友には言わないけれど、夫婦げんかになるとうっかり言ってしまうという方もいると思います。子どもには使ってほしくないと強く思うわりに、身の回りで使われていることが意外と多いのがこの暴言タイプです。

タイプ2 逆なでタイプ

例:「ママのマネをしただけだよ」「いつもじゃないよ、たまにだよ」

特徴:大人顔負けの言葉を使うのが、この逆なでタイプです。子どもからの発言が、上から目線だったり、言葉尻を捉えてきたりするので、親がカチンと来ることが多く、女の子に多い印象です。ママが、「○○しなさい」と言うと、娘が、「ママだって、○○してないじゃない」と言い返すなどはその典型です。言い返してくる内容が意外と図星で正論だったりするので、ママも黙ってはいられず言い合いになってしまうことがよくあります。

タイプ3 下ネタタイプ

例:「うんこ」「おしっこ」「おしり」「ちんちん」

特徴:園の友だちと盛り上がり出すと、止まらないのがこの下ネタ系です。1人が言っては笑い、それに乗ってもう1人が言ってさらに盛り上がる。横からママたちが、「いいかげんにしなさい」と言うと、さらにその声を上回る大声で叫んでしまう……。友だち同士で悪ノリをしてしまうことが多いのがこの下ネタタイプです。

タイプ4 残虐タイプ 

例:「ぶっ〇す」「死ね」

特徴:頻度は少ないですが、最も懸念すべきがこの残虐タイプです。上の3つとは異なり、ふだんの日常会話の中で耳にするはずのない残酷な言葉。でも知っているということは、どこかで聞いたことがあるからです。テレビ、ゲームなどが影響している可能性はあるかもしれません。子ども番組には出てこなくとも、たとえば家でずっとテレビをつけたままにしていたら、そこで吸収していることもあるでしょう。もしくは年上のきょうだいや友だちがいて、興味半分で使っているなども考えられます。

子どもの言葉使いが乱れたときの対処法10

以上、4つのタイプをお伝えしてきました。それぞれ質は異なるものの、親がそれで困っていることや、基本的な対処法は共通しています。ここからは、どんなところに気をつけて向き合っていくべきかをお伝えしていきましょう。

家庭が連携して取り組む

この年頃の子の言葉使いの乱れは、その言葉の持つ真意がわかって言っているというよりも、悪ノリだったり、単に、「かっこいいから」という動機だったりします。友だちの影響が大きいので、自分だけが意識しても、園に行けばまた悪ノリしてしまいがち。
対策を取る際には、親同士で協力しながら、こういうときはこういうリアクションにするなど取り決めをした方が浸透しやすくなります。

リアクションしない

子どもが悪い言葉を使いたくなる大きな理由は、相手の注意を引きやすいからです。とくに下ネタタイプはそれに当たります。注意を向けてしまうことが、その言葉の繰り返しを助長してしまうので、極力反応を示さないというのも有効です。

根気よく伝える

1回言ってわかってくれればいいですが、多くの場合はそれでは収まりません。理由は、上記のとおり、友だちの影響が大きいからです。お家の中であれば、親の反応を引き出せないことで、つまらなくなって使わなくなることもありますが、園に行けば、そこには友だちが待っていて、そこでお互いが反応し合えば、また復活することになります。親が言っても、友だちからまた刺激を受ける……、この繰り返しなので、根気よく長い目で見ていく必要があります。

モチベーションを下げる

子どもたちはインパクトのある言葉を発言することに“かっこよさ”を感じていることが多いので、別のかっこいい対象である存在を登場させ、モチベーションを下げる試みをします。たとえば、「○○っていう言葉、かっこよくないよ」「お兄ちゃん(お姉ちゃん)だったら、~~っていう言い方を使うよ」など。子どもが憧れているキャラクターを用いるのも有効です。

しらけるのを待つ

どの言葉もずっと同じ調子で使い続けるわけではなく、子どもたちなりの“マイブーム“があるものです。今回おすすめしている対策を打ちつつも、「そんなに長くは続かない」と捉えられると、カリカリすることが緩和され、あえて反応しないということがやりやすくなるでしょう。

同じ土俵に立たない

子どもの言葉にイラっとして、感情的に返してしまったことは、きっとだれでもあると思います。とくに、今回触れた“逆なでタイプ“はその典型で、気づいたら同じ土俵に立っていたということがよく起こります。「生意気!」「腹が立つ!」と思うことも多々ありますが、
そこは大人になって気持ちを抑えていきましょう。「乗せられない、乗せられない」と自分に語りかけてあげるのもいいと思います。

注意するときは毅然と

子どもに注意をするときに、「ダメだよぉ~」のように言葉で言っている内容と表情が伴っていないことがあります。とくに下ネタ系で起こりそうですが、半分笑いながら、「やめなさ~い」と伝えたところでメッセージは届きません。子どものラーニングスタイルから見れば、言葉以上に親の姿勢の方が響くので、ダメと伝えたいのなら、毅然とした表情や態度で伝えていきましょう。

ダメなことはダメと伝える

子どもの暴言に対し、「○○ちゃんの気持ちになって考えてごらん」のような言い方をする方も多いですが、この時期は相手がどう感じるかを想像する力がまだ成長過程にあります。それよりはストレートにダメなものはダメと教えていきましょう。とくに残虐タイプの「ぶっ殺す」などは、それに該当するでしょう。人の死自体がまだはっきりわかっていない中、真意もわからず使っていますが、だからと言って許容していいわけはなく、ダメなものはダメと伝えることが大事です。

親自ら言葉使いに気をつける

暴言タイプのところで書いたように、大人もときに言葉使いが悪くなることはあるものです。とくに夫婦間だと、“親しき中にも礼儀あり”を忘れ、ついぶっきらぼうな言葉使いをしてしまうというご家庭は多いように思います。子どもにマネされても大丈夫な言葉を使うことを心がけていきましょう。

子ども自身を否定しない

悪い言葉を繰り返し使われると、親もイライラしてしまい、強い言葉で叱りたくなります。でも、「そんな悪いことを言う子はママ知らないよ」「そんな子はうちの子じゃない」のように、その子の存在自体を否定するような言葉はNGです。子どもの言動は注意しつつ、子ども自身の否定にならないように気をつけていきましょう。

以上、子どもの言葉使いが気になったときの対策についてお伝えしました。即効性を求めるあまり、親が子どもに怒鳴り散らしてしまったり、暴言を吐いてしまったりしては元も子もありません。友だち同士がおたがいを刺激し合っていることが多い分、介入が難しいので、ある程度時間はかかるものと思って根気よく向き合っていくことが大切になります。

著者プロフィール

育児相談室「ポジカフェ」主宰&ポジ育ラボ代表
イギリス・レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会(NIP)認定心理士。ポジ育ラボでのママ向け講座、育児相談室でのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動などを通じ、子育て心理学でママをサポート。2020年11月に、ママが自分の心のケアを学べる場「ポジ育クラブ」をスタート。著書に「子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣」など。HP:megumi-sato.com

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