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聖心女子学院、学習院、東洋英和女学院の先生が登壇!「わが校の魅力、求める子ども像とは?」

聖心女子学院、学習院、東洋英和女学院の先生が登壇!「わが校の魅力、求める子ども像とは?」

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7月7日、都内のホテルにて行われた「名門私立小学校入試シンポジウムIII」。<後編>では引き続き、聖心女子学院初等科 大山江理子先生、学習院初等科長 酒井竹雄先生、東洋英和女学院初等部 部長 山本香織先生に、さらに詳しい学校の魅力や、気になる考査についてざっくばらんにお話しいただきます。

進行は、伸芽会教育研究所 主席研究員 佐藤眞理先生です。

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まだあります! わが校の魅力

__それぞれの教育理念など詳しくお話を伺いましたが、さらに先生から見た学校のいいところやアピールポイントを教えてください。

大山先生:この間6年生が、英語を実践的に使うお台場の教育施設に出かけたのですが、物怖じせず積極的に英語を使おうとする姿勢が見てとれました。また本校は、よりよい親子の関わりをサポートするため、学童保育を数年前に開設しています。お仕事をお持ちの保護者は年々増えていますね。

酒井先生:近年は海に泳ぎに行かない学校も増えましたが、本校では海浜教育での遠泳を戦前から行っています。厳しいなかにも、努力して感じる達成感や楽しさが子どもたちのなかに生まれるのを毎年感じます。

山本先生:明るい食堂に集まり、全校でいただく給食では、低学年には高学年がホステスとしてつきます。学年をこえて日常的に仲良くなり、休み時間に上級生が下級生のところへ行って遊んでいる姿が見られますね。

__女子校の良さ、共学の良さはどのあたりにお感じになりますか?

大山先生:人と比べず自分でいていいと思える環境でしょうか。高学年になったら、どういう生き方ができるのか、女子としての意識を高くもってもらいたいと思っています。初等科の間は、それぞれの可能性を発見していける時期で、女子校でさらに個を意識できると思っています

山本先生:同感です。またある意味では課題でもありますが、同質の子どもが集まり、学習指導上の効率はとても良いと思っています

酒井先生:男子校、女子校、共学にも良さがあると思います。共学は社会の縮図で、両性それぞれの良さを理解できますね

変化の多い時代に必要な力と、学校での取り組みは?

__これからの子どもたちが生きる世界は、変化が大きいと言われます。将来的に求められる力は変わると思われますか?

酒井先生:教員生活44年になりますが、数々のトラブルを見てきたなかで、必要なのは<観察力><予測力><判断力>だと実感しています。子どもは思いついたらパッとやってしまう子が多いんですね。先を考えることで、今どうするか決めることができる。これからもその力は大切だと思いますし、伸ばしていきたいです。

山本先生:わが校で小学校からの持ち上がり組は、国語の読解力、プレゼン力、オリジナリティあふれる発想が秀でていると言われています。これからの時代に必要なものではないでしょうか。SDGsなど社会貢献活動も積極的に実行したいです

__英語教育やICTは、公立でも取り組みが始まり変わってきているところです。どんな取り組みを続けていますか?

山本先生:電子黒板は導入されていてすでに使いこなしています。プログラミングも中高と連携しながら行っており、英語は1年から取り入れております

大山先生:国語の力が大事だとあらためて思っています。情報機器が入り言語との関わりは変わっても、表現できる力、読む力は大事ですね

酒井先生:3年生からPCを導入しています。ネチケットに関する教育に力を入れております。

学校で身につけてほしいことは?

大山先生:自ら取り組む姿勢です。考えていることをしっかり表現でき、それが身についたものになっていることが大事ですね。生活習慣、学習習慣が、人との関わりを豊かなものにする力に広がっていけばいいと思います。

酒井先生:生きる力、相手を思いやる気持ちです。観察力がよければ、思いやりにつながっていくのではないでしょうか。

山本先生:同感です。人との関わり方を学んでほしいですね

__では、就学前に身につけておいてほしいことは何でしょうか?

大山先生:自分のできることは自分ですること、家庭のなかで役割があるといいです。また家族でたくさん話をする環境であってほしい。生き方を学ぶ場は、家庭です。ご両親の生き方を見て学べば、結果だけにこだわらない、イキイキと生きていける子どもになるはずです。

酒井先生:社会規範や、生活習慣です。1年生だと、お茶碗をしっかり持てない子も多いんです。また、楽しければいい、おもしろければいいという風潮が世の中にありますが、そこは家庭でしっかり教えていただきたいことです。

山本先生:家庭ではいっぱい愛してほしいと思いますが、それが子どものすべてを受け入れれる愛であってほしいです。何か悪いことをしたとき、先生の前では素直に認められる子が、お家の方の前では顔面蒼白になってしまう場合があります。うちの子はこうあるべきだ、と親の期待が大きいなかで、良い子でいたいと思う子が多いんですね。子どもは、思うようにはなかなかいかないものです。すべてを受け入れてほしいなと思います。

気になる考査について、最後にひとこと!

酒井先生:観察力、予測力、判断力を大事にしたいとお伝えしましたが、さすがに幼稚園生では難しいですね。でも、小さい子でも、見る力、聞く力という観察力は立派にあります。観察力、記憶力、年齢なりの言葉での表現力その3つの能力を見たいと考えています

山本先生:いろいろな子がいていいと思うので、こんな子がいいというのはありません。本校志願の理由は願書で拝見しますので、それ以外のたくさんの話題で、ご家庭の様子を拝見したいと思っています。

大山先生:まず落ち着いて話を聞く力は大事です。知識よりは、自分で考えて、諦めないで取り組めるかを拝見したいです準備されたものをただお聞きするよりは、考えを知りたいと思いますので、願書の内容を変えました。ご家庭で大事にしていることを、エピソードを交えて教えていただく項目を作っています。

前後編に渡り、シンポジウムの内容の一部をお送りしました。3校の先生方のお話を一度に聞けたことで、それぞれ違う魅力をさらに感じることができる内容だったと思います。

伸芽会では今後も入試シンポジウムを定期的に開催予定なので、ぜひ足を運ぶことをおすすめします!

著者プロフィール

ママ向けファッション&ライフスタイル誌などを中心に活動中の30代半ばのライター。3才の男児の母。

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