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子育て

親が注意すべき子どもの危険なウソ。その原因と対策とは?

親が注意すべき子どもの危険なウソ。その原因と対策とは?

子どもがウソをついた時、厳しく叱ったり、長々とお説教をしたりしていませんか…? それらは逆効果で、子どものウソをますますエスカレートさせる結果につながりかねません。

4~5歳の子どもは特によくウソをつく、と言われていますが、幼児のつくウソには大きく分けて2通りあります。ひとつは問題のないかわいいウソです。

それはまだ現実と空想の世界の区別がつきにくく、絵本の中で見たことや夢の出来事を現実のように話すウソ。これは時期がきて、理解が進めば無くなりますので、温かく見守ってあげましょう。

今回は、注意しなければならない子どものウソについて、その心理や原因から対処法を考えてみます。

日経DUAL記事

子どもがウソをつく3つの心理と原因

1.自己防衛のためのウソ

これは自分を守るためにつくウソです。

例えば、弟と遊んでいておもちゃを自分が壊したとします。ですが親には「弟が壊したんだよ」と、自分が叱られないためにウソをつく場合があります。

2.親の気を引きたいためのウソ

これは親にあまりかまってもらえない場合、子どもは親に何らかの関わりを求めて、親の気を引くためにつくウソです。

例えば、飼っている仔犬が逃げた、など、すぐばれるようなウソですが、その言葉を聞いた親は「大変!すぐに探しに行こう!」など、何らかの言葉や関わりを子どもに対して返します。その関わりを欲してウソをつくこともあります。

3.親の約束不実行を見てつくウソ

これは親が子どもとの約束を守らないことが多い場合、子どもがそれを真似てつくウソです。

例えば、「今度の日曜、遊園地に行こうね」と約束しておいて、当日「今日はやっぱり止め!」なんてことがあると、子どもはそれを真似、その結果ウソをつくことに繋がっていく場合もあるでしょう。

ウソをつかない子にするために、親が気をつけるべき3つのこと

1.日頃から厳しくし過ぎない

子どもの失敗や過ちを責めたり、子どもの些細な言動に対し、厳しすぎる指導をしないようにしましょう。

2.子どもとの会話やスキンシップを大切にする

忙しいママは、日々の家事や仕事に追われ、子どもとの会話やスキンシップが知らない間に減少していることがあります。とくにお利口な子どもほど、関わりが希薄になるので、気をつけたいですね。

3.親も約束や言ったことは守る

子どもとの約束を守らないことが続くと、言葉と行動が一致していなくても、子どもは「それでも通る」と感じるようになり、やがてウソに繋がる場合があります。約束はきちんと守りましょう。どうしても果たせない時は、きちんと子どもが納得いくよう、説明してあげることが大切です。

子どもがウソをついた時の対応法

例えば外から帰宅した時、「手を洗ったの?」という親の言葉掛けに「うん、洗ったよ」とウソを言った場合、そのウソを責めるのではなく、「あら、でも手が汚れているわよ、バイ菌がお口に入ると病気になっちゃうから、ママと一緒に洗おう!」と言って、一緒に手洗いをしてあげてください。そして

・ウソをつくと後で自分が困ること
・ウソをつくとママは悲しいこと
・正直に話してくれるとママは嬉しいこと

などを話してあげてください。

ウソを厳しく叱ると、その親の怒りから逃れるため、さらなるウソを重ねる場合もあります。子どもがウソをつかない環境を作ってあげることを親は心がけましょう。

そして、本当のことを正直に言った場合は、そのことを褒めてあげてください。

幼児がウソをつくのは、知恵がついてきた証とも言われます。ですが、初めは簡単にばれるウソも、成長とともに巧妙になってきたり、信用を無くしたりしますので、やはりウソをつかないように育てたいですね。

もし子どもがウソをついたなら、親自身の日常の言動や子どもへの接し方を振り返ってみるのもいいでしょう。

著者プロフィール
田宮 由美

公立幼稚園、小学校での勤務、幼児教室を7地域で展開、小児病棟への慰問、子どもの声を聴く電話相談など、多方面から多くの子どもに関わる。そのような中、子育てに熱心な
故に、その愛情が焦りとなり挫折、絶望感を抱いている親子が多いことに心を痛める。
「子どもの自立」「自己肯定感」「自己制御力」を柱とし、真に子どもの能力を開花させる子育て法を広める活動を2010年から始める。
現在、息子は大学病院で医師として、娘は母子支援の職場で相談員として勤務。実生活に落とし込んだ、親の心に寄り添う記事に定評がある。「難しいことを分かり易く、ストンと腑に落ちて行動に移せること」を理念とし、現在は執筆、講演、幼児教室を中心に幅広く活動中。
資格:小学校教諭・幼稚園教諭・保育士・日本交流分析協会 子育ち支援士
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(株)KADOKAWA

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