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親を悩ます「子ども×テレビ」見せたい番組、見せたくない番組、どうしてる?

親を悩ます「子ども×テレビ」見せたい番組、見せたくない番組、どうしてる?

お子さん向けのテレビ番組を選ぶとき、どれがいいかと迷うことがあると思います。

子どもはテレビの内容からどれくらい影響を受けるものなのか? 見せる際に親が気をつけるべき点はどこなのか? 心理カウンセラーの視点で解説していきます。

PTAによるアンケート「親が見せたくない番組」の常連って?

2012年まで、日本PTA全国協議会が独自に行っていた「テレビ番組に関する小中学生と親の意識調査」、その中の企画の1つで「子どもに見せたくない番組」というコーナーがあったのを覚えているでしょうか?

本来の調査名よりも、その部分ばかりがクローズアップされるために、2013年以降、そのアンケートは取りやめとなったそうですが、やはり「どの番組が子ども向きなのか?」というのは、親としては気になるところ。

親が見せたくない番組として頻繁に名前が上がるのが「クレヨンしんちゃん」。先のアンケートでも毎年、上位の常連でした。同じアニメというくくりでも、「アンパンマンやドラえもんはいいけれど、クレヨンしんちゃんはダメ」というご家庭は今も多いようです。

しかし、嫌われているだけなら、消えていきそうなものですが、着実な人気者でもあり、4月には、新たな映画『クレヨンしんちゃん 襲来!! 宇宙人シリリ』が公開されます。クレヨンしんちゃんのみならず、子どもに見せたくない番組アンケートで毎年上位となる番組は、決まって人気番組でもあるのです。

「大人はいいけど子どもはダメ」ような線引きがあり、そこには、「子どもは見たものをそのまま鵜呑みにしてしまうのではないか」という親の心配があります。

クレヨンしんちゃんをフィクションとして楽しむ感性

そこに一石を投じたのが、最近のあるツイッターでの投稿。「子どもにクレヨンしんちゃんを見せていないことを自慢する親は……」というツイッター、ご覧になった方も多いでしょう。2月の投稿以来、2万を超えるリツイートへと広がる大きな論議となりました。

(参照:https://twitter.com/iseyan93/status/698080960181510144

そこに示唆されていた、
・フィクションをフィクションとして楽しむ感性
・現実とフィクションを区別する能力

たしかに大切な力です。その点で、この投稿は一理あるようにも思えるのですが、現実とフィクションを区別する能力というのは、個人差があること(大人でも苦手な人がいるように)、そして何よりも年齢がカギを握っているということを考慮せねばなりません。

では、子どもたちは、何歳くらいで、フィクションをフィクションとして楽しめるようになってくるのでしょうか?

イギリスの研究で分かった番組選びで重視したいこと

ここで、テレビの内容が子どもに与える影響を調べたイギリスの研究をご紹介したいと思います。その研究では、暴力シーンを含む番組が子どもにどのような影響を与えるかを調べました。

そこで分かったのは、子どもが暴力シーンをテレビで見ると、
・視聴直後の思考や感情、興奮レベルに変化が起こりやすい
・攻撃的な行動やおびえた行動を示しがちになる
・低年齢の子どもたちほど、これらの影響を受けやすい

ということでした。

年齢が低ければ低いほど、番組内容の影響を受けやすいということが分かります。その影響は年齢が上がるにつれて薄れていき、10代になると、見たままを受け取るような傾向が明らかに減ったそうです。

これらを総合すると、個人差はあるものの、フィクションが現実に持ち込まれやすいのは、小学校の中学年くらいまでの子どもたちと言えるでしょう。「この番組はOKで、これはNG」と区分するよりも、まずはその子の年齢を加味した判断をすることが非常に大事だと言えます。

小さい子の親が番組を選ぶ基準として使いたい指針とは?

「うちの子は、まだそのまま受け取ってしまうに違いない」というご家庭では、どのような点に気をつけて番組選びをしていくのがよいでしょうか。

上のイギリスの研究の年齢以外の結果を見ると、子どもたちは、テレビから“短期的な影響”と“長期的な影響”を受けているのが分かります。

たとえば、
悪い言葉を使う主人公を見て、すぐにそのフレーズをマネてみる ⇒ 短期的な影響
戦闘シーンを見た後、物音にビクビクしたり、1人になるのを怖がる ⇒ 長期的な影響

この両方を踏まえると、親が番組を選ぶ際に気にしたいポイントは、
もし子どもが登場人物のマネをした場合、その行動は受け入れられるものか?
番組が終わった後も、負の感情を引きずってしまうほどの強いインパクトを含む内容はないか?

と、その子の行動面と感情面への影響を重視してみるといいと思います。

フィクションをフィクションとして楽しめるようになるまでには、場数や経験が必要です。だからと言って、早ければいいというわけではありません。現実と想像の世界を一緒にできる“あどけなさ”や“天真爛漫さ”は、子どもならではのもの。

10歳までは、模倣や感化が起こりやすいという特性を念頭に置き、親がマネしてもらいたいなと思う番組を中心に視聴するのが理想的だと思います。

著者プロフィール

ポジティブ育児研究所 代表 & 育児相談室「ポジカフェ」主宰。
イギリス・レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会(NIP)認定心理士。現在は、ポジティブ育児研究所でのママ向けの検定事業、育児相談室でのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動などを通じ、子育て心理学でママをサポートする活動をしている。著書に「子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣」など。HP:http://megumi-sato.com/

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