子育てのコト

いい子気質に多い!?「間違えるのがイヤ!」その心理と親ができる対策

いい子気質に多い!?「間違えるのがイヤ!」その心理と親ができる対策

親や先生にちょっと注意されたり、間違いを指摘されたりしたとき、ものすごくへこんでしまう、「ごめんなさい」と泣いてすがる……と、失敗やミスを極端に嫌う子がいます。

ママは、そんなわが子を前に、「自分が叱り過ぎているからなのか」、または逆に、「怒られ慣れていないのか」と迷ってしまうようです。この記事では、間違えることを嫌う子の心の中をのぞきながら、親にできる対処法をご紹介していきます。

叱られることを極端にいやがる子の心理―その要因とは?

だれでも、間違えるのはいやなものですし、他者に否定されたくないと思います。ただその気持ちが、普通以上に強いお子さんがいます。まずは、その思いを強めてしまう2つの要因をここで見ていきましょう。

要因①:子どもの気質

間違ったり、叱られたりするのをいやがる要因の1つめは、その子の持って生まれた気質によるもの。子どもはまっさらな状態でママのお腹から出てくるわけではなく、その子らしさを持って生まれてきます。

アメリカの心理学者であるトーマス博士の研究で見出された9つの気質特徴、これが複雑に絡み合うことで、生まれつき、負けず嫌いだったり、ルールに準じるのが好きだったりという「性分」が出てきます。

その子たちは、「できる自分」が好きで、「できない自分」は受け入れがたいと感じ、親や先生からの指摘で、ひどく落ち込んでしまうのです。

このタイプのお子さんは、基本的には、「言われてもやらない子」ではなく、むしろ「自分でがんばる子」の場合が多く、「いい子気質」である傾向が高いようです。いい子で通したい気持ちが強いために、自ずと、叱られることへの抵抗感が強くなります。

要因②:親のほめ方、叱り方

要因①に挙げた「もともとの気質」もありますが、その上に、親が「いい子をよしとする子育て」をすると、輪をかけて、「いい子でいよう」という気持ちが強まります。それにより、間違いやミスを極端に怖がったり、ときには、親に本当のことが言えず、隠したりすることもあります。

実は、この②のパターンは、現在の日本の教育事情でよく見受けられるものです。今は競争社会なので、親も自分の子が、「頭がいい子」「運動神経がいい子」「お行儀がいい子」だったら…と高望みしてしまいがちです。

その過程で、「いい子」だとほめ、「悪い子」だと叱る、というような、その子の自己を二分化した接し方を繰り返すことで、子どもたちは、
「ママは、いい子であるボクが好きなんだ」
「ということは、失敗したり、間違ったりすると、ボクのことを嫌いになっちゃうかも」

と考えるようになることがあります。

何かミスをすると、「叱られるかもしれない」「認めてもらえないかもしれない」「嫌われるかもしれない」と感じやすく、失敗を怖がるようになってしまうのです。

さらにエスカレートすると、その子の行動のモチベーション自体が、「ママに気に入られるようなことをしよう」へと変わり、他者の鏡に映る自分を見ながら行動をする「他人軸行動」をするようになっていきます。

間違いが嫌いな子、親が気をつけるべきポイント

ここでは、要因を①と②で分けて述べましたが、多くのケースで、その2つが重なって起こることが多いようです。

気質的に、負けず嫌いな子、いい子であろうとする子は、結果を残すことが多いので、親も、つい期待をかけ、「いい子」育てに走ってしまう……という流れで、その子の「間違えたくない!」に拍車がかかってしまうのです。

では、親はどう接していくのが望ましいのでしょうか?

要因①と②、親が働きかけることができるのは、②の方です。その子の気質は基本的に変わりませんから、その子の「いい子気質」を踏まえた上で、「失敗したって、ママの気持ちは変わらないよ」ということを伝えることがポイントになってきます

ポイント1:子どもの苦手を受け入れる

間違えることをいやがる子は、「できる自分」をOKとし、「できない自分」をNGとする、自己を二分化した捉え方をしがちです。

「できない自分」をその子自身が受け入れられない、さらには、親や先生も受け入れてくれないだろうと感じていることが多いので、その分化を解除する働きかけをしていきます。そのために必要なのは、その子の「できない部分」「苦手なこと」を親がまず受け入れてあげることです。

「この子にも苦手なところはある」
「だれだって間違いをするものだ」

と、お子さんの日々の失敗や過ちに対し、「いいのいいの、それくらい」「こんなこともあるよ」「ママなんて〇〇しちゃったことがあるんだよ」と「いい子への縛り」を解いてあげましょう。

ポイント2:部分否定と全体否定を混同しない

そして、「これができなくたって、“できない子“ではないんだよ」ということもしっかりと教えてあげてください。なぜなら、このタイプのお子さんは、たった1つのミスや失敗で、自分自身をも否定する傾向があるからです。

「ピアノの音を1つ間違えたって、先生はあなたができない子だなんて思わないよ」
「ママがあなたを叱っても、それであなたのことを嫌いになるなんて絶対ないのよ」

悪いことをしたらしっかりと叱ることは必要ですが、その子への気持ちは変わりません。「悪いことは悪い」、でも、「悪いこと=悪い子ではない」ということを、愛情を持って伝えていってあげてください。

著者プロフィール

ポジティブ育児研究所 代表 & 育児相談室「ポジカフェ」主宰。
イギリス・レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会(NIP)認定心理士。現在は、ポジティブ育児研究所でのママ向けの検定事業、育児相談室でのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動などを通じ、子育て心理学でママをサポートする活動をしている。著書に「子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣」など。HP:http://megumi-sato.com/

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