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考える力を伸ばす!未就学児の自宅学習5つのポイント

考える力を伸ばす!未就学児の自宅学習5つのポイント

ゆとり教育が是正され、以前に比べ学校での勉強量も増え、内容も難しくなってきています。最近は小学校に入る準備として、自宅で市販のドリルを購入して、学習する家庭も増えてきています。

では、自宅学習をするには、どのように取り組めば、効率よく進み、定着していくのでしょうか。幼児の自宅学習について心がけたいポイントやNG項目を説明します。

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自宅学習を始める時期はいつ頃から?

何歳から始めるというより、子どもが文字や数に興味を持ち始めたら、その時が始めどきでしょう。もし3歳を過ぎても興味を持たないようでしたら、反対に親の方から、絵本や生活の中で目にする文字を指差して読んでみたり、身近なモノの数を数えてみたりするといいですね。

自宅学習を定着させ、意欲的に取り組むようになる5つのポイント

その1 勉強に集中できる環境を作る

自宅学習を始める前に、部屋のテレビは消して、おもちゃなど気の散るものは片づけましょう。まずは学習に集中できるお部屋の環境を整えてから、取り組むことを心がけてください。

その2 親も最初は一緒に取り組む

ひらがなを読んだり、なぞり書きをすること、モノの数を数えたり、数字を書くことは、大人にとっては簡単なことでも、初めて学ぶ子どもにとっては難しいもの。最初は必ず横について、励ましながら一緒に取り組んであげてください。

その3 少し大げさにほめる

子どもが頑張って書いた文字や正解した問題には、少し大げさなくらいに褒めてあげましょう。そのことによって子どもはやる気がアップするでしょう。

その4 一日の生活の中で、同じ時間帯に取り組む

学習に取り組む時間帯は、だいたい決めておくとよいでしょう。その日によって、午前中だったり、夜だったりするよりは、「おやつの後はドリルに取り組む時間」など、毎日の行動とセットで決めておくと習慣づきやすいです。

その5 達成カレンダーで頑張ったことを見える化する

学習に取り組めた日は、カレンダーに花まるをつけたり、可愛いシールを貼ったりと、頑張ったことを見える化することによって、達成感を得られ、継続への意欲に繋がるでしょう。

子どもがやる気を失くすNG対応

その1 間違ったり、うまく書けない時に叱る

子どもが間違ったり、うまく文字が書けない時に、厳しく注意したり、叱る事は絶対にやめましょう。間違いを厳しく指摘すると、子どもは心が折れて、やる気を失くしてしまうものです。

その場合は、「ママもこの字を書く時、いつも間違っていたのよ、この字、難しいよね」「似てるんだけど、ちょっと違うね、惜しいね~」など、子どもの間違いに共感するような会話や、クスっと笑えるように会話に持って行くと良いでしょう。そして「次はもっとうまく書けるわよ」と励ましてあげてください。

その2 長時間、ダラダラ続ける

時間を決めて取り組みましょう。3歳くらいの子どもの集中力は2~3分と言われています。ですので、ドリルに取り組む時間は、10分くらいから始め、徐々に増やしていくようにするのがよいでしょう。

予定していたページが終わるまで親としては、やり遂げさせたい気持ちが、あるかもしれません。ですがこの時期から無理強いすると、「学ぶこと」は「辛いこと」というイメージを持ってしまいますので、よくないでしょう。

そして子どもが他のことに気を取られ、キョロキョロしたり、ソワソワしだしたら、ドリルを閉じて、一旦、終わりましょう。いつまでもダラダラと続けていると、学習に集中しないクセがついてしまいます。

家庭学習に取り組む時、このような疑問を感じたこと、ありませんか?

Q1 ワークは順番通りしないといけないの?

ワークは順番通りにすることにこだわらなくてもよいでしょう。ひらがなのワークには、あいうえお順のものもありますし、書きやすい順のもの、また使用頻度が多いもの順など、そのワークによって、文字が並んでいる順序はさまざまです。

必ずしも前から順番にしていくことにこだわらず、自分の名前の文字やキャラクターの名前、好きな食べものの名前など、興味を持ったページから始めるとよいでしょう。

Q2 問題を読まずに解いても正解ならいいの?

幼児のワークには、毎回同じ問題の繰り返しで、読まなくても解いていけるものも多いでしょう。子どもはそのページを見ただけで、なんとなくひらがなを書き始めたり、数の合成を始めたりする子もいると思います。

ですが、小学校へ入学した時、しっかり読まず、ケアレスミスの多い子になる可能性が高くなりますので、問題は必ず読む習慣をつけておきましょう。

Q3 終わったワークは捨ててもいいの?

問題を終えたワークは、どんどん溜まってくるでしょう。これは各家庭の収納スペースにもよりますが、次の区切りを迎える頃まで、残しておきたいものです。これだけやったという達成感や自信につながります。

幼児だと小学校入学が次の節目ですね。新しい教科者やノートをもらって「次はこの本で勉強するんだね」と言って、入れ替えていけばよいでしょう。

最も大切な事は、学習は楽しいと感じさせること

幼児の家庭学習において、最も大切なことは「楽しい」と感じさせる事です。学習は辛いこと、苦痛なものというイメージを持たせないことを心がけましょう。その為には、無理強いせず、間違ったり、少々文字が上手く書けなかったとしても、叱らず対応してあげてくださいね。

子どもが「ママ、これ、何て読むの?」など尋ねてくれば、チャンスです。今は市販のドリルも書店で多く出ていますので、子どもと一緒に行って、興味をひくドリルを探すのもいいですね。

お知らせ(2020年4月16日更新)

シンガファームにも寄稿いただいている株式会社Hacksiiさんでは、この度、自宅で受けられるママ向けサービス「UCHIGAKU」の展開をスタートいたしました!

https://uchigaku.jp/

現在モニター募集中だそうなので、ぜひこの機会にチェックしてみてはいかがでしょうか。

著者プロフィール
田宮 由美

公立幼稚園、小学校での勤務、幼児教室を7地域で展開、小児病棟への慰問、子どもの声を聴く電話相談など、多方面から多くの子どもに関わる。そのような中、子育てに熱心な
故に、その愛情が焦りとなり挫折、絶望感を抱いている親子が多いことに心を痛める。
「子どもの自立」「自己肯定感」「自己制御力」を柱とし、真に子どもの能力を開花させる子育て法を広める活動を2010年から始める。
現在、息子は大学病院で医師として、娘は母子支援の職場で相談員として勤務。実生活に落とし込んだ、親の心に寄り添う記事に定評がある。「難しいことを分かり易く、ストンと腑に落ちて行動に移せること」を理念とし、現在は執筆、講演、幼児教室を中心に幅広く活動中。
資格:小学校教諭・幼稚園教諭・保育士・日本交流分析協会 子育ち支援士
著書:『子どもの能力を決める0歳から9歳までの育て方』(株)KADOKAWA

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