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9月19日は子どもも大人も海賊になる!?アメリカのユニークな記念日

9月19日は子どもも大人も海賊になる!?アメリカのユニークな記念日

さまざまな記念日が存在するアメリカには、ジョークから生まれた“嘘みたいなホリデー”もあります。その代表が、「ナショナル・トーク・ライク・ア・パイレーツ・デー」。

この日はみんなで海賊になりきって「海賊語で会話しよう!」という、ちょっと風変わりなものです。メディアに紹介されるやいなや瞬く間に全米に広がったこの記念日について、その全貌を紹介します。

海賊語で会話する「ナショナル・トーク・ライク・ア・パイレーツ・デー」

毎年9月19日は海賊の口調で会話をする日、その名も「ナショナル・トーク・ライク・ア・パイレーツ・デー」です。海賊にちなんだ記念日ではありますが、歴史上の海賊や事件が由来というわけではありません。

この日は、とあるアメリカ人たちのちょっとした思い付きから生まれた、ユーモラスな記念日なのです。

海賊の話し方には、独特の言い回しがあります。会った時の挨拶は「アホイ、メイティ!」で、「よう、友よ!」という意味。

「イエス」の代わりに「アイ!」と返事をし、「アアアアア!」と野太い声でうなったり、嬉しいときには「ヨーホーホー!」と叫んだりします。

そのほかにも、海賊特有の単語があったり、一部のアルファベットを発音しなかったりと、海賊語には意外にもしっかりしたルールがあります。

それにもかかわらず、アメリカ人はみんな海賊語をよく知っています。小さな子どもでさえ、海賊のコスチュームに身を包めば、胸を張って「アイアイ、キャプテン!」と得意げに話し始めます。

一般的に海賊といえば、ほかの船を襲って積み荷を奪う「悪者」です。しかしアメリカでは、「自由」「冒険」「権力への反逆」といったポジティブなイメージで語られることも多く、これはイギリスからの独立を経て建国された歴史と重なる部分があるからだという見方もあります。

アメリカでは海賊は親しみがあるキャラクターであり、だからこそこの記念日も自然と受け入れられ浸透したのでしょう。

こんなのアリ!? おふざけから生まれた記念日

こんなのアリ!? おふざけから生まれた記念日

このユニークな記念日を考案したのは、アメリカのオレゴン州に住むジョン・バウアとマーク・サマーズという男性2人でした。1995年、彼らがラケットボールの試合を楽しんでいる最中、どちらからともなくふざけて海賊のような声を上げ始めました。

ただのジョークのつもりでしたが、この日の試合はいつもよりずっと盛り上がりました。そこで2人はふと気づきます。

「今世界に必要なのは、海賊になりきってみんなで楽しさを共有できる記念日じゃないか?」そんな思いつきから、この「ナショナル・トーク・ライク・ア・パイレーツ・デー」は誕生しました。  

2人は話し合いの末9月19日を記念日と決め、その後7年間は身近な友人たちの間だけでひっそりと楽しんでいました。

しかし2002年、作家でありユーモアあふれるコラムで知られるデイブ・バリーにこのアイディアを紹介したところ、デイブは強い関心を示し、自身のコラムで取り上げてくれたのです。

すると大きな反響を呼び、さまざまなメディアに取り上げられました。こうして、彼らの遊び心から始まった「ナショナル・トーク・ライク・ア・パイレーツ・デー」は、一気に全米へと広まっていったのです。

パレードにコンテスト! レストランも学校も大盛りあがり

パレードにコンテスト! レストランも学校も大盛りあがり

「ナショナル・トーク・ライク・ア・パイレーツ・デー」には、海賊船の山車がひしめくパレードや海賊コンテスト、水鉄砲で戦う海賊バトルなど、海賊にちなんだユニークなイベントが全米各地で開催されます。

公園や通り沿いには出店が並び、飲食店はもちろん、海賊モチーフのアクセサリーや雑貨を販売するお店が軒を連ねます。

この日は大人も子どもも勇ましいコスチュームを身にまとい、海賊語で会話します。アメリカの面白いところは、大人も子どもも本気で海賊になりきるところ。

おじいちゃんやおばあちゃんも例外ではありません。この日は、まるで海賊の時代にタイムスリップしてしまったかのような不思議な一体感が生まれるのです。

レストランやカフェでも、この日限定のイベントが盛りだくさん。海賊の恰好で来店し、海賊語でオーダーすると、無料のフードやドリンクをサービスしてくれたりします。また、この日だけの海賊メニューを提供するお店もあります。

さらにはテレビのニュース番組まで、「アホイ、メイティ!」という海賊のあいさつでスタート。幼稚園や小学校では海賊がテーマの工作や仮装イベントが行われるなど、まさに国を挙げて愉快な日を祝います。

まとめ

このユーモラスな記念日は、アメリカだけのものではありません。今や国境を越え、世界中で楽しまれる国際的な記念日へと成長しました。

日本ではまだあまり知られていませんが、ユーモアの力で笑顔が広がるのは世界共通。今年は家族や友達と一緒に、ちょっとした「海賊ごっこ」を楽しんでみてはいかがでしょうか。

「アホイ、メイティ!」とあいさつすれば、いつもの日常がもっとワクワクする風景に変わるかもしれません。

執筆者 / 長谷川 サツキ

著者プロフィール

世界35か国在住の250名以上の女性リサーチャー・ライターのネットワーク(2019年4月時点)。
企業の海外におけるマーケティング活動(市場調査やプロモーション)をサポートしている。

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