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小学校受験に向けた夏休みの過ごし方|年長の今、やっておくべきこと【伸芽会監修】

小学校受験に向けた夏休みの過ごし方|年長の今、やっておくべきこと【伸芽会監修】

小学校受験は年長の夏休みをどう過ごすかで合格が決まると言っても過言ではありません。そこで、親御さんが気になる、受験を控えた夏休みの過ごし方や遊びと勉強の理想のバランス、理想の計画の立て方について、伸芽会の麻生尚子先生にアドバイスしていただきます。

小学校受験は、なぜ「夏」が勝負なのか

小学校受験は、なぜ「夏」が勝負なのか

__小学校受験では、なぜ「夏」が勝負と言われるのでしょうか?
小学校受験における夏休みは、中学以降の受験でたとえるなら、試験前の冬休みと同じ位置づけになります。

最後の季節講習(夏期講習)もありますし、何より時間が取りやすいので、総合力完成の時期と言えるでしょう。ただし、夏を過ごす上で忘れてほしくないのは「夏から先の直前期にモチベーションを落とさないことです。

秋以降は自信や達成感を味わえるよう難易度を調整しながらの学習や、ペースアップ、や体調管理に重きをおくため志望校によっても異なりますが、伸芽会では、親御さんに苦手科目や難しい問題に挑戦するピークを8月~9月中旬にするようお伝えしています。

とはいえ、保育園に通われているお子さまは、親御さんの夏休み以外は通常通りの生活ですから「大丈夫かな」と不安を感じられるかもしれませんがご安心ください。なぜなら、「小学校受験対策の基盤は生活であり遊びである」からです。

大事な夏とはいえ、勉強だけさせれば合格するわけではありません。秋になると、願書や面接の特訓シーズンに入るので、それにも役立つ思い出作りとしても、家族でさまざまな体験を共有して、お子さまの成長を感じられる夏にしてください。

幼児教室の夏ならではの学びについては、こちらの記事をご覧ください。
行く前と後で別人に!? 年長児対象の2泊3日“伸芽会サマー合宿”をレポート!

小学校受験の夏休み、親のよくある悩み

小学校受験の夏休み、親のよくある悩み

__お悩み① 勉強と遊びのバランスはどのくらいが理想?
基本は普段通りですが、保育園児と幼稚園児で生活が異なってくると思いますので、それぞれお伝えしていきます。

【保育園児の場合】
朝学習をしてから保育園に行かれるお子さまは、平日は今までのリズムを維持して、土日や保護者の方のお休みが多いお盆の時期に夏期講座を取るなどして、お子さまのようすを見ながら課題の量を増やしてみてください。

中には保育園を早退して午後から夏期講習に来るお子さまもいらっしゃいますが、疲れて眠くなってしまう子もいます。

保育園でまだお昼寝がある場合、ご家庭で過ごす時には夏の時期からお昼寝を調整してもよいかもしれません。実際の考査が午後に来ることもありますからね。

【幼稚園児の場合】
幼稚園のお子さまは夏休みで時間がたっぷりありますが、午前中に講習を入れている場合は、午後はゆとりをもって自由な時間も確保しましょう。何かに没頭する遊びをしたり、体を動かしたり、普段は一緒にできないような料理や工作を親子でするのもおすすめです。

午前と午後に続けて講習を入れている場合は、帰宅後は口頭で間違えたところを復習する程度でよいでしょう。ご家族で過ごす時間も大切にしてください。

__お悩み② 旅行や帰省はしてもいい?
もちろんOKです。なぜなら、ご家族の息抜きにもなりますし、旅行も立派な生活体験につながるからです。とはいえ、ただ連れて行くのではなく、ぜひお子さまと一緒にスケジュールを立てて、旅を自分事にとらえて参加させましょう。たとえば、「2泊するなら洋服は何枚必要? 何を着ればいい?」など、自分で荷物の準備をすることで、受験にも役立つ生活力や先を見通す力が養われるはずです。

持ち物について補足しますと、2泊3日程度であれば完全に勉強から離れても問題ありませんのでプリント課題は不要です! その代わり、ノートやスケッチブックと色鉛筆を持っていき、「今日の楽しかったこと」「印象に残っているもの」を現地で絵に描いてみましょう。

その日のうちに描く絵はとてもダイナミックですし、面接などでも「家族でお出かけした思い出」を聞かれるときに役立ちます。子どもはすぐ忘れてしまうので、後で絵の裏に写真を貼るなどして、印象に残すのもおすすめです。旅行だけでなく、夏のイベントがあるたびに絵を描くといいですね。
絵を描く

__お悩み③ 夏の家庭学習は何からはじめればいい?
あれもこれもやらせたくなる気持ちはわかりますが、まずは生活面で「この夏絶対にできるようにしたい目標」をお子さまと相談して2~3つ決めましょう。「一人でお風呂洗いをやる」「朝自分で起きる」「知り合いに会ったら自分から挨拶する」など、ちょっとした意識でできることが理想です。その際、親御さんも夏の間に頑張る目標を決めて頑張れるといいですね。

勉強面に関しては、苦手分野をいつもより1~2枚増やす程度でOKです。幼児は、得意不得意がその時々で変わりますし、苦手分野ばかりやると自信がなくなって、できるものもできなくなることがあります。

始めと終わりは好きな分野にし、途中にさり気なく苦手分野を織り交ぜていきましょう。また、幼児は生活や遊びから理解することが多いので、時間のある夏は「クッキーをわける」「公園のシーソーで重さ比べをする」など、具体物を使って理解を深めるのもおすすめです。

夏ならではの体験も学びにつなげられる

夏ならではの体験も学びにつなげられる
__他に、夏ならではの体験を学びにつなげるコツはありますか?
山に行くなら「どういう虫がいるか」を事前に図鑑などでリサーチして、現地で照らし合わせをするのもいいですね。川や海であれば、普段都会では聞けない水のせせらぎや波の音など、五感を使って思い切り体験してほしいです。また、日本ならではの夏祭りも、日本の文化や歴史に触れ、地域の方々と交流するいい機会です。

浴衣や甚平、花火大会、盆踊り、お神輿なども、とてもよい夏の思い出になるはずです。

浴衣や甚平

あとは、お盆などで家族が集まる際に、スイカを丸ごと買うのも子どもにとっては一大イベントになります。スイカ割りをする以外に、お風呂に水をはって浮き沈みの実験をしてみるのもおすすめです。また、帰省の際は、おじいちゃんおばあちゃんにお土産を選ぶ、お手紙を書く、手作りの作品を添えるなど「誰かのために」することも、学びにつながります。

もちろん、おじいちゃんおばあちゃんは可愛い孫の成長を褒めてくれる存在ですから、日々の頑張りを伝えることで、親御さんも新しい気づきが得られるかもしれません。

夏ならではの体験で非認知能力を伸ばす方法については、こちらの記事をご覧ください。
夏休みは非日常体験で非認知能力を伸ばそう!

ある日の夏休み、おすすめスケジュール

ある日の夏休み、おすすめスケジュール

__ある日の夏休みのスケジュールを教えてください。
あくまで目安ですが、保育園児と幼稚園児でお伝えしていきます。

【保育園児】
午前:朝学習(1時間~1.5時間)をしてから保育園へ(運動課題をするご家庭も多い)
午後:保育園帰宅後、制作課題など30分(朝学習をしない、もしくは朝やりきれなかった場合はここで学習を)
夕方:お手伝い(無理なくできるものを継続しましょう)
平日は普段通りに過ごし、土日に幼児教室で夏期講習や学校別の講座を集中して取るご家庭が多いです。土日は忙しくなりがちですが、詰め込み過ぎず、楽しい予定も入れていきましょう。

【幼稚園児】
午前中:3時間の家庭学習(もしくは夏期講習)
午後:お出かけやお稽古事、自由時間など 
夕方:お手伝い(無理なくできるものを継続しましょう)
幼稚園がある日と同じように起床し、幼稚園に行っている午前中の時間を家庭学習にあてましょう。土日は平日よりも短時間の朝学習でもいいと思います。家族の時間を多く作ることもよいですね。

年長の夏休みに、親が生活面で意識すべきこと

__夏期講習などで忙しい夏休み、生活面で親が意識すべきことを教えてください。
・生活面では、最低でも8~9時間睡眠を確保
・入試に向けて、夏のうちに家族みんなで早起きのリズムを作る
・集中力が続かないタイプの子は、夏期講習を、短時間×日数を増やす方向で
・夏期講習の日々の復習は簡単に内容を振り返り、明日の準備をするまでがセット

日の出が早い夏の時期に、本番に向けた早起きのリズムを作っておきましょう。大事なのは家族みんなで早起きすることです! また、夏期講習の準備は、小学生になって「ランドセルの中がぐちゃぐちゃ」にならないために、お子さまが自分でする練習をしましょう。

私のこれまでの経験上、自分で前日に道具を用意している子と、お家の方に用意してもらっている子では、授業へ取り組む意識が全然違います。まずは「一緒に準備しよう」から始めて、ある程度慣れたら「自分で準備してできたら教えてね」と親御さんがチェックするのがおすすめです。

すぐにはできなくても、焦らず根気よく働きかけること。合格を勝ち取るのは、「のりがもうすぐなくなりそうだから念のため2つ持ってきたの」と先を見通して気がつける子たちです。

受験学年ではありますが、未就学児最後の夏でもあります。この時期にしかできない体験を意識しながら、お子さまの成長をご家族で感じられる夏になりますように。

夏のうちに始めたい願書の下準備に関しては、こちらの記事をご覧ください。
夏休みが勝負!親と子の受験準備必修講座【前編】名門小学校・幼稚園の願書の書き方
夏休みが勝負!親と子の受験準備必修講座【後編】合格を引き寄せる直前期の家庭教育

著者プロフィール

SHINGA FARM(シンガファーム)編集部が執筆、株式会社 伸芽会による完全監修記事です。 SHINGA FARMを運営する伸芽会は、創立半世紀を超える幼児教育のパイオニア。詰め込みやマニュアルが通用しない幼児教育の世界で、毎年名門小学校へ多数の合格者を送り出しています。このSHINGA FARMでは育児や教育にお悩みのご家庭を応援するべく、子育てから受験まで様々なお役立ち情報を発信しています。
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