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4歳ママ必読!「こんな行動が理解できない」に心理学で答えます!

4歳ママ必読!「こんな行動が理解できない」に心理学で答えます!

あるときはあどけなく、あるときは大人っぽく……と色々な顔を見せてくれる4歳の子どもたち。コロコロと変わる表情に、ママは一喜一憂の日々ですが、脳や心が急速に変化するこの時期は、「4歳の壁」とも言われ、子ども自身も上手く感情の処理ができないことがよくあります。

そんな4歳前後の子どもたちの心の中で何が起こっているのか、心理学を使ってのぞいてみましょう。

日経DUAL記事

4歳児によくあるお悩みエピソード

「三つ子の魂百まで」「3歳児神話」など、3歳までの育児はよく大事だと言われます。しかしそれを超え、わが子が4歳になってみたら、また新たな試練が!

そこで今日は、4歳のお子さんを持つママからの、「うちの子のこんな行動・言動が理解できない…」というお声を集め、Q&Aとしてまとめてみました。

Q1:「ママは、髪短いのと長いのどっちがいいかな?」と軽く質問すると、「長いのもかわいいけど、短いのはもっとかわいいと思うよ」と言われました。「そんな言い方どこで覚えたの?」と思いつつ、完全に気を使われているのはいかがなものかと心配にもなります。

ドキッとするほど大人っぽい返答に、少々心配もされているようですが、心理学的に見れば、4歳の子の発達がよく表れている事例とも言えます。この時期、認知面が大きく発達することで、それまでの自己中心型だった考えから少しずつ脱却していきます。それゆえの「ママが喜びそうな回答」なのです。

とは言え、大人と同等の「他者の立場に立った見方」ができるようになるのは、まだまだ先のこと。それまでは、心身ともに余裕があるときは大人っぽい回答をするものの、疲れているときやお腹がすいているときなどは、一転、自分中心でわがままに……。このように行きつ戻りつするのが一般的です。

保育園や幼稚園などの集団生活で身につく社交性に伴い、空気を読んだ発言を身につけていきます。

Q2:「お友達におもちゃを取られた」「悲しい気分になった」などのネガティブスイッチが入ると、1人で部屋にこもってしまったり、ときに暴れたりすることも。悲劇のヒロインスイッチが入ってしまうと、手がつけられない状態になります……。

まさに「4歳の壁」、自分の内部の感情を上手く処理できず、引きずられてしまっているのでしょう。

また、心理学でいうところの「思考スタイル」も影響しているようです。ここにある「ネガティブスイッチ」というのは、思考スタイルの中の「ネガティブを広げてしまうタイプ」を指します。この子にとっては、その時すべてが「ネガティブ」に見えてしまっているのです。

・悲しいことに悲しいことを上乗せするタイプ
・悲しいことをケロッと忘れてしまうタイプ

だったら、親にとっても、その子にとっても、後者の方が楽ですね。4歳ですと、まだ思考スタイルが固定化されていない時期なので、今から積極的に、ポジティブスイッチに働きかけていくことをおすすめします。

なぜなら、思考スタイルは、遺伝要素もあるものの、環境でも大きく変わることが分かっているからです。とくに影響力があるのが、ママの発想や言葉づかいです。

もしママ自身が、「ちょっと自分はネガティブタイプかも…」と感じるのであれば、なおさら強く「ポジティブ発想」を意識するようにしましょう。ポジティブスイッチを簡単に言うと、「悪を広げない考え方」のこと。具体的には、

「1つ嫌なことがあっても、それが続くわけではない」
「失敗したって、大変なことにはならない」
「こういうこともあるけど、これくらい何とかなる」
「今回はアンラッキーだった、でも次は大丈夫」

など。このような言い回しを、お子さんに対してだけでなく、ママ自身にも使っていくようにしてください。

思考スタイルの変化は劇的には起こりませんが、少しずつ、悲しいこと、辛いこと、イヤなことは長くは続かないとポジティブに捉える力がついてきます。

Q3:約束を守れないことが続いたので、お仕置きとして少しだけ廊下に締め出したり、強い言葉で叱っていたりしたら、夫に「それは虐待だ」と言われてしまいました。でもそこまでしないと全然響かない息子。こっちもイライラするし、どうすればいいのか日々反省です。

4歳くらいの子は、上手く自分の気持ちをコントロールできず、ささいなことで、親子げんかになってしまいがちです。家庭内の「約束ごと」や「ルール」を設定するときは、厳し過ぎず、甘過ぎずの取り決めをするのがベストです。

たとえば、子どもが大好きなゲームやテレビ。「好き放題」ではママが困ります。「ゼロ」では子どもが反発します。「ならば1日30分」のように、親子で納得できる形に設定するのが賢明です。

何より大事なのは、それを守り続けること。約束は、設定するのは簡単ですが、守り続けていくのが大変なのが常。守れないようなハイスペックな約束をするよりは、守れる程度の設定で、日々繰り返していく方が、子どもの学びにつながります。

強い叱り方をしてしまうとのことですが、心理学的に見ると、「廊下に出す」というようなお仕置きは、一時的な効果はあっても、持続性がないことが分かっています。

体罰やお仕置きに代表される「〇〇しないと、〇〇は取り上げだよ」「外に出すからね」のような「苦痛を与えるタイプ」には、その場の行動を鎮めることはできても、次回に続く教えが提示できていないのが効果のない理由です。

それゆえ、次もまた同じようなことを繰り返すので、お仕置きはエンドレス、しかもエスカレートする傾向があります。

4歳の子に限りませんが、子どもの問題行動で悩んだときは、

「悪い行動を消す」という発想ではなく、
「いい行動を育てる」という発想で行動改善に取り組むと上手くいきます

両者は同じように見えるかもしれませんが、心理的な働きかけから見ると大きく違います。

「悪い行動を消す」ということを目的にしてしまうと、悪を消し去ることに重きが置かれるため、「怒鳴る」「何度も言う」「お仕置きをする」のような負の力をかけることになります。一方、「良い行動を育てる」ということを目的にすると、「褒め」が前面に出ることになり、子どものモチベーションが上がりやすくなります。

「叱る場面で、褒めることなんてない」と感じられるかもしれませんが、褒めの威力は、1位や100点などの達成にだけ用いられるものではありません。この場合で言えば、まずは、「がんばれば何とか守れる約束」に再設定し、そこから「いい行動」を育てていけば、褒める場面を作ることができます。

できないことを強く叱るよりも、できていることからまず褒めて育てていくのが心理的に賢明な方法です

Q4:急に、「ママ、さみしいからギューしよう」「一緒にトイレに来て」と甘えん坊モードになることがあります。そんなとき、「今日保育園で何かあったの?」と優しく聞ける日もあるのですが、「いいから手を洗っておいで!」と言ってしまう日もあります。べったりすると癖になってしまう気がして…。

子どもが4歳になると、ママは何となく、子育てがひと段落した感覚になります。昔ほど、「三つ子の魂百まで」とは言われなくなってきたものの、やはり3歳までの子育ては大事だとされているので、そこを通過すると、ちょっと一安心。

それに加え、時おり、子どもが落ち着いたふるまいや、お兄ちゃん、お姉ちゃんっぽい表情を見せることで、少し手が離れたかなと感じるのです。

しかし、4歳の段階では、まだまだママに依存しています。ママと離れて過ごしている時間に解消できなかった不安感や動揺を、「ギューッとして」「抱っこして」と甘えることで、解消していくのです。

べったりすると癖になってしまうことを懸念されていますが、それは心配無用です。逆に、こういうとき、突き放す対応をしてしまった方が、子どもに「離れたくない」という気持ちを起こさせてしまいます

ママは子どもにとって、第一の心の拠り所なので、そのママに突き放されてしまうことは「危険」と感じるからです。

小学校の間は、このような「巣から出て行ってまた戻ってきた」という行動を繰り返していきます。とくに、新学年や新学期など環境が変化する時期には、ママを安全基地化した行動が増えます。

さすがに小学校中学年くらいになると、抱っこしたくてもできないほど重くなりますので、今の時期を大切に、お子さんの甘えん坊モードに付き合ってあげてください。

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著者プロフィール

育児相談室「ポジカフェ」主宰&ポジ育ラボ代表
イギリス・レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会(NIP)認定心理士。ポジ育ラボでのママ向け講座、育児相談室でのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動などを通じ、子育て心理学でママをサポート。2020年11月に、ママが自分の心のケアを学べる場「ポジ育クラブ」をスタート。著書に「子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣」など。HP:megumi-sato.com

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