子育てのコト

子どもがいけないことをしたら、罰は与えていいの?

子どもがいけないことをしたら、罰は与えていいの?

子ども時代、親に叱られて、家の外に出されたり、叩かれたりした苦い思い出はありませんか? 今、自分が親になり、「あの叱り方は合っていたのか?」「罰を与えるのはOKなのか?」と自問する方もいるのではないでしょうか? この記事では、親が子どもに与える「罰」の影響力を、心理学的に解説していきます。

子育て心理学から見た「罰」の存在

心理学の研究が日々進んでいる昨今、罰の有効性についても色々なことが分かってきています。結論から言うと、罰には行動改善の効果はありません

子どもに罰を与えると、泣き叫びながらも何とか言うことを聞き入れるので、即効性があるようにも思えます。しかし、子どもは改心して言うことを聞いたのではなく、親の威圧感に折れただけ。それゆえ、その後も同じ行動を繰り返します。罰には「教え」がないので、子どもの行動を改善できないのです。

また罰は効果がないばかりか、子どもの心に間違った教えを伝えてしまっています。親が、言うことを聞いてくれない我が子に困り果て、叩いたり、外に出したりすると、子どもは、その術を自分の対人関係に応用していってしまうのです。「困ったときはママみたいに叩けばいいんだ」「イヤなら追い出せばいいんだ」と。罰が生み出す悪循環を断ち切るためには、罰のない叱り方で行動改善を図る必要があります。
では、どのように叱っていくのがよいのでしょうか?

まずは、叱る前に3つのことをチェック

1.親側に落ち度がないか?

子どもがいけないことをする原因を親が作ってしまっているような場合(例:親同士がおしゃべりに夢中で子どもの声かけに気づかず、結果として子どもが騒いでしまった)、子どもは叱られても納得がいきません。叱る前に、いけないことをしてしまった理由や背景を考えましょう。

2.意識的か、無意識的か?

「悪いことだ」と子ども自身が自覚してやっている場合と、親の気を引きたくてやっている場合があります。
繰り返される場合には、親自らの接し方を振り返ると、そこに解決策があることがよくあります。無意識でやっている場合は、何をどこまでやっていいのかルールが理解できていないことが多いので、まずはそのルールや約束事を伝えるのが大切。
その後は、それをお互いしっかり守れるよう親もブレずに頑張りましょう。

3.早急性か、辛抱強さか?

友達や子ども自身が危ない目に遭うようなときは見守ってなどいられないので、すぐに強めに厳しく注意します。それに対して、家のルールなどの約束事は、理解してもらうことが目的なので、強さよりも辛抱強さがポイントになります。1〜2回目はやさしく、3回目くらいからは強めに、のようにしっかりと浸透させることに重きを置きましょう。

罰のない叱り方を実現するための3つの秘訣

1.感情を抜くコツを身につける

心の中であれこれと考えると感情的になってしまい、その感情が罰を招き入れてしまいます。感情を抜いてサバサバと叱るにはコツがあり、心の中で叱る理由を広げないのが最大のポイントです。
「今、何を叱りたいのか?」をクリアにし、子どものその場の行動改善だけに的を絞ると感情を押さえやすくなります。

※『「怒る」と「叱る」は違う!子どもを傷つけずに効果的に叱る6つの基本ルール』では、ポジティブ心理学をベースにした叱り方をご紹介していますのでぜひご参照ください。

2.家庭内でのブレをなくす

「ママはいいって言ったのに、パパはダメだって言った」のように夫婦間で基準がずれてしまうと、子どもは混同します。そして、自分に有利な方へと流れていくようになります。それを防ぐためにも、夫婦間で育児方針についてしっかり話し合っておきましょう。その際にポイントとなるのが、0でもない100でもない50くらいを軸にすることです。
例えば、テレビを「まったく見せない」と子どもは不満ですが、「いつでもOK」にするのもいきすぎでしょう。家族全体が歩み寄れるバランスを見つけ、そこにラインを引いてあげることが叱りを減らすコツです。

3.即効性を追い求めない

子どもの困った行動を瞬時に解消しようとすると、強い力をかけたくなり、罰へと発展しがちになります。子どもに100%を求めて罰の力で実現するよりも、少しでもできているところからほめて育んでいく方が、心にも健全であり、結果的には早道だったりすることがよくあります。
一段一段、成長の階段を上っている子どもたちに歩調を合わせてあげると、これまで「叱ることばかり」だった我が子が、「ほめるところもたくさんあった」ことに気づけるはずです。

 

いかがでしたか。まずは感情的にならずに、一度深呼吸して、どう子どもに伝えるべきかを考えてから、上記の秘策を実践してみてください。

著者プロフィール

ポジティブ育児研究所 代表 & 育児相談室「ポジカフェ」主宰。
イギリス・レスター大学大学院修士号(MSc)取得。オランダ心理学会(NIP)認定心理士。現在は、ポジティブ育児研究所でのママ向けの検定事業、育児相談室でのカウンセリング、メディアや企業への執筆活動などを通じ、子育て心理学でママをサポートする活動をしている。著書に「子育て心理学のプロが教える輝くママの習慣」など。HP:http://megumi-sato.com/

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