公開 / 更新
受験

今更聞けない小学校受験の常識!「教えて飯田先生」

今更聞けない小学校受験の常識!「教えて飯田先生」

小学校受験について興味はあるけれど、実際どうなんだろう……と二の足を踏んでいる方も多いと思います。そこで今回は、伸芽会教育研究所の飯田先生に「今更聞けない小学校受験の常識」について教えていただきました。

日経DUAL記事

キリスト教の学校は家族がキリスト教じゃないと入れない?

その必要はありませんし、入学後に学校が信者になることを強要するようなことはありません。ただ、信者になる必要はないけれど、その宗教の理念を理解するよう努めることは必要ですし、その宗教を否定するようなご家庭ではだめということですね。

たとえば、暁星小学校などのキリスト教の学校にもお寺のお子さんも合格していらっしゃいます。キリスト教でも仏教でも根底にあるのは他者に対する思いやりですよね。そういうものがあれば全く問題ありません。

むしろ、面接の際に信者でもないのに色々知ったかぶりをしてお話してしまう方が危ういかもしれません。なぜなら相手はその道に深く精通している方たちですからね。そこはご注意ください。

あとはキリスト教の学校の場合「礼拝の時間」がありとても大事にされています。ですから、東洋英和女学院小学部では、例年の試験日である11月1日が礼拝がある日曜日だったのですが、試験日を翌日にずらしたということがありました(キリスト教の学校全部がそうというわけではありませんが)。

大学附属の私学や国立小学校はそのまま大学まで行けないの?

国立の場合は小中高までは、進学する際に試験があったり一定の基準をクリアすれば内部進学できますが、基本は附属高校から大学は行けません。ただ学校によって状況が異なるのでしっかりと調べることが必要です。

私学の附属校の場合は基本、大学まで進学できます。ただ、高校時の成績が低いと推薦してもらえないケースもあります。

あとは、附属校の中でも系統が分かれている場合があります。代表的なのが早稲田大学で、附属と系属校があります。かつて附属校は全員が大学まで進学できるけれど、系属校は全員はできないという時代もありました。ただ時代は変わり、たとえば系属校である早稲田実業学校初等部は現在早稲田大学への推薦枠100%となっています。

最近は、「一貫教育は一度入ってしまえばエスカレーターで楽」でもないということ。上の大学に進む権利を持った上で国立などを受けていいという学校も増えていますし、大学がある附属校でもそのまま進学せず他大を受験する方が多い私学もあります。逆に新設の学部ができて内部進学が高まったというケースもあります。その辺りもしっかりと調べてから受験された方がいいですね。

何より、保護者の方が大学生の頃と学部や状況が変わっていることもあるので、しっかり関心を寄せて調べることが大事です。

国立のペーパー試験は私立対策で乗り切れる?

一言でいえば「それほど変わらないけれど、そんなに簡単ではない」ということ。

まず、学校の傾向を調べたときに根っこの部分でお子さんに要求していることは私学も国立もそんなに変わりません。それはなぜかというと、国立の教育学部は教育実習を経て教員免許を取る方が圧倒的に多いので、私学の学校の先生が国立出身だったりするためです。

それぞれ国立大学に在籍しているときに附属の小学校で教育実習をするので、当然就職先である私学でもその影響は出てきますよね。

また、全国各都道府県には必ず国立大があるわけですけども、旧師範学校として早めにできたケースが多いので、私学は国立をお手本としたという時代背景もあると思います。たとえば、2002年に初等部を開設した早稲田実業学校1年目のテストは、筑波大学附属小学校のテストを参考にしたように感じました。

2022年には、立川に都立初の小中一貫校である「東京都立立川国際中等教育学校附属小学校」が開講します。HPを見ると国立小学校とはそんなに変わらないという印象でした。

つまり、専門家が考える5歳6歳児に出す試験は、私立も国立も都立もそれほど差がないということです。ただ、私学の場合はそこに学校のこだわりなどを反映した問題も出題されるので、しっかりとした準備が大事になってきます。

幼児教室に通う場合、志望校に近い校舎の方が有利なの?

伸芽会でも、たとえば慶應義塾幼稚舎そばの広尾教室、早稲田実業学校初等部そばの国分寺教室、暁星小学校や白百合学園小学校そばの飯田橋教室、成蹊小学校そばの吉祥寺教室と、人気校の近くに教室があります。

それはなぜか。

親であれば、その地域で評判のいい学校に行かせたいと考える方が多く、その方たちが幼児を連れていくなら近い方が通いやすいと考えるから、自然と人気校の近くに集まりやすいためです。また、志望校別の学校対策を分散してやりやすいという教室の事情もあります。幼児教室では「●●校専門」と特化したところもあるかと思います。伸芽会では基本どこの学校でも同じ授業は受けられるというやり方です。

保護者の方たちからすると、「その学校の受験者数が多い学校近くの幼児教室だと、指導者の経験が豊富なのでは?」と考える方もいると思いますが、それも間違いないかと思います。集まる情報が多いのも事実です。

ただ、私が考える一番のメリットは、「お子さんがその駅に通うのに慣れる」ということ!

たとえば広尾駅を使って広尾教室に違和感がなく通えていれば、慶應義塾幼稚舎の試験当日、広尾駅に行くのも違和感ないですよね。いつもの駅、いつもの場所に慣れるというのは子どもにとって大きいです。もちろん、そこでしか合格者が出ないわけではありませんが、統計をとると、受験者が多ければ合格者も多くなりますよね。

いつも通い慣れている教室のすぐそばに学校があるのは、子どもにとって違和感がないですし、入学後も通いやすい。入学後は伸芽会の近くにある系列の伸芽’Sクラブ学童に入れる方も多いです。もちろん、関西からでも慶應義塾幼稚舎には受かりますので誤解されませんように。

家族にその学校の卒業生がいないと合格しないって本当?

これは「違います!」と断言できます。なぜなら、学校側も広い視野で見て、いいお子さんがいたら来てほしいと思っているからです。昔は、私学の決して安くない費用を出すのはおじい様やおばあ様だったりしますので、お孫さん全員を私立に行かせられるようなお家=一定レベルの生活をしてらっしゃる裕福な方が多かったというのはあるかと思います。

ただ、今の時代、お孫さんも少ないですよね。孫1人に6ポケットなんていうケースもあるでしょう。共働きのご家庭も増えていますから、経済的にも一般的なご家庭でも十分行けると思います。

また、卒業生が必ずしもお子さんに恵まれる、日本で暮らす、女子校出身者が女の子を産むとは限りませんよね。さらに、今の私立校はお母様が働いていらっしゃるご家庭も多く、キャリアを大事になさる素敵な女性のDNAを持つ自立したお子さんにも期待していると考えています。

【家族に出身者がいる場合の注意点】

もちろん、親御さんなど家族に受験なさる学校の出身者がいらっしゃる場合もあるでしょう。そんな場合の注意点をお伝えします。

たとえばお母様が出身校を受ける場合。お母様は母校愛がありますし、「うちの子もぜひ入れたい」と強く思いますよね。ただ、お母様が育ったのは、おじい様やおばあ様が築かれたご家庭でありお子様が生まれた今の家庭とは違うので、ご結婚されてご一緒に家庭を築かれたお父様にその学校の良さをちゃんと伝えていますか?ということ。

学校側も「必ず出身者だから選ぶ」というものでもありません。以前、お母様がご出身のプロテスタントの学校をお子様が受験され、面接でお父様が「カトリック」と言ってしまったというケースがありました……。まさに油断禁物です。

また、「上の子に在校生がいるから受かるだろう」もキケンです。そのお子さんの行動(宿題の提出が悪い、行動がいまいちなど)にも気を配っておかないと、むしろデメリットにもなりかねないんです。

また、学校側からすれば「卒業生なんだから知っていて当たり前」と思われてしまうのも事実ですから、常に最新の情報をご夫婦で共有しておかないと、面接は手ごわいかもしれませんよ。

いかがでしたか。詳しくはYouTube『SHINGA FARMちゃんねる』もチェックしてみてください!

著者プロフィール

SHINGA FARM(シンガファーム)編集部です。ママ・パパに役立つ子育て、教育に関する情報を発信していきます!
Twitter、Facebookも更新中!ぜひフォローください♪

  • twitter
  • はてなブックマーク
  • LINE
【イベント情報】「小学校・幼稚園選び相談」お申し込み受付中!
伸芽会ではお子さまの将来を見据えた、小学校・幼稚園選びについてのご相談を承ります。 伸芽会教育研究所が収集・分析した最新の入試情報を基に、志望校・志望園合格に向けての具体的なアドバイスもさせていただきます。


▼小学校受験をこれからお考えの皆様に、最初に必ず知っておきたいことをまとめた連載コンテンツがこちら!

関連記事

新着記事