明星小学校平井先生×伸芽会飯田先生のスペシャル対談 私立小学校と公立小学校は何が違う?

明星小学校平井先生×伸芽会飯田先生のスペシャル対談 私立小学校と公立小学校は何が違う?

今回は明星小学校の平井先生と伸芽会飯田先生のスペシャル対談。テーマはずばり、私立小学校と公立小学校の違いについて。公立小学校と私立小学校両方で教員経験のある平井先生と、「私立小学校への進学は子どもへ贈る最高のギフト」と話す伸芽会 飯田先生に、私学の魅力や幼児教育の重要性についてお話を伺いました。

お子さんの小学校選びや入学後の学習の参考になるお話が満載です!

こちらの対談の様子をYoutubeチャンネルでも公開しております。ぜひ御覧ください!

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私立小学校と公立小学校の違いとは?

__飯田先生は、なぜ「私立小学校への進学は子どもへ贈る最高のギフト」とお考えなのでしょうか?

飯田先生:昭和の時代の小学校受験は一定の富裕層の家庭がするもので、多くのご家庭は公立小学校に通うことが当たり前でした。ですが、少子化も進み、共働きも増えた今では、一般のご家庭でも私学に行けるようになってきているのは事実です。

また、2020年の教育改革もあり、偏差値重視から「真の人間力を目指す教育」へ切り替わったことで、改めて私学の価値が再認識されました。コロナ禍でも私学志願者が増え続けていることもその証明だと思っています。ですから、子どもの未来を育む私学教育は、まさにわが子へのギフトとなるのではないかと考えています。

平井先生:私自身、公立小学校と私立小学校の両方で子どもたちを教えた経験から申し上げますと、私立小学校には教育方針のブレがありません。目には見えにくいですが、その子が置かれる私立小学校の環境そのものが、ギフトと言えますよね。

私学はなぜ学級崩壊しないのか

__平井先生は公立小学校と私立小学校の両方で教員経験がおありということですが、改めて公立と私立の違いをあげるとすると、どのようなことがありますか?

平井先生:正直、子ども一人ひとりはどちらもさほど変わりません。公立小学校にもお行儀のいい子はたくさんいますし、私立小学校にもやんちゃな子はたくさんいます。一人ひとりの教員も、公立小学校と私立小学校の教員は変わりません。もしかしたら研究熱心な教員は公立のほうが多いかもしれないくらい。ただ、学校、学年、学級の集団として見たとき、公立小学校と私立小学校には大きな違いがあると確信しています。私立小学校は「学ぶ集団」ができているのです。例えば私立小学校で学級が成り立たない崩壊している状態を私は見たことがありません。逆に言えば公立小学校では毎年複数見てきました。その原因となるものが私立小学校の環境にはあるのだと思います。

飯田:学級崩壊はもちろん、私立小学校では小1プロブレムも起きにくいと言われていますよね。考えられる理由としては、

・受験というフィルターで“ちゃんと座れる子たち”が選ばれて入学していること
・小学校入試の試験では知力だけではなく、基本的な生活習慣も問われること

があるように思いますが、いかがでしょう。

平井先生:おっしゃる通りです。私立小学校の子たちは入学の時点で集団の中で学ぶ姿勢ができているから学級崩壊も起きにくいのだと思います。そして、その土台を作ったのは幼児教育でありご家庭でもあると。また、公立小学校は全員に学習を定着させるためにどうしてもボトムアップに重点を置きますが、私立小学校は長くその子を見られるので「この子はどのあたりができていないか」などを翌年の先生に引き継いで、長い目でフォローできるのが魅力だと思いますね。

飯田先生:コロナ禍のときにある私立小学校の校長先生とお話しした際、学校行事がコロナで中止になってもどこかで必ずフォローしていきます、とおっしゃっていたのが印象的でした。

これからの私学教育に求められること

__これからの幼児教育や私学教育はどうあるべきだとお考えでしょうか。

平井先生:これからの私立小学校は公立小学校との違いを明確に主張していく必要があると思います。

公立小学校は文部科学省から出ている学習指導要領という学習の内容を網羅的に教える必要がありますが、例えば私立小学校では1年生から英語教育を行うなど、学習指導要領の内容とは異なることに足を踏みこむこともできます。

さらに、私立小学校では今後、集団全員をある一定の到達点にたどり着けるような指導の方法から抜け出していくことが望まれると思います。それではすぐに小学校の教員はAIにとって変わられてしまいますからね。理想的には一人ひとりが能動的にそれぞれの課題意識をもって学習に取り組ませる、ということです。そこで大切なことは教師の専門性です。

私は算数が専門ですが、2年生で学習する九九は、1年生のたし算、ひき算と大きなつながりがあり、3年生の大きな数のかけ算、わり算、高学年の割合につながっていくことを理解しながら指導することができます。九九が苦手な子は、図をかいて、たし算で求めたっていいし、得意な子は2位数のかけ算を解いたっていい。かける数が1より小さいときにどうなるか割合的な考え方に挑戦してもいい。私立小学校はこのような挑戦的な取り組みをある程度容易に行うことができる強みをもっと発信していかないといけないと感じています。

飯田先生:東京などの都市部には素晴らしい私立小学校が数多くあるものの、それを多くの親御さんが見たり知る機会がなく、中学受験に比べて小学校受験はまだ“特別なもの”という認識で広まらないという現状もあります。幼児教育の重要性を含めてそのあたりを私たち幼児教室側も発信していけたらと思っています。

__最後に、保護者の方にメッセージをお願いします。

平井先生:時代の流れがどんどん早くなっていく今は、すぐに結果が求められがちですが、せめて親御さんはお子さんのプロセスを認めてあげてほしいと思います。例えばテストの前日に必死になって勉強すると小学校の学習ではある程度の点数が取れてしまいますが、そのような知識・技能は身に付いていないことが多いです。点数という結果のみをほめる(または叱る)と、結果のみを気にする子が育ってしまいます。たとえ間違えたとしても、全く取り組まないのと、がんばったけど途中から分からなくなってしまったことには大きな違いがあります。ぜひ、「がんばって解こうとしていたプロセス」を褒めていただきたいですね。そうすれば次もがんばってやってみよう、という気持ちになるのです。これを私たちは価値づける、と言っています。どんどん経過を価値づけていってほしいと思います。

飯田先生:まさに幼児期でも同じことが言えます。今の幼児教室の多くは知識の詰込みではなくて、月齢に応じた発達を確認する場所です。ご家庭でも幼少期からも結果ではなくプロセスを重視するように意識して子育てしていただきたいですね。

著者プロフィール

SHINGA FARM(シンガファーム)編集部です。ママ・パパに役立つ子育て、教育に関する情報を発信していきます!
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