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【ゼロから始める小学校受験】第2回「公立・私立・国立小学校の特徴と選び方」

【ゼロから始める小学校受験】第2回「公立・私立・国立小学校の特徴と選び方」

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小学校受験ビギナーに向けてお届けする新企画。第二回は、「公立・私立・国立小学校の特色と選び方」。私立と公立との違いやどんな人が受験を考えているのか、さらに気になる費用についても詳しくお伝えしたいと思います!

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その1 そもそも受験が必要な小学校とは?

まず、全国にどのくらいの数の小学校があるかご存知でしょうか。令和元年度「文部科学省の学校基本調査」によると、小学校は全国に19,738校ある中で、私立小学校は237校、国立小学校は69校。よって残りの19,432校が公立の数となります。

私立と国立小学校を合わせると全体の1.5%。いかに狭き門かが分かるかと思います。また、全国的に見ると関東に私立・国立小学校が集中しており、関東圏ではおよそ20人に1人は公立以外の小学校に進学している計算になります(参考:令和元年度、文部科学省「文部科学統計要覧」)。

その2 小学校受験するのはどんな家庭が多いの?

小学校受験というと、経営者やお医者さん、芸能人などといった一部の富裕層がするものというイメージを持たれる方も多いと思いますが、共働き家庭も多い今、一般的なサラリーマン家庭でも小学校受験を検討する家庭が増えています。

小学校受験をする理由としては、「中学受験よりも負担が少ない小学校受験を」「一貫校でのびのびと育てたい」「私学の特色ある学びで、これからの時代を生きる上で必用な力を身につけたい」などが挙げられます。

また、公立小学校も地域によっては塾や習い事を低学年から複数掛け持ちする子も多いため、6年間トータルの費用対効果を考えて私立を選択するご家庭もいます。

とはいえ、小学校受験を意識するきっかけとしては、夫婦どちらかが小学校受験経験者であることが多いのは事実でしょう。

その3 私立や国立は、公立とどう違うの?

まずは私学の特色を4つの観点から見ていきましょう。

【カリキュラム】

私立と言っても女子校、男子校、一貫校とさまざまですが、1年生から英語やプログラミング、グローバル教育があり、高学年からは担任の先生とは異なる専科制を設けるなど、特色ある独自のカリキュラムを取り入れている点が公立校との一番の違いでしょう。

ただし、同じ私立でも、「礼儀を重んじる」「個性を伸ばす」「カトリック教育」「自由でのびのび」などと校風が異なるため、入学後の学習のペースや宿題の量はかなり差があります。

【学校行事】

文化祭などの学校行事においても、特に附属校の場合は大学までが一体となって大規模で行われ、芸術面に特化した本格的な展示や特技を生かした出し物に低学年から参加することで、心の成長を促します。

【クラブ活動】

クラブ活動においても、暁星小学校のサッカー、東洋英和女学院初等部の聖歌隊など小学生のうちから力を入れているところが多く、異年齢と関わりながらさまざまなことを学んでいきます。

【体験学習】

私学では体験学習にも力を入れています。たとえば青山学院初等部では、1年生から6年間で50日もの宿泊行事があり、早稲田実業学校初等部では1年生から可能なホームステイ制度もあります。公立では低学年の場合は遠足や社会科見学が年1~2回といったところが多いですから、体験量は大きく違ってくるといえます。

一方の国立小学校は、国が定める教育研究機関として設置されています。教育大学の実験校という位置付けなので、毎年募集する生徒の特性も変わることがあります。また、担任の先生はそれぞれ教科の専門を持っており、オリジナリティあふれる高い指導をしていきます。

クラスによって力を入れる科目が異なる場合も少なくありません。さまざまな新しい取り組みが多いため、教師と積極的に関わってくれる生徒を望むため、コミュニケーション能力や積極性に優れた子が多いと言われています。

私学と比べると圧倒的に学費が安いため、毎年数十倍と高い倍率なのも国立小学校の特色のひとつです。

私学との一番の違いとしては、受験できる学校が居住地により決められていることと、公平性を保つ意味で試験に抽選があること。また、入学後に保護者の協力参加が求められる機会が多いため、共働き世帯では時間のやりくりが大変かもしれません(私学の場合は学校により保護者の負担は差があります)。

一方の公立小学校でも、近頃は最先端の教育を取り入れていたり、番町小学校や白金小学校、青南小学校といった難関中学に合格者を輩出する「名門公立小」と呼ばれる学校が増えており、少しでもいい教育をと考え、その学区に引っ越す人も少なくありません。

こうした教育内容の特性に加え、共働きの場合は学童も必須となります。私学や国立小学校の中に併設しているところはまだ少なく、その場合は地域の学童か民間の学童に通うことになるでしょう。

公立小学校の敷地内に学童があると、私学などの別の学校の子は入りにくいことも。共働きの場合は、学童についてもしっかり検討しておくことをおすすめします。

その4 公立と私立、国立でかかる費用は?

私学の場合、初年度は学費以外に入学金や維持費、制服代に教材費などがあるため、平均で約100万円前後かかることが多いです。これに寄付金が加わるところもあります。

国立小学校は入学金や授業料はかからず、教材費と給食費、講演会費などになりますが、学校により差があります。代表的なところでは、筑波大学附属小学校では初年度約26万円、お茶の水大学附属小学校では初年度約42万円、東京芸大付属小金井小学校では初年度約75,000円となります。

これらに加えて、私学では試験を受ける検定料として2~3万円、国立は3,000円程度かかります。一方の公立小学校では授業料は無料ですが、教材費や給食費などの学校教育費が年間で10万円程度、6年間で約36万円と言われています(これに学童保育費が加わります)。

習い事などの学校外教育費も含めると、公立小学校は6年間で191万円なのに対し、私立小学校は913万円。およそ4.7倍の差があります(参考:平成30年度、文部科学省「子どもの学習費調査」)

その5 小学校受験における偏差値とは?

小学校受験においても、模試の結果などで偏差値が出されますが、これはあくまでペーパー試験を受けた人の中での数値であり目安です。小学校受験ではペーパー試験に加え、行動観察や面接などトータルで合否を出すものであり、中には慶應幼稚舎のようにペーパー試験がないところもあります。

心も身体も発達途中である5~6歳児の学力は、試験の前日まで伸びると言われています。親御さんは中学受験や高校受験のような偏差値と混同せず、一喜一憂しないようにしましょう。

 

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