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慶應義塾幼稚舎・横浜初等部に合格する秘訣とは?話題の「慶應合格指南講座」をレポート!

慶應義塾幼稚舎・横浜初等部に合格する秘訣とは?話題の「慶應合格指南講座」をレポート!

お受験の最高峰と言われる慶應義塾幼稚舎・慶應義塾横浜初等部。これら2校の魅力と合格するための秘訣に迫る伸芽会の人気セミナー「慶應合格指南講座」の模様をお届けします。

第一部では、伸芽会黒田先生から慶應義塾の理念や考査で求められている力について。第二部では、慶應義塾幼稚舎、慶應義塾横浜初等部に現在通われている伸芽会OB/OGの保護者様より学校の魅力や合格の決め手をお話しいただきました。ぜひ参考にしてみてください!

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慶應を受験するために心得ておきたい3つのこと!

まずは第一部である伸芽会教育研究所 入試指導室長の黒田先生から慶應受験に必要な3つの心得を。

その1 慶應義塾の基本理念を知ろう!

慶應義塾の基本理念はずばり「独立自尊の人を作ること」。独立とは、他人に頼ったり、組織にぶらさがるのではなく、自分で自分の道をひらける人のこと。自尊とは、尊大に構えず、自らを戒め品位を保つこと。この独立自尊の均衡が保たれていることが、人が人として存在する精神的規範となると考えているのが慶應義塾の基本理念です。

その2 小学校生活の教えに共感できるか

幼稚舎は「自分のことは自分でする」「嘘をつかない」「父母先生の言うことをよく聞く」「友達と仲良くする」という4つの教えがあり、横浜初等部では「律儀」「正直」「親切」という3つの教えがありますが、基本的考えはともに一致しています。

その3 考査の特徴を正しく分析する

親の面接がなくペーパー試験がないのが幼稚舎の考査の特徴です。30年以上前にはペーパー試験がありましたが、「子どもの生活の中心は遊びであり、人としての魅力や将来の力を育むこと」に重きをおいたため、遊びが中心の考査になりました。横浜初等部では、ペーパー試験はあるものの、遊びの中で子どもたちをみているといえます。

ちなみに幼稚舎は、絵画制作(創作活動)、行動観察(遊び)、運動テストの3つの分野で考査します。

絵画制作では、上手下手ではなく制作動機をみるもの。制作活動中に先生が子どもと会話をすることで人となりや経験を活かした力があるかをチェックします。行動観察は、広い視野と行動力が求められます。運動テストは、運動能力ではなくチーム分けすることで人との関わり方をみていきます。

横浜初等部に関しては、難易度が高い推理思考問題(回転図形、対称図形、マジックボックスなど)のペーパーを出していた時期もありましたが、ここ数年は、ペーパー試験内容も基礎的なことが多くなってきました。なぜなら、シンプルにした方が子どもは自分を表現しやすく、先生は子どもの素の状態をみやすいからです。

開校から学校側も試行錯誤して馬力のある子を求めていると感じます。

わが子の強みをつくる関わり方を意識すること

わが子の強みを作るために大事なことは、子どもの興味・関心に寄り添い親子で楽しみ、良さが強みになるまで認めること。実際の試験のために“仕立て上げられた子”はすぐにバレます。

親が一緒に楽しみ子どもを認めることで、子どもは自信がつくもの。試験の間近になればなるほど、認めてくれる人を子どもの周りにたくさんいる環境にしましょう。

願書の書き方は書き出しが重要!

どのように書くかは自由ですが、書き出しは大切です。子どもの名前の由来からどのように育って欲しいか、それが学校の教育方針や取り組みに共通するという流れが一般的です。学校出身者は、書き出しに書いて自分の生き方や子育て方について書いてもよいと思います。

あまり良くない願書というのは、自分の子どもを褒めちぎること。賛辞するのではなく、事実という形で感心する表現にとどめておいたほうがよいと思います。読んでいる人がわかりやすい文章を心がけることも大事です。

「小学校受験とは、何が正解かわからないものです。上の子で経験があっても下の子で悩む人もたくさんいます。子どもは、ほんのひとつのきっかけで変わることがありますから、やると決めたらわが子を信じること。受験に向けての生活の中で、思うようにいかないこともあるかもしれませんが、そんな時でも大人は気持ちのコントロールをしながら、あくまで母として父として子育ての基本に戻って考えることも忘れないでください」(黒田先生)

第二部では、伸芽会で慶應義塾幼稚舎に合格されたKさん、Yさん、Oさん、慶應義塾横浜初等部に合格されたNさん、Fさん、Iさんの保護者の方に、志望理由や受験生活で大切だったことをお伺いしました。

実際に通ってから感じた慶應の魅力とは?

Oさん「クラスが6年間一緒の環境は幼稚舎の特徴的です。周りと比べることなく生まれもったアイデンティティーを育てられます」

Nさん「横浜初等部には、伝統的な学校ながら改良と工夫があることと、よりよい学校にするための謙虚な姿勢がみえます。海外の学校を参考に、生徒たちが活発に意見交換できる環境を試行錯誤しています」

慶應を志望した経緯は?

Oさん「学校説明会での結びの言葉である、人生を楽しみ社会を肯定的にみて自分の能力をいかし、人の役に立てる人間にという方針を聞き、子どもの将来像にぴったりだと感じ志望しました」

Iさん「伝統や歴史がありながら未来志向な学校であること。独立自尊を未来にどう展開していくかという期待と、横浜初等部ならではのグローバルな展開に魅力を感じました」

受験準備の過程で苦労したことは?

Nさん「偏差値が伸び悩む時が精神的に辛かったです。プリントの苦手分野は、具体物を取り組み基本に戻るよう意識し、共働きなので、朝の30分で取り組めるような工夫もしました。行動観察ではうまく話せないことはありましたが、その点は伸芽会にお任せしました」

Yさん「家庭学習の時間捻出は大変でしたが、得意不得意を早めに見極め、家庭では得意なことを伸ばすことに集中し、不得意だった所作と体操は教室に頼ることにしました」

入試直前期はどう過ごしていましたか?

Kさん「本番2ヶ月前の模擬試験の結果がふるわず、不安で家の廊下にゴム段を設置したほど。でも、些細なことで不安になるのではなく、これまで3年間準備してきた経験を大事に、本番でできればよしという気持ちに切り替えました」

Iさん「直前期になると、母親は目がつり上がり髪を振り乱しがちなので(笑)、父親の役目は、母親のケアだと考えました。母親は子どもへの影響が強いので、妻をリラックスさせるために、子どもと外に出かけ、考査の実技につながるような遊びを意識しました。また、相談することで落ち着くこともあるので伸芽会のサポートにも助けられました」

慶應に合格した決め手とは?

Oさん「日々の生活では、同年代のお友達との関わり方で学べることが多かったと思います。状況判断力がつき、その力が試験での思わぬパプニングにも対応できたと思っています」

Yさん「子どもを子どもとして接しないこと。受験を志す前の幼き頃から、大人に話しかけるようにわが子に対応していました。その結果、会話力や対人力が向上したのではないかと思います」

Nさん「受験をする上で大切なのは、親子がしっかりと向き合って信頼関係を育むこと。なんのためにお教室に通っているのかわからない子どもに対し、親が一緒に団結して取り組む姿勢が大事だったと感じます」

これから慶應受験を目指す保護者へのメッセージ

Iさん「両親・子どもが最後まで諦めないこと。子どもを信じ、大丈夫だよと伝え続けてください」

Fさん「合否に関わらず得るものがあるという気持ちで頑張って欲しいです」

Nさん「どんなに準備しても運やご縁で決まってしまうこともある。楽しみながら子どもの将来に繋がると考えながら取り組むとよいと思います」

Oさん「子どもを褒めることに留まりがちだが、好きなことや認めて欲しいものをたくさん見つけてあげて欲しいです。幼稚舎では競争相手は他人ではなく自分自身だと教わります。他人と比べず子どもを見守りながら楽しんでください」

Yさん「母は必死になればなるほど目がつり上がってきます。しかし子どもと共に過ごせる貴重な時間なので、子どもの存在意義を認め、否定的な言葉を使用せず目を合わせ、口角を上げることを意識し笑顔で頑張ってください」

Kさん「いろんな情報に振り回されず品性を保ち、受験生活に偏るのではなく、年長という貴重な時期を楽しんで欲しいと思います」

慶應義塾幼稚舎、横浜初等部両校は、小学校受験において高倍率で最難関校とされています。独立自尊の人の育成を目指す両校共に、親子の関わりや成長を楽しめた家族が合格を手にしているのではないかと思います。

著者プロフィール

フリーランスでライター・ビジネスサポートの活動と不定期で外資系コンサルティングファームに勤務している。私立小学校の学内誌編集委員を担当。小学生男児1人の母。2020年より幼児教育のメンバーズサロンを立ち上げ、幼児教室非常勤講師として活動も。

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