白百合学園小学校に合格する子どもと家庭の特徴と受験対策を解説!【女子難関校】

白百合学園小学校に合格する子どもと家庭の特徴と受験対策を解説!【女子難関校】

千代田区九段下にある白百合学園小学校は、創立から140年以上の歴史があり、幼稚園から小中高大学までを持つ、カトリックの女子一貫校です。

そんな女子難関校の一つである白百合学園小学校に合格する子の特徴や家庭学習の注意点について、伸芽会の江間裕美先生にお話を伺いました。

白百合学園小学校3つの特徴

__白百合学園小学校の特徴を教えてください
宗教教育
カトリックのキリスト教である白百合学園小学校 では、創立当初の修道女の想いを基に教育活動を続け、「従順」「勤勉」「愛徳」の3つの教訓を掲げています。

従順「すすんでみがこう正しい心」
勤勉「すすんでなんでもいっしょうけんめいに」
愛徳「すすんで親切よろこんで」

(出典:白百合学園小学校HP

毎日の朝礼、終礼、食事で日々祈りを捧げることはもちろん、宗教の授業や年間を通した宗教活動で、キリスト教の精神に根差した価値観を日々の生活の中で実践しています。

キリスト教の女子校には「生徒を社会に奉仕できる女性に育てたい」という共通の思いが込められているのです。

2人担任制
教員と生徒のつながりを大事にしている白百合学園小学校では、専科の教師以外に、2名の担任制をとっています。

復習を大切にしているため、週1回漢字計算や調べ学習といった家庭学習ノートを提出するのですが、一人ひとりの学習の理解度をしっかりと確認しながら、2名の担任による細やかで適切なサポートを行っています。

また、各教科で「多用な考え方」を大事にしており、算数でも論理的思考力を養うために6年から少人数制で互いの考えを深め話し合う時間を設けることで、自分の考えを深めたり、新しい発見ができる学びとなっています。

外国語教育
白百合学園の外国語教育最大の特徴は、英語に加えてカトリックのルーツであるフランス語を1年生から週1回学習することです。

ネイティブ講師を交えた少人数の指導で、6年間かけて英語とフランス語で「聞く・話す・読む・書ける」ようになるのはもちろん、言葉の楽しさや文化についても深く学習することで、自分の考えを伝えたり相手を尊重する寛容な心を学んでいきます。

ちなみに、フランス語は中学でも必修で、英語とフランス語を連動させながら学ぶ授業もあります。

白百合学園小学校に合格する子の特徴「当たり前にできる基準が高い」

__白百合学園小学校に合格する子どもの特徴を教えてください
試験では、学校が掲げる以下の校訓を見ていると伸芽会は考えております。

「従順(よりよいものを求める力)」
「勤勉(与えられたものに一生懸命取り組めるか)」
「愛徳(価値観が多様な中、相手を尊重し合う心)」

入試対策に関しても、課題が多岐に渡りペーパーテストも難易度が高いため、「何ごともバランスよく準備できる子」が合格している印象です。

具体的には、ペーパーテストも個別テストも音源を使った試験なので、「集中して一度で課題を聞く力」が必要です。また、集中力が問われる「話の記憶」は、試験の序盤ではなくあえて中盤に出題されるため「集中力を切らさず諦めないこと」は素地として求められます。

他にも、「問題冊子が横とじなので、めくり方に慣れておくこと」、物を大切にするという考えで用意されたクーピーが5cmくらいと短いこともあるため、「多少書きにくい筆記具でも正しく持ち丁寧に書けること」といった、当たり前にできることに対する基準が高いのも、この学校の特徴です。

・女子難関校に合格する秘訣に関しては、こちらの記事もご覧ください。
雙葉小学校、白百合学園小学校、聖心女子学院初等科…… 女子難関校に合格するにはどんな準備をすればいい?

白百合学園小学校に合格する家庭の特徴「軸があってブレがない」

白百合学園小学校に合格する家庭の特徴「軸があってブレがない」

__白百合学園小学校に合格する家庭の特徴を教えてください
白百合学園はもちろん、難関女子一貫校では「最も身近な存在であるお母様の姿が、女の子の物の見方や考え方の手本となり、価値観の形成に大きな影響を与える」と考えています。

そのため、挨拶、ものの扱い、行儀といった「当たり前にできることに対する基準が高いこと」はお子さまだけではなくお母様にも求められます。

また、日ごろから丁寧な暮らしを心掛けるとともに、「あなただったらどう考える?」というお子さまの心への問いかけ、言語判断力を養う教育を実践しているご家庭が合格されているように思います。

さらに、学校への理解やキリスト教教育、お子さまの将来に関しても漠然としたものではなく、具体的に実践でき、表面的ではなく軸があってブレがないご家庭が多いです。

総じて、学校が望む「就学に必要な力」を備えるべく、無理なく堅実に歩みを進めた賢いご家庭が合格されている印象です。

・姉妹校である湘南白百合学園小学校に関しては、こちらの記事をご覧ください。
湘南白百合学園小学校の新校長にインタビュー 女子ならではの幼小中高一貫教育を掲げるキリスト教育とは 【PR】

白百合学園小学校の入試の特徴と対策

白百合学園小学校の入試の特徴と対策

__白百合学園小学校の入試の特徴と対策について教えてください。
試験は「ペーパーテスト」「個別テスト」「行動観察テスト」「親子面接」が例年の傾向です。
それぞれの特徴は以下の通りです。

ペーパーテスト
数量、推理・思考、話の記憶、言語などから出題されます。問題量のわりに時間が短いので、集中して短時間で解くスピードが求められます。

個別テスト
お手伝いや身の回りに関する生活習慣についてもよく出題されます。

ぞうきんを絞って丁寧に拭く、といったお手伝いの高いレベルは当たり前ですが、試験でも「お父様やお母様があなたにいつも言うことはどんなことですか? 3つ教えてください」といった、ご家庭の日ごろの教育観が表れるような問題の他、さらに、その子の言語表現力が問われる一筋縄ではいかない問題までが出題されます。

そのため、日ごろから「家庭の一員として役割を担い、互いに感謝の気持ちと共に思いやれているか」がカギとなります。

行動観察テスト(集団)
小グループでの共同制作や共同絵画を行います。ここで見られるのは「愛徳(お友だちと相談しながら協力して行えるか)」です。

率先したリーダーシップではなく、「自分の考えを伝えながらお友だちの考えも尊重できること」が求められる最低ラインです。

親子面接
親子面接では、お子さまにあえて「一番行きたい学校と理由は?」と聞かれることもあります。

もちろん複数の学校を受けていることは学校側も理解していますが、「学校を理解した上で希望しているか」を確認しています。

いろんな子がいる学校生活の中で、学校側は常に「自分は何ができるか」「場をわきまえて今何をすべきか」を考え言葉で発信できる子を求めています。つまり、そんなわが子のよさを後押しできる親かどうかを見ているのです。

・受験において幼児期のお手伝いの大切さと、習慣化させるコツに関しては、こちらの記事もご覧ください。
幼稚園・小学校受験 合格のカギは「お手伝い」にあり!

女子難関校受験における家庭学習で気をつけたいポイント

女子難関校受験における家庭学習で気をつけたいポイント

__家庭学習で気をつけたいポイントはありますか?
女子難関校を志望されるお子さまの特徴として、真面目に努力できる一方で、「間違えたくない」という気持ちが強くなりがちなのですが、その際に「こうしなさい」ではなく「どうしたらいいと思う?」と答えを引き出し、それを認めて肯定しながら、お子さまの考えの軸を作っていくことが大切です。

女子難関校では、生活面でも高いしつけのレベルが求められます。ぜひ実践していただきたいこととしては、主に次のような行動です。

・生活習慣は時間をかけて毎日のように繰り返す
・1日1回は手をとめて目を見て喜んで話を聞く
・「あなたはこういうことを言いたかったのかな?」と代弁しながら語彙力を伸ばす
・「お父様はこう考えているけどあなたはどう考える?」と家族でも考えが異なると教える
・お手伝いを通して誰かのために尽くすことに喜びを感じられるようにする

これらは、すぐに習得できるものではありません。親御さんはお子さまを肯定しながら、日々の生活の中で少しずつ「心の声にも目を向けられるような関わり」と「喜びを感じられる感性」を育てていきましょう。

・子どものしつけの正しいやり方に関しては、こちらの記事もご覧ください。
子どものしつけは何歳から?年齢別の正しい伝え方

著者プロフィール

SHINGA FARM(シンガファーム)編集部が執筆、株式会社 伸芽会による完全監修記事です。 SHINGA FARMを運営する伸芽会は、創立半世紀を超える幼児教育のパイオニア。詰め込みやマニュアルが通用しない幼児教育の世界で、毎年名門小学校へ多数の合格者を送り出しています。このSHINGA FARMでは育児や教育にお悩みのご家庭を応援するべく、子育てから受験まで様々なお役立ち情報を発信しています。
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