ワーママのストレス解消のコツは思考を休めること! 時間のないワーママが陥りがちな「グルグル思考」とは?

ワーママのストレス解消のコツは思考を休めること! 時間のないワーママが陥りがちな「グルグル思考」とは?

子育てに仕事に家事にと日々奮闘するママは、やることは山のごとしで、常にバタバタしていて疲れが取れないという方も多いものです。時間が足りない以上、もうどうにもならないだろうと、日々を惰性で流していることもあるかもしれません。今回はそんな忙しいママが心穏やかな時間を少しでも増やせるように、認知行動療法におけるストレス対策についてご紹介します。

働くママに多い悩み1位は「夫への怒りやイライラ」

当サイト・シンガファームのツイッターで、ワーママのみなさんのお悩みを教えていただいたところ、
Q今一番消えて欲しい感情は?

・怒りやイライラが61.9%
・自己嫌悪が14.3%
・不安も同じく14.3%
・焦りが9.5%

という結果となりました。

また、“ストレスの対象”に関する問いへの回答は、
Q日頃、どんなことに対して一番ストレスを感じることが多いですか?

・夫が41.7%
・仕事やママ友の人間関係が29.2%
・子どもが20.8%
・両親(義両親)などの身内が8.3%

という結果でした。

実際、私の相談室で受けるお悩みの質を見ても、ほぼ同じ感触です。ただ私の相談室は子育て相談が主軸なので、職場やママ友などの外部の人間関係よりは、子どもが怒りの対象になることが多いですが、それ以外はすべて合致していると言えます。

私が常々感じている子育て中のストレスの特色は、
・とにかく怒りやイライラが悩みの人が多い
・夫がきっかけであることが多い

ということ。みなさんのストレスをこのアンケート結果と照らし合わせるとどうでしょうか?

実は「自分の思考」によるストレスも大きな要因!

ただ、このままだと、「私のストレスは夫のせいだ、子どものせいだ、ママ友のせいだ」となってしまいそうですが、私たちのストレスは、単純に環境が悪いだけで引き起こされるわけではありません。もしそうであれば、同じ環境に置かれたら、全員が同じレベルのストレスを感じるはずです。しかし実際には、同じような環境に置かれていても、ストレスの感じ方には個人差があります。この違いを説明するのが、思考によるストレスです。

心理学では、「反芻思考」とか「グルグル思考」とも呼ばれていますが、たとえば、こんなことです。

・朝、園で会ったママ友との会話を思い出し、ああでもないこうでもないと悶々と考えてしまった
・夕べの夫の言動を思い返し、あんな言い方すべきでないと怒りが再燃した
・子育てのことで、こうなったらどうしよう、ああなったらどうしようと起こりうることをすべて心配してしまう

こうやって、四六時中思考を回転させて、それに疲弊していってしまうことを指します。

その特色を大別すると、

・すでに起こった出来事を思い起こしては批評する⇒過去に対するグルグル思考
・これから起こることに対し、「もしもの場合」を考え過ぎる⇒未来に対するグルグル思考

という2方向があるのですが、私のカウンセリングでの印象では、子育て世代においては、未来よりも過去に対するグルグル思考をしていることの方が多いように思います。つまり、イライラするような過去の出来事を頭の中で思い返しては、再びイライラするという繰り返しです。

朝起こった出来事に対し、その時に怒るだけでは留まらず、その後何時間も心の中で煮えくり返してしまうのです。すでに目の前には、夫も、子どもも、ママ友もいないのに、その時の怒りだけはグルグル思考によって続いてしまう……。これが、子育て世代に非常によく見られるストレスのパターンだと感じています。

実際の忙しさ+グルグル思考で自分の時間がさらになくなる!

グルグル思考の特徴は、エンドレスに長引いてしまいがちなことです。それにより、ママたちの大切な時間をも浸食してしまうことが非常によくあります。

・自分の時間がない
・忙しくていつも焦っている
・やることに追われている

このようなお悩みはワーママの方にとても多いですが、育児、家事、仕事という3つを回さなくてはいけない“実際の忙しさ”に加え、グルグル思考により自分自身を休める時間を奪ってしまっているケースはよく見られます。

ようやく確保できた30分の自分時間なのに、充実感なく終わってしまい、結局自分の時間を持てた感覚がない……。こういう場合、「私はいったい何をしていたんだろう?」と振り返ると、“悶々と思考を回していた“ということがとても多いのです。思考が休まらないことで実質以上に忙しく感じるケースは非常によくあることですが、それを客観的に眺める機会がないために見過ごされがちです。

「私のせっかくの貴重な時間が私の思考によって奪われていないか」という視点でのストレス対策はとても大事と言えます。

悩んだときは2ステップでストレス対策を捉えてみよう

今回は、「自分の思考が自分のストレスに加担している可能性」について見てきましたが、ここからはそんなストレスにどう向き合うかについて話をしていきます。

【ステップ1:悩みに根本的に働きかけてみる】

私のカウンセリングでよくお伝えするのは、まずは根本的な悩み解決ができないかを検討することが大事ということです。

そもそも、
・子どもがもうちょっと言うことを聞いてくれたら
・夫がもっとサポートしてくれたら

ストレスは軽減され、自ずと余計なグルグル思考も減っていきますよね。

ですので、この場合は、
・子どもが宿題をちゃんとやるような仕組みを作る
・夫に今感じている要望を提言する

のような、根本的な働きかけはまず大事になります。これが1つめのステップです。

【ステップ2:グルグル思考にならない工夫をする】

しかし、それをもうすでに試みたのに、いっこうに改善されないことも多いものです。そういう場合、上記で触れたグルグル思考が展開しやすくなるので、ストレスケアの次の段階として、そこに介入していきます。その人に合ったやり方があるので、ここではポイントごとにご紹介しますので、自分にフィットする方法を試してみてください。

◆目線をそらす
音楽を聴いたり、ジョギングをしたりするのは、ストレス解消法の定番ですが、このような気分転換につながる行動は、ストレスそのものから気持ちをそらすことができるのでとても有効です。またその延長として、なにかに没頭するのもおすすめです。たとえば、通勤時間にミステリー小説にのめり込むなど。いずれもグルグル思考から離れる時間を作ることにつながっています。

◆言語化する
心の中であれこれ考えていると、どんどんとエスカレートしてしまい、はたから見れば話しの展開が飛躍していることがよくあります。それよりは、実際にそれを言語にして外に出してみてください。友だちや両親など、信頼おけるだれかに話を聞いてもらえるといいですね。認知行動療法のカウンセリングでは、紙に書き出すという作業をするのですが、頭の中のグルグルを見える形にすると、自分の行き過ぎた思考を俯瞰しやすくなります。

◆思考に介入する
今回これを読んで、“グルグル思考”の存在に気づけたら、そこに切り込んでいくのも有効です。「ほら、グルグルが始まってるよ」「せっかくの自分時間がもったいないよ」「自分が損するだけだよ」などと、外側にいる自分が内なる自分に声をかけてあげる、自分を二分化するイメージです。グルグル思考はだれも止めようとしないからエンドレスにグルグル回ってしまうので、そこにストップをかける役を自分で行なうのですね。

今回お伝えしたグルグル思考は私たちの感情を逆なでする大きな要因であり、もともと少ないワーママの自分時間を、さらに奪いかねない存在でもあります。「それはもったいない!」という認識を持って意識的に減らしていければ、心がすっきりしてくるはずです。

著者プロフィール

SHINGA FARM(シンガファーム)編集部です。ママ・パパに役立つ子育て、教育に関する情報を発信していきます!
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