忙しいママに朗報! プロが伝授する、今どき整理収納の時短テクニック

忙しいママに朗報! プロが伝授する、今どき整理収納の時短テクニック

年末に向けて大掃除や片づけをしたいけれど、仕事や家事や子育てに追われて時間もやる気もない……。そんなワーキングマザーは多いのではないでしょうか。
そこで、これまで、6000件以上の家庭で整理収納をアドバイスしてきた片付けのプロ、家事代行マッチングサービス「タスカジ」(https://taskaji.jp)で予約の取れない整理収納の家政婦・seaさんに、ワーママに向けた整理収納のテクニックを教えていただきました。


sea
大学卒業後に始めた家事代行サービスの仕事にはまり、20年以上にわたって個人宅の片づけや掃除を行ってきたseaさん。いままでに片づけた家は6000軒以上。家事代行マッチングサービス「タスカジ」(https://taskaji.jp)では「seaさんが片づけてくれると、なぜか家族の仲までよくなる」と口コミで評判になり、「予約の取れない家政婦」と呼ばれるように。メディア出演や執筆、片づけ講座の企画・開発など幅広く活動を行う。新刊『家じゅうの「めんどくさい」をなくす。』(ダイヤモンド社)が発売中。https://www.amazon.co.jp/dp/4478110697/

「今使うもの」に注目して片づけよう

__時間がないワーママにおすすめの整理収納法を教えてください

タスカジでは1枠3時間なので、「3時間でもこんなに変わるんだ!」と実感できるような作業の進め方を意識しています。片づけは「最初の1歩で効果がでること」がやる気につながりますから。

短時間で成果を出していく片づけのコツとしては、「今か、今じゃないか」を見極めること。「今使っているモノや大事な場所」に徹底的にフォーカスして、それ以外は「やらないこと(いったん後回し)」と割り切ると成果が出やすいです。

家の中すべてをちゃんとしようと思うと大変ですから、今の暮らしの中で「ここを使いやすく変えたい」と思う場所から始めましょう。場所だけでなく中身についても同様です。クローゼットなら「オンシーズンの服」を優先に「オフシーズンの服」はいったん後回し。「やること」よりも「やらないこと」をはっきりすると片づけの負担がぐっと下がるのです。

ポイント1 今不便な場所やモノをはっきりさせる

たとえば小学校受験を控えたご家庭はたまるプリントもかなりの量です。ここからさらに増えてくとして、不便なのは「絶対に見返したいモノ」が埋もれたり、揃っていなかったりすること。「見返さないモノ」は後回しでも困りませんよね。

ポイント2 今使うモノこそ出し入れしやすくする

おもちゃの収納の場合、お子さんの「今」は短時間で移り変わっていきます。今使うモノ(お気に入り)を残して、今使わないモノ(ブーム終了、お下がり)はボックスなどにしまいましょう。使わないモノが視界に入らないとすっきりしますし、使いたいモノをゆったり出し入れしやすくできます。

言われてみれば簡単ですが、忙しくて部屋が散らかってイライラしてしまう、そんなときこそ、「第三者の冷静な脳みそが入るとストレスなく片づけられる」とseaさん。
続いて、そんな第三者に依頼する際の注意点をお伝えします。

片づけを外注する際に気を付けたいこと

__収納のプロに片づけてもらう際、片づけは事前にしておいた方がいいのでしょうか?

個人的には、できるだけいつもの状態のまま迎えてほしいですね。お部屋を拝見しただけで「何がどう散らかるのか」がわかりますし「どうなればご満足いただけそうか」もイメージしやすいので。「収納がいっぱい・戻しにくい・動線が遠い」などの原因を探って、解決案を考えるのもスムーズです。

もちろん、前日に最後の力を振り絞って片づけてくださる人もいます。それはそれで、いち早く作業に入れますからOKなんです。頑張れば片づけられる人でも散らかってしまうお部屋なので、しくみはどうなっているのか、家族の片づけ習慣はどうか…というところをヒアリングしていきます。

私たちプロはどんなお部屋の状態でも怒ったりしませんから、どうか安心して依頼してください。

私たちは「正しい片づけ」を押しつけるようなことはしません。各家庭の事情をくみとりながら一緒に答えを探していくサービスですから。モノを減らす・しまい方を変える・置き場所と生活動線を見直す・家具を入れ替えるなどをアドバイスしますが、最終的にどうするか決めるのは依頼者さんです。コミュニケーションの要素が大きいので、「相性が合う」と感じる人がおすすめです。

依頼場所の第1位がリビング・ダイニングスペースな理由

__具体的にどんな場所の収納のご依頼が多いのでしょうか?

子育て世帯の収納のご依頼で圧倒的に多い場所が「リビング・ダイニング」です。ここは、家の中で圧倒的に役割が多い場所。本来の「くつろぐ・食事する」以外に、お子さんの遊びや着替え、家庭学習、もろもろの家庭運営を支える“母ステーション”まで担う多機能スペースです。

しかも最近はテレワークのワークスペースとしても整えたい!というご依頼も増えています。リビング・ダイニングはモノが集まりやすい場所なので、より意識して「今じゃないモノ」を追い出していく必要があります。

家族みんなが収納上手になるには?

__夫婦や子どもなど、家族みんなで収納上手になる秘訣はありますか?

まずは家族のそれぞれのセルフスペースを片づけやすくしましょう。お子さんのおもちゃ置き場、夫のクローゼット、あたりが良さそうです。自分の場所を自分でコントロールする、という感覚を育てるのが先。妻が家の中すべての片づけの最終責任者にならないことが理想です。

それと、夫婦で片づけの感覚が異なることもありますよね。妻は気にならなくても夫は気になるなど……。家庭内ではどうしても、片づけスキルの高い人の声が大きくなりがちですが、そういう人のレベルにもう片方が合わせればいいわけではないんです。双方が納得できる落としどころを探る作業が大切です。これは当人同士だと喧嘩になりがちなので、私たちのような第三者が入るとどちらの気持ちもわかるので解決しやすいです。

また、片づけや収納が好きな方ほど、思いつきで模様替えしたり、収納グッズを買ってみたりを繰り返していることが多いです。そうすると、頑張って収納を見直しても、家族は「ママがまたなんかやってる」と他人事のように受けとめられがち。「やるのは勝手だけど俺を巻き込まないでくれ」などと文句を言われるのは腹立たしいですよね。そうならないためには、家族の言い分をくみ取り、使い勝手に配慮したしくみを作ることが大切です。

散らかりがちな子どもの学習スペースの整え方

__通常期や受験期など子どもの学習環境の作り方について

お子さんの学習スペースのご依頼も多いですね。リビング学習がメインのスタート期と個室で集中して勉強したい受験期ではスペースの使い方が違ってきます。とはいえ、学習スペースで散らかるアイテムは「プリント類」と「文房具」です。プリント毎日どんどん増えていきます。下手に細かく管理させようと思わずに、「学校・習い事・その他」と3つの山を作るようにさせると探しやすくなります。

文房具に関しては、幼少期から自分のスペースをコントロールする練習もしてほしいですね。たとえばお絵かき用のクレヨンや折り紙などを100均のトレイに入れてテーブル回りに置いてみましょう。「あなたがこのトレイを管理してね」で幼児はとても喜びます。このように小さいアクションからスペースを使いこなす体験が、のちに学習机や一人部屋を与えた時もセルフようにさせるスペースが上手に使えるようになるコツです。

また、小学校以降、文具が一気に増えますが、お子さんがコントロールするのは難しいので、鉛筆はここ、消しゴムはここ、と決めて一緒に管理していくのがおすすめです。

ワーママにこそ活用してほしい!片づけ定期利用のメリット

__定期的に来てもらうメリットについて教えていただけますか?

定期利用のしかたによって、メリットは3つあると思っています。

ひとつ目は、使いやすくてリバウンドしにくいしくみをつくれるということ。出産や復職、お子さんの小学校入学等のタイミングで、期間限定・短期集中で整理収納を定期利用される方は多いです。

ふたつ目は、できたしくみを良い状態でキープできるということ。お掃除と整理収納、両方対応可能なタスカジさんを定期利用すると、日々の掃除をお願いしながら、そのときどきで季節モノの入れ替えや、子どもの成長に合わせたちょっとしたマイナーチェンジも相談できるので安心です。

3つ目は中長期にわたって家のしくみを相談できるパートナーを得られること。これは厳密には「定期利用」ではないのですが、お子さんの成長に合わせて、部屋の使い方をアップデートするために呼ばれることも多いです。親子でベッドを分ける、学習机を導入する、きょうだいの個室づくりをどうするかなど……。同じ人に定期的に来てもらうメリットとしては、お互い何をどこにしまったのかを話す・聞く手間が省けることと、整理収納のプロは時間が経っても前に片づけたことを覚えているのでアドバイスしやすいことがあげられます。

子どもの個室を将来作るとしても、同性か異性かによって選択肢をフラットに提案できるので、考えるコストも少なくなると思います。あれこれ考えたり、夫婦でもめたりする時間ももったいないですから(笑)。

家族の外側にいるけど家づくりを見守ってくれる存在として、「何かあったらタスカジさんに聞けばいい」と思ってもらえたらうれしいですね。

家以外に荷物を預けるサブスクサービスの賢い活用法

__収納場所がない場合、荷物を一定期間預けるサービスもありますが、収納のプロ的にはどうお考えですか?

コンパクトな都心のマンションにお住まいの場合など、前向きに検討してよいと思います。預けるモノとしては、年1回程度は出して使う予定のある季節アイテムがおすすめです。オフシーズン衣類、お雛様、兜、クリスマスツリーなどの飾り物、キャンプ、スノボなどのアウトドア用品など。取り出し予定をあらかじめ予約しておくと、リマインドにもなります。出し入れにコストがかかるとしても、何を預けているか忘れにくく活用できることが大事です。逆に一番ダメなのが、よくわからない詰め合わせをとりあえず預けること。

中身にコンセプトがないと出すタイミングもなくコストだけ無期限に発生してしまいます。

布団やコートなどのクリーニング保管サービスも同様です。使う予定のあるものであれば活用していいと思います。預けたものをスマホで見られるなどサービスもどんどん進化しています。今必要なものに絞って生活していくのが、限られたスペースを有効に使う一つの方法です。

__家事も子育ても仕事も頑張るママさんに、一言メッセージをお願いします。

これまでいろいろなお家を見てきました。皆さんお仕事の仕方もさまざまですが、自分のこと、家のこと、お子さんのこと、受験のサポート……たくさんのタスクを当たり前にこなしていてすごいですよね。世の中のお母さんたちを尊敬します。

ご自身の至らなさに悩んでいる方もいらっしゃるかもしれませんが、家事や片づけは、スキルを無理に上げようと思わず、外部に味方を増やすマネジメント力を磨くだけでいいんです。お料理、掃除、片づけのプロに相談して頼ってください。私たちもできる限りそんなママたちのサポートをしていきたいと思っています。

家事代行マッチングサービス「タスカジ」
タスカジとは、家事をお願いしたい人と多彩な家事スキルを活かして働くハウスキーパー(=タスカジさん)をつなぐ、シェアリングエコノミーの家事代行マッチングサービスです。限られた時間でオーダーをこなす家事のプロが多数登録しており、プロフィールとレビューを見て依頼者自身が自分にピッタリのハウスキーパーを選び、依頼できるのが特徴。ハウスキーパーと直接やりとりして希望を伝えることで、自分や家族に合ったサービスや細かい要望もオーダーすることが可能です。http://taskaji.jp

著者プロフィール

ライター・エディター。出版社にて女性誌の編集を経て、現在はフリーランスで女性誌やライフスタイル誌、ママ向けのweb媒体などで執筆やディレクションを手がけている。1児の母。2015年に保育士資格取得。

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