家事や育児の分担どうしてる?-国際結婚カップルの場合-

家事や育児の分担どうしてる?-国際結婚カップルの場合-

母親による、いわゆる「ワンオペ育児」が社会問題になる厳しい日本の子育て事情。ある情報雑誌の調査では、夫にやってほしい家事育児の1位が「子どもとの会話」になるほど、日本の子育て事情は、ママが主になっているようです。

今回は、国際結婚カップルの視点から、家事や育児の分担についてお伝えします。

日経DUAL記事

「子どもが発熱!仕事を休むのは、パパ?ママどっち?」

日本では、暗黙の了解でママが仕事を休んで看病となることが多いですが、国際結婚カップルは、合理性を求めて決定することが自然です。

例えばママがドクターの場合、患者の予約が入っているので、休んで看病するのはパパ。「僕の仕事は、オフィスワークなのでリスケが可能。リスケできない妻の仕事のスケジュールを優先するのは、当然の事でしょ?」というパパもいます。

そういえば、映画「マイインターン」でも妻のキャリアアップのために、夫が主夫になっていましたね。プライドよりも合理性。女性のキャリアアップもきちんと応援する。海外のカップルでは、こういったケースが珍しくありません。

子育ては、管理じゃない。だから習い事の送り迎えだって当然「やりたい事」になる

習い事の送迎も、積極的に行うパパが多いです。例えば、平日は仕事で行けなくても、休みの日は、必ず習い事の送迎をします。「だって、自分の子どもでしょ?習い事でどんなことをしているのか?見たいのは親なら当然の気持ちだよ。」という意見が聞かれます。

日本では、1週間の習い事スケジュールをいかにそつなくこなすか?が重要視されがち。例えば、1日単位でも「宿題をやらせる」「学校からの書類を提出させる」「お風呂に入れる」など、子どもを管理する傾向にあります。したがって、習い事の送迎も「タスク」になってしまいます。

「やらねばならぬ事」から「やりたい事」に視点を変えるのも必要ですね。

巻き込み参加させる環境。子育ては、共同作業であるが大前提

海外のスクールでは、保護者会に夫婦で参加する場合が多いです。理由は単純。「夫婦2人の子どもだから。」です。

したがって、子どもの学校でどんなことが行われているか?それに対して自分たちは何をしなければいけないのか?自分たちの子どもをどのようにサポートしなければならないのか?など、常に子育ては夫婦の共同責任と考えているので、保護者会などの学校行事にも積極的に参加します。

また、海外でよくあるのが、ポットラックパーティー(食べものを持ち寄ったパーティー)です。

ここでは、各家庭が自慢の一品を持ち寄ります。海外では、普段、料理をしないパパも、先祖代々伝わる料理など「得意の一品」を持っていることが多く、幼稚園などでは「今度のポトラックでは、○○ちゃんのパパのアボカドのディップを楽しみにしています!」なんて、先生からリクエストされることがあります。それを聞いたパパも喜んで準備し、パパの自慢料理があつまるポットラックパーティーになります。

手の込んだ料理でなくとも「パパの味」「ママの味」を持ち、みんなで参加できる雰囲気づくりを行うことが大切です。

オンオフの切り替えは、しっかり。だからスマホを見ながらなんてしない

日本では、スマホを見ながらの「ながら育児」は、パパ、ママともに良く見られる光景です。

海外では、オンとオフの切り替えがしっかりされていることが多く、「休みの日は、仕事を忘れてしっかり休む」「仕事が終わったら、家族と過ごす」というのが普通。こういった視点から、海外では子どもの面倒を見る時は、それに集中します。

海外ドラマで、スマホに夢中になっている子どもに「いつもでスマホを見てるんだ?家族の時間だろう?」としかる場面を見たことはありませんか?

家族の時間にスマホは見ない。家族の時間は、家族と楽しむ。基本はここにあります。

力仕事は、夫がやるもの。女性に重たいものを持たせるなんて

「荷物を運ぶなどの力仕事は、当然男性の仕事。だって、男性の方が力があるからね。女性に力仕事をさせるなんて、紳士のすることじゃないよ。」

海外の男性は、力仕事は、男性の仕事と思う方が多いです。そのため、荷物を持つために、買い物も一緒に行くというのも普通です。ここでも、身体的合理性を求めているかもしれないですね。

得意なことを担当する。家事分担の基本はコレ

掃除に洗濯、料理とやることが満載の家事。やることが多いからこそ、得意な方が担当し、楽しみながらささっとこなすというスタイルが海外では多いです。

例えば、パパが掃除が得意というなら、掃除はパパ担当。日本なら「そういう細かいことは女性が得意」という概念がありますが、幼いころからお手伝いを通じて、「自分の事は自分でできるように」と育てられている海外パパは、自分の得意な家事分野を持っています。

任せたら、認める。あとから文句は言わない。パパへのリスペクトが基本

日本にありがちな「家事を任せたのに、あとから文句を言ってしまうパターン」。「パパに洗い物をさせたら、シンクに水が飛び散っていた!」など、感謝の気持ちよりも先に文句が出てしまうパターンは、日本で多く見られます。それでは、パパも家事をやりにくいですよね。

「妻の方が、仕事の都合で早く家を出るんだ。だから、幼稚園まで送っていくのは、僕の仕事。髪の毛だって、リボンをつけて結んであげるよ。まだ編み込みはできないけど。」という海外パパもいます。

海外では、「任せたら、認める」「やってくれたら、ありがとう」です。

いかがでしたか?今回は、国際結婚カップルの視点から、パパとママの家事育児分担事情をお伝えしました。

日本でも海外でも「夫婦であること」は同じ。お互い尊重しあって、支えあって、育児を楽しんでいきたいものですね。

著者プロフィール

クリエイティブディレクター。GUCCI、CHANELの日本法人勤務を経て独立。現在は、ファッション、ビューティー、子育てなどライフスタイルのコラム執筆、国内外ブランドPRコンサルタントを始め、メディアや企業スタイリスト、企業セミナー講師、PRモデルなどを行う。プライベートでは、ブラジル人の夫とインターナショナルスクールに通う娘の3人暮らし。主な取得資格として、学芸員資格、中学2種美術教育免許状などがある。https://www.karenstyle.jp

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